第11話 魔を討ち滅ぼす日
「よっしゃ、やるぞー！」
各々が一斉に飛び出してララヴィアに接近する。
試しに、レイリが銃を放つ。
「シネェエエエエエ！！！」
ララヴィアがそういうや否や、空間に亀裂がはいる。
そこに弾丸が吸い込まれると、別の場所に亀裂が入り、そこからレの弾丸がシオンに向かって飛び出してくる。
「クソ、やっぱ攻撃は返されるのか。防御のルーン。」
ルーン魔術でそれを防御しつつ、さらに接近しようとすると透明な壁のようなものにぶつかってそこから先に通れなくなる。
「何これ！？」
「空間を断絶されたんだ！枝音！」
「わかっ………ぐっ！？」
「サセ………ナ、イ。キエ………ロ。」
枝音が断絶された空間を解放しようとするが、ララヴィアから翼による猛攻を仕掛けられる。
先程から空間能力に干渉してきているのが枝音であるということに気づいたんだろう。
知能も、明らかに上昇している。
「コワ………イ。オマ………エ、キ、ケン。キエ、ロ。」
ララヴィアが空間能力を駆使して、枝音を追い詰めていく。
翼による攻撃を回避し、前へ進もうとした瞬間、ぞわりとした寒気を覚えてとっさに後ろへ下がる。
枝音の目の前の地面が四角く切り取られ、切り取られた土砂が枝音の上空に出現する。
「ええい！」
土砂が全て水に変わり、水が龍の姿を形作る。
水でできた龍がララヴィアに襲いかかるが、ララヴィアにあたる直前で見えない壁のようなものにぶつかり、防御される。
「私が空間ごと喰らう！」
ネアが影を伸ばし、ビシ、ビシと見えない壁のようなものに侵食し始める。
パリィン！とガラスの割れるような音とともに前へ行けるようになる。
ララヴィアに至近距離まで近づき、舞鬼が思い切り大剣を振り下ろす。
が、ララヴィアの姿が掻き消える。
「んなっ！？どこに………！？」
言うやいなや、背後にララヴィアが出現し、翼で右腕を切り落とされる。
だが、
「ユートピア・オブ・ヴァルハラ！！」
リリィの能力によってすぐさま右腕が再生する。
そして、ディストピア・オブ・ヴァルハラの能力でララヴィアの右腕が吹き飛ぶ。
「はは、リリィがいたら『大江山』は必要なさそうだなっと！？」
ララヴィアの右腕の切り口から翼のようなものが生え、舞鬼に向かって振り下ろすが、羅鳴が槍で受け止める。
「無駄口叩いてる暇があるなら、戦闘に集中！！」
枝音がララヴィアの防御を引き剥がす。
羅鳴が肩から生えたもう一本の腕をララヴィアの腹部に伸ばし、掌を当てる。
「吹き飛べ！」
ボコボコと沸騰しているかのようにララヴィアの腹部が膨張し、爆発四散する。
吹っ飛んでいくララヴィアを影で縛り上げ、リリィがアリアでララヴィアの体内に直接攻撃を仕掛ける。
「空間とか関係なしに直接肉体や場所に作用できる能力なら押し切れそうだな。枝音、ネア、リリィを筆頭にして、ほかのメンバーはアイツらを援護するぞ！」
「オッケー！」
リリィ、ネア、枝音がララヴィアに向かって突っ込んでいき、猛攻撃を仕掛ける。
「ウガァアアア！！」
瞬間移動や、それを応用した物質の移動を使ってララヴィアがそれに対抗する。
瞬間移動させた鉄骨がシオンの右肩に突き刺さる。
体内に転移させられたのだ。
鉄骨を引き抜いて、そこらに放り投げる。
次に、パキンッ！という音ともに瑠璃奈の左足が吹き飛ぶ。
足だけを別の場所に転移されたのだ。
今のララヴィアが行っているのは、まるでフィラデルフィア実験のようだ。
