第11話 第二章 嘆きの限り月
「ツトムは未来で生きている...だと?...]
そうこれは神崎ツトムという存在が消えてから、100年後の話、
時代は空飛ぶ車が街を飛び交い、仰々しいタワーがそびえたつ
まさに100年前のSF世界が現実になったような世界。
神崎ツトムがいなくなった2018年の夏の日、あの日に突如として発足されたSFの世界を現実のものにする
プロジェクト、その名も、ナノマキナ。
このプロジェクトによって数々の高層ビルやタイムマシン、空間移動装置やバーチャル空間の発達など
あらゆる分野においてのプロジェクトが目覚ましく進化した。
そして舞台はその中で起こる。
---------------------------
その高層ビルの名前は、スノーム。
世界最大の高層ビルにして、世界最高の資産と実力を誇るナノマキナプロジェクトの二代目社長
「椎倉渚」による研究所である。
この研究所ではあらゆる研究成果が残されてその都度生まれは消え、生まれは消えを繰り返した。
しかし、同時に研究所の下は小さなカフェテリアになっており、数々の有名チェーン店が名を連ねている。
という複合型施設となっていた。
そんな施設、スノームの最上階で、椎倉渚はこう思った。
「何かがおかしい」と、
「何故、なぜなのよ! 何かがおかしい、何かがおかしい!」
そううわ言のように呟く渚に、社長秘書である、「トム」は一人不安げにこう渚に呼び掛けた。
「渚様、少しは落ち着いてはいかがでしょうか?一体どうしたのですか?我がナノマキナ社きっての
最新プロジェクトはもはや完成に近い状態であり、全ての段階を終え、
今、世界にまた莫大な利益をもたらそうとしているのに、
渚様、失礼を承知ですが、そんなに取り乱していては、
二代目社長としていけませんよ。」
「トム、うるさい!黙ってなさい。」
拳を震わせ激高する渚に、ひたすら縮こまるトム。
「で、では...何がおかしいのですか?
何もおかしいことな...]
トムがそう聞きかけた瞬間、渚は遮るようにこう答えた。
「何がおかしいかって? それは、ナノマキナの研究の事よ!」
次の瞬間、渚の心臓は脈拍が急激に上昇し、そのまま社長室の床に倒れこんでしまった。
「ん,,ンきゃぁあああああっッ! うぐっ!」
雄たけびを上げるように、苦しみのたうち回る渚を横目に秘書のトムはこう言った。
「月夜様の言うとおりでした...]
つづく。




