表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女ユイ  作者: 渡辺さん
4/4

私西田ユイは、凛城ユイという名で生まれた。


物心着くまで父母共々、可愛がってくれた。

だが、やはり家族というものは残酷で、徐々に父の暴力が激しくなっていった。


父が帰るとまず父は玄関で大泣きする。私の泣き癖も父に似たのだろう。


その後母は父を励まそうとするが、そこで暴力沙汰になり、私も巻き込まれる形が多い。


私も暴力を受けると必ず泣いていた。だが慣れていくうちに恐怖はあまり感じなかったのはよく覚えていた。母はとても怖がっていたが。


よく母にお菓子の買いたさによくぐずっていたのに、父への暴力は母にあまり泣きつかなかったのも覚えている。


その後、私が小学一年生になる何ヶ月かまえか、母は我慢の限界だったらしく、私と母で家を出ていった。


その後は、母とこの町に団地を借り、私は小学生に、母はアルバイトを転々としていた。

この団地生活で、私は徐々にわがままになっていった。

父がいた頃はちゃんと三食きっちりとご飯を食べてたし、家も広かった。暴力以外はとても裕福だった。


なので突然の環境変化に慣れていないのか、私はしつこく、母にご飯を要求したりとわがままを言っていた。

アルバイトの帰りで疲れていた母だ。すぐにイラつき始めていた。


そして団地生活半年ほど、ついに母にも私に暴力を振るうときがきた。私のあの荒れ具合だ。誰でもああなるだろうさ


だが、しつけとして暴力を振るっていても、昔の父の暴力により

恐怖を感じなくなったため、いくら殴られていても、泣くだけで何も

変わらなかった。母も、それに応じて徐々に父以上に暴力がひどくなっていった。


そのせいで私は泣く機会が増えていき最終的に泣くことに快感を覚えるようになっていった。


母は私といて何がよかったのだろうか


私は何で母と暮らしているのか


私は何で母の元に生まれたのか


私は何で父のところに引き取られなかったのか


私は母に必要とされているか


私は母の何だ


何で生きているのか。


私がいると母は泣いて、殴る。いなかったら泣かないし殴らなくてもいい。


それから私は母に気を使い、できる限り関わらずにいようと努力した。


母は結構外にいる時間が長いから、帰るときには寝るふりをしたり、


食べ物は冷蔵庫のものを漁ったりした。


そして中学一年生の時に母は結婚した。


新しい父親のその息子と一緒に暮らすことになった。


母は幸せになった。


私がいなければ母はもっと前から幸せだったはずだ。


自分が許せない、自分がこんな幸せな生活を送るなんて許されない


私は幸せを拒んだ、自分が幸せになると恐怖や悲しみが私に這いつくばる。


そしてこれからも私は泣いていった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