西田ユイ
7月1日
私、西田ユイは今日で17歳になる
上でまだ寝ている兄を起こさず、歯を磨き、髪を整え、いつも通り学校へ行く。
誕生日だからって何か特別なことが起きるわけではないのだ。私は知っている。
まだ一度も誕生日を祝われたこどがない私は、何かあると少し期待してしまうものだ。
そんな気持ちのまま、学校まで歩くが、結局何も起きない。
今日は誕生日だからか、人目を気にせず学校まで歩けた。
高校二年生の教室は2階、私は1組だから廊下の端に教室がある
教室に入るといつも通りクラスメイトがいて、騒がしかった。
本当にいつも通りだった。誕生日でない日と全く一緒の空気だ。
それでもみんなが私にばれないうようにサプライズをしてくれているんだと、ちょっぴり期待したり。
でもそんなのはただの妄想でしかなかった。実際に私はこの三ヶ月間まともに人と話していない。
私が誕生日だと知っている人は書類のみ、っていうか私が存在していることを知らない人もいるほどみんな私を知らないのだ。
そんな当たり前なことを思いながら、授業が始まった。
そしていつもの私に戻る
なんで私は学校で苦しまなくちゃいけないんだろう。私は笑い声が嫌いだ。
あの耳鳴りがする声を聞くと、自分に矛を向けられているような嫌な感覚に襲われてしまう。
その度にいつも頭を抱えてしまう。
その仕草に心配して、声を掛けてくれる名前も知らない人に大声で慰められる。
「大丈夫?保健室行く?」
彼女は私をいじめているのであろう。考えすぎなのではない、きっとそうだ、被害者だからわかる。
きっとわざとやっている。わざと声を大きくしてやってるんだ!
私は私のことを知ろうとする人間が大嫌いだ。
私の性格が自分と合わないなら、容赦無く話のネタになるはずだ。
いじめられない唯一の方法は孤立だと思う。
私と関わって欲しくないのになぜ話しかけてくるんだ
無性に腹がたつ
「保、保健室?」
「そうそう保健室」
「そのためだけに私の声を聞きに来たの?」
「違うよ!私は心配して・・・」
「お前は仲良いやつとくっちゃべってればいいんだよ!気安く話しかけんなよ!」
教室が静まり返る。
人生で初めてかもしれない、自分を制御できず思い切り叫んだのは。
よほど誕生日に期待していたんだろう。
そんな嫌な雰囲気の時に、
私に話しかけた彼女が、首が絶対に曲がらないであろう角度に
曲がった
え?