表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒白の心。  作者: どこかの黒猫
第一章 天使討伐作戦
14/182

13話 神喰らいの心。

五日間連続更新1日目です。

神殺しの一族。

それは、文字通り神を殺すためだけに特化した1族であった。

神狩り戦争の時代、人、神、死神、邪神、魔女が互いを殺しあっていた時代。人は神に対抗するため、究極の対抗兵器を作り出した。


すなわち、神を殺し尽くすためだけの人間を。


それによって生まれた一族が神喰家、神の魂を喰らうもの。

代々、神喰家には、具現的な能力は人それぞれだが、神を殺す為の力を使うことができる人間が一人現れる。

そして、今代の当主は、歴代最高と謳われるほど凄まじい力を有していた。


神喰潤 (かみくらじゅん)

その能力は、神殺しと呼ばれるあらゆる武器の使用、及び神殺しの武器の作成である。神殺しの武器……つまり神滅器だが、これは神滅器そのものを使用しているのではなく、一時的にその場にコピーしている様なものである。


コピーと言ったが、それは本物であり、本物が同時に世界に二つ存在しているような状況であるといった奇妙な状況となる。

ちなみに、他人の神滅器を奪った場合は所有権が神喰潤に移る。


そして、二つ目の能力で、この世に存在しない新しい神滅器を作り出すことが出来る。これにより、あらゆる神の弱点が付ける。


これらの能力により、神喰は対神戦以外では、中の上あたりの実力だが(それでも充分凄いが)、神を相手にした場合、まず負ける事はありえないほどに対神に特化したものとなっている。


そして、その言葉の通り、神喰は今まで色んな相手が苦戦していた人口神を圧倒していた。

それは、あまりにも一方的な戦いであった。


「鎖よ、縛れ。」


何本もの鎖が人口神にまとわりつき、拘束する。人口神は抜け出そうともがいたり、様々な攻撃を加えて破壊しようとするが、ちぎれる気配はまったくない。

神喰は、青い瞳が真っ赤に染まり、髪の毛も桃色から燃え盛るような赤へと変わっている。


「久しぶりの神だ。存分に楽しませてくれよ?」


槍や、剣と言った様々なものを手の中に具現化しては人口神に向かって投げつけ、その全てが人口神の腕や足に突き刺さる。

傷口はまったく再生する気配がなく、徐々に広がっていっている。


(ん……?再生能力が通常の神より低いのか……?)


試しに、ミスティルテインを具現化し、弓矢で射抜いてみる。

相手の防御を全て突き破り、左肩を貫通して、大きな穴が肩に開くが、塞がる様子はない。


「ちっ、神といっても所詮はまがい物か、この程度も持たないとはな。」


苦し紛れの抵抗とばかりに、先ほど白華を壊滅に陥れた以上の攻撃を神喰に向かって放つが、全て盾、鎖、剣や槍に弾かれて無効化される。


「つまんねぇなぁ。以前にロキとやりやった時はもう少し楽しめたんだが……。」


青白い炎を纏った双剣を具現化し、構える。羽衣の端が翼の形に変わり、空を羽ばたき始める。人口神の攻撃を避けつつ、その首を切り落とそうと振るうが……。


「っ!?」


人口神は、鎖で満足に動かせない体を無理やり動かして、光の槍を形成してその攻撃を受け止めていた。


「は、ははっ!?そうだよ!やれば出来るじゃねぇか!!」


が、神喰の燃え盛る青白い炎が、光の槍から腕へと移っていく。

その炎が、神を燃やし尽くさんとばかりに燃え広がる。

そして光の槍ごと切断する勢いで力を込め、人口神の胸を真横に切り裂く。


「おい、神喰。その位にしとかないと鍵まで壊してしまうぞ……?」


神喰が暴走しちゃってる可能性が高いので様子を見に来てみればこれである。

ちなみに、二人とも空中である。


「ははは、ははははは!!!もっとだ!もっと楽しませろよ!」


完全にスイッチが入ってしまったようで、黒音の話を全く聞かない。

確かに、神と言っても素の状態で顕現してる奴なんてめったに居らず、遺物として人と契約してるのがほとんどであり、それらは普通に対処可能なので神喰をわざわざ呼んで戦う様なことはしない。そのため、ちょっと欲求不満なのかもしれない。

それに、神喰は一族の血の影響で殺神衝動というものがある。

まぁ普段はコントロールできるらしいのだが、熱が入りすぎたのだろう。


ため息をついて呆れながら、黒音はある意味暴走している神喰を止めることにした。


「………アリアドネ。」


黒音の右手にアリアドネが現れ、それを背後から神喰に向ける。

その事に気配で気づいた神喰が慌てる。


「ちょ!?冗談だって!止める!止めるから、その銃下ろせって!?」


ちなみに、神喰がこんなふうに暴走した時に、何度もアリアドネを使って撃ち抜いているので、神喰にとってはある意味恐怖の対象となっている。しかも、使用弾頭は痛覚を暴走させる拷問用なので尚更だろう。

