第9話 偽物にも宿る本物。
ブクマや評価やらしてくれると筆者のモチベが上がり!?続きが爆速で出来上がるかもしれないので!?皆さんこーの小説を読んだからにはブクマやら評価やらしてってくださいねぇ!!
「わた、しは…………本物に…………なる。」
ネアが、迎え入れるように両手を広げるレミ・ネアリーの顔をした冴詠の心臓に、刃を突き立てようとする。
冴詠の笑みが深くなる。
ナイフの先端が、皮膚を貫く。
あとはこのまま押し込めば、いいだけだ。
「本物になりたい………だから。」
(本当に??)
どこからか声がして、ナイフを突き刺す手を止めて、振り返る。
そこには、白い人型の影があった。
冴詠の表情が、怪訝なものに変わる。
(本当に、そうなの?)
「誰……?」
(それをしたら、あなたは本物になれるの?本物になりたいの?本当に?)
「……………それ、は。」
無価値なんて嫌だ。
意味が無いなんて嫌だ。
己自身が消えるのは嫌だ。
私が、私でいられるのなら。
「待って、ネア。君は一体誰と話してるの?そこに誰がいる?」
本物になれば、この心の隙間が埋まるのなら。
本物になれば、この不安と恐怖が消えるのなら………。
(うそ、あなたはとっくに気づいてるはず。暗い感情に惑わされないで。ほら、聞こえるでしょ?貴女の名前をを呼ぶ声が。)
「こ、え……………?」
聞こえない。
そんなもの、聞こえるはずがない。
そんなの……………
――――――ネア!
――――――ネアちゃん!
―――――――ネア!
―――――――ネア。
―――――――ネアちゃん!
「…………っ!?」
瑠璃奈が、リリィが、茨木が、レイリが、羅鳴が。
呼んでいた。呼んで、くれていた。
そうだ、私はレミ・ネアリーでは無い。
この記憶も、名前も、偽りのもの。
だけど。
でも、それでも、私は、この心と、彼らと過ごしてきた記憶は、私だけのものだから。
(………お前は、レミ・ネアリーでは無い。お前の名前と、過去の記憶は与えられたものだ。だが、お前しか持っていないものもあるだろう?それは確かに、ここにあった。)
今度は、別の声が聞こえた。
黒い影だ。
どこか悲しそうな雰囲気のその影は、どこか羨ましそうにネアを見ている。
「お前はまさか……………は、ははっ、そんなのアリ?」
白い影には気づかなかった冴詠は、何故か黒い影には気づくと、乾いた笑い声を上げる。
「そりゃあないよ。………無理じゃん、乗っ取れないって。」
(ハッ、もともと乗っ取るつもりなんてなかったくせに。案外、優しいやつだよな、お前も。)
黒い影と、冴詠が会話をする。
知り合いなのだろうか?
………人の精神世界で談笑しないで欲しいのだが。
「ハッ、そりゃどーも。………んじゃ、答え合わせと行こうか。………君は、誰?」
「私は……………私は、ネア。他の誰でもない、ネアよ!!」
「………そう。」【それでいいんだよ。】
目の前のレミ・ネアリーの姿が、冴詠の姿に変わる。
17か、18くらいの少女だ。
そう言えば、こんなにハッキリと顔を見たの初めてかもしれない。
受け継いだ記憶の中で見た、黒音という人物によく似ている。
少々髪が長く性別が違うことを除けばそっくりだ。
彼の妹だと言われれば、そのまま信じてしまいかねないくらいには似ている。
「君はかなり多くの私の因子を受け継いだからね。瑠璃奈とかいう子とは違って、私という意思体はだいぶ形を保って居られるんだ。」
「そう…なんだ………。」
なんて、声をかければいいのだろうか。
今までは、散々こいつに迷惑をかけられた。
なんで私がこんな目に、なんて思って日は少なくない。
この子の囁き声が恐ろしくて、不安で、怖くて。
でも、今は、どうだろう?
頼もしい相棒になってくれる、なんて。
そんな都合のいいこと、考えてもいいのだろうか?
