第2話 決して出会わない者同士の出会い
「うぉっ、な、なんだおめぇ!」ツトムはブブゼラのような甲高い叫び声をあげて驚いた。
「うわ~見ちゃったねぇ~”イッパンジン”は僕たちの存在は見ちゃいけないんだけどねぇ~」
「おい、な、な。なんだよ。 その僕たちってやつは!」
ツトムは体が下半分しか見えない存在に興奮猛々しく問いかけた。
「あ、いけない。僕以外にもこの存在がいることが「たち」って言ったからばれちゃった、「たち」って
ヴフゥッッくははははッ!
透明人間は見えない口で大笑いしてはこっちの方をまるで見やるかのように腰をくねらせるような
動作をし続けた。
「おい、お前は一体何なんだ!!そしてお前は一体誰だ!!」ツトムはなおも興奮していた。
「え、ぼくかい?本当は教えちゃいけないんだけどね~☆ まぁ10割中7割方君は知ってしまったわけだし
教えてあげるよ」
次の瞬間上半身だけ透明人間の男の全身が霧が抜けるように浮き出てくる。
男は白髪に慧眼、少年のような顔立ちをしているが背は高く成人男性ぐらいまであり、多分大人らしい。
全ての全身があらわになった時、つい先ほどまで「透明であった」彼は言った。
「僕は椎倉月夜、インビジバーno.100、ようこそインビジバーの世界へ」
月夜と名乗るそのその男は不気味に白い歯を見せて笑いながらツトムの方へと手を差し伸べた。