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黒白の心。  作者: どこかの黒猫
第8章 未来に希望を持つために。
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第7話 浮遊する都市


「最終結界に……穴が!」


「第1防壁、崩れていきます!」


「ワルキューレの部隊が上陸し始めてます!!空挺部隊もさらに上陸………結界はあと数分ともちません!」


「構わん、そのまま敵をなるべく多く上陸させろ。」


黒音の言葉に、オペレーター達は戸惑いながら、「りょ、了解」と返事をする。

そして、黒音は空中展開都市アンティオキアの方に連絡を取る。


「準備をしろ。重力制御装置と、空間断絶結界の調子はどうだ?」


『問題ありません。予定通り行えます。』


「いいだろう。海上都市管理部に連絡、合図と共に海中の柱の連結部を全て破壊せよ。」


「了解。」


海上都市を全て海にたたき落とし、その上にいる敵部隊ごと都市を壊滅させる。

だが、こんな見え透いた策は敵も予想しているはず。

必ず、妨害してくるはずだ。


そして、コクネが要塞内部にいたということから、その妨害手段は見え透いている。


「敵部隊、さらに多数上陸!結界が完全に破壊されました!」


「第1防壁が崩壊していきます!!敵海上部隊、さらに侵攻!」


「防衛ラインを海上都市まで引き下げます。陸上部隊を第25ブロックから第36ブロックに展開しますか?」


「いや、陸上部隊は海上都市第1ブロックから第12ブロックまでに配置、防衛ラインはそこに定める。」


「了解!!」


「敵部隊、第28ブロックまで侵攻!」


「今だ、連結部に点火!!」


「了解。第2から第36ブロックまでの全ての連結部をパージ、支柱を全て破壊します!」


新たにメインモニターの手前に映像が浮かび上がり、海上都市の下にある柱の全てが赤色の表示に切り替わる。

が、モニターの映像には依然として変わりはない。


「ダメです!?柱の連結部は全て切り離しているのに、海上都市が崩落しません!!」


「海中内の温度、極端に低下。これは………海中一帯が凍りついてます!!」


『おいどうすんだ?海上都市が沈まないとなると、防衛ラインを引き直さなきゃ行けないが……?』


ラストが通信回線から連絡してくる。

だが、それを聞いて黒音は笑みを浮かべる。


「クク……誰が海上都市を沈めると言った?アンティオキア!やれ!!」


その言葉と同時に、海上都市を横からとらえた簡略図の海上都市の部分が赤色の表示に切り替わる。

そして、それと同時にモニターに映し出された映像の海上都市が、各ブロック事に次々と空に浮かび上がっていく。


空中展開都市アンティオキアを浮遊させている技術、重力操作を海上都市の各ブロックにも適応したのだ。

さらに、空間断絶結界を各都市の下に敷くことで、空中に完全に固定している。


「瑠璃奈、出番だ。そいつの性能を見せつけてやれ。」


『了解。』


―――――――――――――――――――


浮かび上がった幾ブロックもの海上都市の真下、氷で閉ざされた海中から、氷を割りながら巨大な何かが姿を表し始める。


「マルチロックオンシステム起動……ロックオン開始………完了。発射。」


氷の中からミサイルが何百発も放たれ、浮遊する海上都市に向かって突き進む。

そして、空中部隊や各艦隊に向かっても恐ろしい数のミサイルが放たれる。


バッシャアア、と海氷を割りながら空に浮かび上がったのは長く巨大な砲身が目立つひとつの超大型の機体だった。


240メートルもの大きさを持つそれは、瑠璃奈に渡された新型Flexible・Armorである『ネメアの衣II』である。


元々は要塞都市攻略用に開発が進められていたHFだったが、あまりにも性能がピーキーすぎて誰にも扱えない代物になっていた。しかも、これを開発できるだけの技術者の不足もあって、未完成のままで放置、パーツ事にばらした状態でずっと保管していたのだった。

が、今回の共同作戦にあたり、瑠璃奈がそれを扱いこなせるという事と、深界迷宮にいたウィルというかつての天才技術者が仲間に加わったことにより、再開発が進められた。


かつて白華が開発した超大型flexible・Armorである『ネメアの衣』のデータを元にし、ついに完成したのだった。


全長が240メートルと、もはや超大型のHF並の大きさであり、もはやFAと呼べないようなものであるが、瑠璃奈の能力補助などの役割も担うので、HFとFAの中間のような機体である。