「これからよろしく。冴詠。」
「……………うん、よろしくね、ネア。」
――――――――――――――――
「ヴァァァアアアアアラァァアア!!」
ララヴィアがひときわ大きく叫び声をあげると、周囲の空間がねじれ始めた。
ギシギシと軋むような音が鳴り響き、ララヴィアの手前に出現した黒い球体に、空間が吸い込まれていくかのようだ。
「………………っ!?シオン!ララヴィアが!?」
「なんだありゃ………!?」
「…………恐らく、空間をねじ曲げて、抽出しているんだと思う。いや、あるいは、ちぎりとっていると言った方がわかりやすいかな。」
枝音がララヴィアを見て、分析し、どんな攻撃が来るか説明する。
「時空崩壊式に似てるね。ちぎりとった空間全てをエネルギーに変えて、それらを圧縮して放とうとしているみたい。手持ちの防御手段じゃ防御は厳しいけど、回避なんて不可能。防御するしかないよ!…………うん?みんな?」
枝音がみんなの方を振り返ると、みんなが何か変なものでも見るかのような目で枝音のことを見ていた。
「………枝音、あんた今まで空気みたいに存在感薄かったのに、急にどうしたの…………?」
「頭でも打ったのか?」
「ユートピア・オブ・ヴァルハラ。」
瑠璃奈が驚いた顔で枝音を見、茨木が心配そうに言って、リリィは無言で能力を発動する、特に頭に向けて。
「ちがぁああう!別におかしくなった訳じゃないっていうか失礼なヤツらね!?てか、リリィ!能力を私の頭に使うんじゃない!!」
確かに、今まで珍しく静かだったもんね!?
急に喋ったら驚くよね、ごめんね!?
主人公なのに存在感薄くて悪かったね!?チキショー!
一瞬にして不機嫌になった枝音を宥めつつ、一同は再度、ララヴィアの方を見る。
「アレ、本当に防御できっか?」
「いやぁ、無理だと思うなぁ。」
「呑気に言ってる場合じゃないでしょ!ていうか、ネアはどうするのよ!?」
瑠璃奈が焦るが、シオンと枝音は顔を見合わせて、笑いながら答える。
「それはもう大丈夫だろ。」
「うんうん。ネアは強い子だからねぇ〜。」
カッ!!とララヴィアが一際大きく光り輝く。
と、同時に世界から音が消え、表現のしようのないくらい澄んだ、それでいて本能的に死を覚え知られるかのような音が響く。
だが、それほどの凄まじい攻撃が行われたのにも関わらず、誰一人として傷をおってはいない。
何が起きたのか、そう思ってシオンと枝音以外の全員が目を開くと、そこには、ネアがいた。
「みんなごめん!!待たせた!」
右目の白目は赤く染まり、両目の瞳は金色に輝いている。
前方には黒い影のようなものを盾のようにしており、ララヴィアの攻撃を全て防いでいるようだ。
「………ったく、遅いんだよ。色々と。」
誰かが、呟いた。
ララヴィアの攻撃が終わる。
「ヴォォオオオオォオオオルォァアァア!!」
まだ敵が死んでいないことに、ララヴィアが怒り狂う。
そんなララヴィアを前にして、臆することなくネアが立ちはだかる。
全員がそれに続いて、各々の武器を手に取り、能力を発動させる。
「さぁ、反撃の時間よ。覚悟はいい?」
――――――そう、いま、ここで空間の神を討つ。
己の願いのために―――――――――――
はいどーもーどこ黒ですー。
最近一日に2話投稿が多いねって?
だってさー、まばらに投稿するよりも、その日の読者の数稼ぎたいじゃん?
や、溜めておくのがめんどくなっただけですはい。
で、す、が!?
総合評価ポイント!これが増えるとわーたくしのやる気が爆上がりし!?
一日に3話連続投稿とかしちゃったりして!?
早く続きが読めるかもしれませんよ!?(逆に減ったらやる気だだ下がるよ)
なので最初にも言ったようにポイントを捧げてくれると嬉しいですねぇ!さぁ観念してブクマをおしなさぁい!
あ、元々してるよって方はありがとうございます。
完結まで誠心誠意頑張りますので応援するよろしくお願いします。
あ、そろそろ6章も終わりに近いですが(ほんとぉ?)、6章の終わりに、色々な設定まとめや登場人物紹介をしたいと思うので、これどゆこったい?とか、こいつ何がどうなってはるの??と、まーとにかく「設定やら用語やらややこしいわ!」って言う人は見てっていただきたいです。
ま、半分は自分用な感じもありますけどね(白目)
では、長ったらしくなりましたがまた今度〜。