まぁ、興奮状態の彼女は、これくらいしなきゃ正気に戻らないから仕方ないのだが。

とりあえず、人口神はズタボロの状態で鎖で縛って動きを封じておく。

24mほどの巨大な図体がただのオブジェのように身動き1つも取れずに封殺される。


しかしまぁ、俺達や白華の連中が必死に倒そうとしていたものを、こうも簡単に倒すとなると改めて凄まじいな、と思う。


と、背後に気配を感じ、振り向くと


「油断大敵ってな!!」


夢羽がデザイアで切りかかってきており、それを首の動きで回避する。


「くっそ野郎が!お寝んねしてたんじゃ無かったのかよ!?」


「はっ!それこそ我々を舐めすぎだろ!!ていうか、あの程度で簡単にやられてたら白華の総司令なんぞなってねぇ!!」


見れば、気絶していたと思われていた他のメンバー達も、油断していた夜花のメンバーに奇襲を仕掛けている。


(クソ、死んだフリ作戦でこちらの隙を伺ってたってのか。確実に仕留めたと思っていたが……。)


拒絶王がやけにあっさりとやられるな、とおもっていたが、こちらの目的を確認してたってところか。そして、それだけではなく人口神を俺達に潰させておいしい所だけかっさらっていくつもりなのだろう。

というか、この動きからすると白華は全滅間近まで行く事は予定通りで、夜花が介入してくるのは当然、そして人口神も夜花が倒すだろうという事を前提とした作戦だったんじゃないか、と思う。

相変わらず、頭がぶっとんでやがる。

自分の戦力削りたくないからって他人の手も利用するのかよ。


「くァー!!ほんっとに面倒くせぇ奴らだな!?神喰はそこのカミサマを縛り続けてろ。おい、灰空(はいから)!!」


スーツを来た男が突然空中から現れる。

よく見ると、枝音を捕獲しようとしていた男のようだ。


「はいはい?なんの御用でしょうか?」


「あの鬱陶しい拒絶王をなんとかしろ!俺は枝音の方に行く!」


「ヴぇ!?私が拒絶王をですか!?」


「お前の能力ならなんとかできるだろ!時間稼ぎでもしとけ!」


拒絶王を相手に出来るやつなんかそうそういないが、灰空の能力なら何とかなるはずだ。

もう一度拒絶王を相手にしている暇はない。

今は、枝音の方をなんとかするのが最優先である。

枝音の方は、雷の拘束力が落ちてきている上に、さらにその雷の拘束を引きちぎりつつある。


「ガルル……。グゥヴォレェエ…!!」


(やれやれ…これは面倒くさそうだ。)


―――――――――――――――


「海よ……!」


「おらぁあ!」


こちらでは、水姫と雷狐が戦っていた。

水姫は、相手からの遠、中距離攻撃を分厚い海水の盾で防いでおり、水をビームのように噴出したり、ウォータージェットのように相手を切断しようとしたり、水を武器の形にして攻撃している。


対する雷狐は、電磁バリアを展開して防御しつつ、稲妻を放ったり能力で銃を具現化したり、電気で武器を形成して戦っている。


雷狐の能力は電気、及びそれによって生み出されるエネルギーを自在に扱う事と、様々な銃や砲台といったタイプの武器を具現化するというものである。


水姫は鉄扇を振るい、海水を大量に生み出しては自在に操っている。


「これならどう?」


竜巻のように回転させた大量の海水が3本、雷狐に向かって襲いかかる。


「くそっ!うらぁあ!!!」


雷の柱を3本作り、海水の竜巻にぶつけて相殺する。

土煙が晴れると、今度は水姫は大量の海水を正面に集め、放とうとしている。

ウォータージェットの巨大なやつかと思うが、明らかに集まるエネルギーが違う。

恐らく、電磁バリア程度では貫通される。

そう考えた雷狐は、同等かそれ以上の出力で対抗することにした。

雷狐が自分の横に巨大な砲を具現化する。


「荷電粒子砲!起動!!カウントダウンスキップ!てえええぇ!!」


大量の海水と、莫大なエネルギーがぶつかり、凄まじい衝撃波を撒き散らす。


(なんで、能力で生み出されたとはいえ、海水が荷電粒子砲を相殺出来るんだ……?)


能力で生み出されたのだから、ただの海水で無いことは確かだ。だが、相性やこちらの火力、そして向こうの能力からして出力はこちらの方が圧倒的に上なはず。何か他に能力を使用していると見るべきだが……。


「はぁ、はぁ、これでも…無理なの…?」


水姫は先程の攻撃で力を使い果たしてしまったらしく、息使いを荒くしている。

対する雷狐も、まだ体力は残ってはいるものの、荷電粒子砲を使ったせいで限界が近い。


「仕方がない。ほんとはやりたくないけど。」


急に、大人しかった水姫の口調が力強いものへと変わる。

右腕に黒い模様が浮かび上がり、バチバチと黒いスパークが走る。


(なんだ……?なにをする気だ?)




はい、どうもお久しぶりです。どこ黒です。


言いたい事というか、雑になった箇所の言い訳が多々あります(白目)


まず夢羽は雑魚なのではなく、やられていたのはわざとです。拒絶王はそんなに弱くないです(途中ガチでやられかけてましたが夢羽本人曰く、わざとです。)


と、いうか殆どのメンバーは死んだフリしてました。1部のメンバーはその事について知らされていません。士気に関わる極秘作戦なので。


話の展開上入れる箇所がなかったので割愛しましたが(入れ忘れたとも言う)、機会があればその極秘作戦通達のシーンもいれます(おそらくどこかの話が改稿になるかな、と)


人口神の大きさはでかいです。24mほどです。翼とか含めるともうちょいでかいです。


まぁ、こんな所ですかね。他になにかなんだこれ?ってところがあれば教えてください。


ではまた明日〜。





追伸:空墨さんの出番、ほんとになくね?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