装備品もオーパーツも甚だしいものばかりで、武装はひとつの要塞をたった一機で攻略するのに申し分ない数と威力である。


八式飛翔システム改、半径1キロメートル能力無効化装置(特殊仕様)、ビーム撹乱フィールド発生装置、マジック・キャンセラー、空間歪曲結界、霊壊式エネルギー砲改、ミサイル発射装置、大型チェインブレード、拡散型エネルギー砲、振動型崩壊ミサイル、対空砲、8.8cm Flak、エネルギーマシンガン、エネルギー撹乱ミサイル発射装置、魔素撹乱ミサイル発射装置、零式超電磁加速砲、超電磁砲、51センチ3連装砲、近接格闘用アーム、高周波ブレード、エネルギーブレード、エナジーリング、侵食型融解ミサイル、エナジードレイン、遠隔操作ユニット、ビーム反射板、特殊方式放熱システム………などなど。


特に、エナジードレインと特殊方式放熱システム、そして霊壊式エネルギー砲改、この3つが凄まじい。


なぜかと言うと、連射が可能なのだ。


エネルギー充填は、エナジードレインを行えば数分で必要量が確保できるし、瑠璃奈の炎や熱を生み出し操るという能力と、特殊方式放熱システムを使うことで、一瞬にして機体の冷却が可能になるのだ。


それによって、戦略級のビーム兵器を数分事に撃てるという過剰火力も過ぎる代物が出来上がってしまっている。


そして、霊花崩壊エンジンも6つも搭載しているという異常数であり、さらに予備のエンジンを切り離した状態で飛翔システムの近くで浮遊させており、効率は悪いものの、緊急時は空間制御魔術を使った技術によってワイヤレスで予備エンジンからのエネルギーの補給が可能となっている。


エナジードレインは半径300メートル以内のエネルギーを吸収し、自分のものへと変換できる技術で、作るのにかなりの時間と労力を費やした完全にオーパーツな装備である。


それが例え能力者であってもドレインが可能で、よっぽど自身のエネルギーを完全に制御できていない限りは奪われてしまう。


ただ、味方のエネルギーも吸ってしまうので、この機体の半径300メートル以内に味方も近づけないという欠点が存在してしまっている。


が、その欠点をおもぎなってあまりあるだけの単独行動の性能が凄まじい。


そして瑠璃奈はその超兵器を完璧に操作し、海上都市へと攻撃していく。

元々が要塞攻略用の兵器なのだ、ブロック事に分裂し、なおかつ防御結界のない浮遊した海上都市など、瞬く間に破壊できる。


「ターゲット、ロックオン。ファイア。」


海上にある敵要塞に向けて、霊壊式エネルギー砲改を撃ち込み、敵要塞の結界を一瞬にして破壊、叩き割る。


他のビーム砲や超電磁砲などを放ちながら2分ほど経つと再び霊壊砲を撃ち込む。

今度は敵要塞表面の装甲を破壊し、敵要塞内部を蹂躙していく。そして、極光が敵要塞を貫通し、背後の敵艦隊ごと焼き尽くしていく。


右側面から攻撃が来るが、瑠璃奈は微動だにしない。

防御能力もチート級だからだ。


空間断絶結界はほぼ異能力を使わなければ突破できない代物だが、能力無効化装置やマジック・キャンセラーなどがあるので能力を使って攻撃しても意味が無い。


ちなみに、この能力無効化装置だが、ネメアの衣のみ対象から除外されているというなんとも反則な仕様となっている。


シュミレーションでは、この機体を100%使いこなせれば新東京都市は半日もかからずに壊滅させることが出来るという予測結果がでている。


そして、黒音の目論見通りならこのまま瑠璃奈が蹂躙し続けていれば必ずヤツが出てくるはずだ。


空間歪曲結界を破壊するために、必ず侵食式崩壊ミサイルを使用してくる。

それしか異能力以外での結界を破壊しきれる攻撃手段が無いからだ。

そして、防御手段を剥ぎ取ったならば必ずヤツらが出てくる。


ある程度敵を屠り、実弾系の武装が切れたところで瑠璃奈はAFを武装を1部パージし、自身も外に出る。


予想通り、見覚えのある反応があったからだ。


対空兵器などは全て実弾なので、弾切れを起こすと防御は結界便りになる。

さすがに侵食式にいつまでも耐えられるだけの強度は無いので、壊される前にアンティオキアに回収してもらい、再度補給を行う。


そして、自分はヤツとの勝負だ。


「さぁ、かかってきなさい………イザナミ!」



はいどーも、どこ黒ですー。

後書きに現れるのも久しぶりな気もしますが。


ブクマいつの間にか結構増えてたりしてて、驚き感謝感激恐悦至極狂喜乱舞クライマックスです(意味不明)


読んでくださってる皆さんと、ブクマして下さった皆さんほんとありがとうございます。


まだ終わりまで結構続くのでよろしくお願いします。



追記、ネメアの衣II強すぎてもうこいつだけで良くない?なんて言っては行けない………。



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