様々なものを転移させ、空間を断絶し、空間を切り取ってララヴィアは攻撃を仕掛ける。
それらをいなし、かわし、いやし、防いで、枝音達はララヴィアを倒そうともがく。
ララヴィアの知能はありえないほどに高くなっている。
そう、いくつも攻撃パターンを変えているのだ。
自分たちに対応される前に、能力の使い方を変えて自分たちを翻弄している。
だが、空間能力による攻撃パターンで、一つだけ予測できるものがある。
それを使ってきた時がチャンスだ。
そして、その時は来た。
ララヴィアが自身を転移させる、ヒットアンドアウェイへと攻撃パターンを変える。
これを、待っていた。
「枝音！次の転移場所を教えろ！！」
枝音が眼の力で情報式を視る。
いつ、どのタイミングで発動するか分からないからそれ自体に干渉は出来ない。
だが、そこに情報式があるということは、いつかは必ず発動するという事だ。
待ち伏せにも近い作戦が可能となる。
「そこだっ！！羅鳴の後方40メートル！！鉄骨と瓦礫の影！！」
枝音が指示した場所のまだ崩落し切っていない天井部分に羅鳴が攻撃を仕掛ける。
天井が崩れ落ちた瞬間、ララヴィアがそこに転移してくる。
落ちてきた瓦礫で視界を遮られ、次の対応に遅れたララヴィアをネアが影で縛り上げる。
「今度は逃がさない！」
脱出しようと必死でもがくララヴィアを、枝音がさらに封じ込める。
そして、
「これで終わりだ。ララヴィア！！」
シオンが銀色に輝く右の義手を、手刀のようにしてララヴィアの左胸に突き刺す。
「我が銀の腕は雷光の如し！！」
自分の右腕がぶっ壊れるのもお構い無しに、シオンがアガートラームを使用する。
溢れんばかりの稲津の奔流があたり一面に満ち、全てをやき焦がして貫く。
「うぉおおおおああああ！！！」
「ギィイイイイイァァァアア！！」
そのまま貫いた腕でララヴィアの魔核を掴み、ララヴィアから勢いよく引き抜く。
ララヴィアが断末魔を上げつつ、倒れる。
シオンの右腕は原型がもう無いくらいボロボロだが、それでもララヴィアの魔核をしっかりと握りしめていた。
「やっと、勝ったの………？」
「そりゃフラグって奴だが、ここまでしぶとかったんだ。これ以上はねぇだろ。」
見れば、ララヴィアの肉体はボロボロと崩れ落ち、砂となって消え始めている。
「手強かったね。」
「あぁ、正直、ここまでしぶといとは思っても見なかった。だが、これで揃った。」
クロノスとララヴィアの2つの魔核。
時間と空間を操るこのふたつの化け物の魔核が、揃った。
これで、光の巨人に手が届く。
「みんな、地上に出る。体力は問題なさそうか？」
シオンの問いに、茨木が答える。
「ん、ああ、そういや、なんでか疲れがねぇな。」
「私のユートピア・オブ・ヴァルハラの能力のおかげじゃない？私のあれは、全てを癒すって効果だし。」
「ん、問題なさそうなら行くぞ。やつが待ってる。」
シオンの言葉に、一同が首を傾げる。
「………やつって？」
「茨の女王。お前達の女王サマだ。今ここで、光の巨人を手に入れる。」
なぜだ！？何故ブックマークが増えない！？
（文章力が）坊やだからさ。
こんな文章、修正してやる！
っと、茶番も程々にってね。
どーも、どこ黒です。
いやー、ララヴィアやっと死にましたね。
ここから怒涛の展開になるので、伏線とか回収しとくといいかも？（作者自身が伏線を忘れてる可能性あり）
前の話とかにも、おや？ってなるような伏線？みたいなもんもありましたしね。
では、また今度〜
