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クリア済みゲームを今度はリアルで救う  作者: エスト
第一章 ギルド加入
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第7話 「金持ちの女」

 偉そうな女が来たなぁ。だけどなんか気品っていうのかな、そんなのがあるな。腰の剣も結構高そうなものだし,いいとこのお嬢様が道楽で冒険者になったってところかな。


「どうも……えーと、あんたの名前は?」


 俺が聞くと女はカードを取り出し俺に渡してくる。


「これが私の名前とステータスだ。存分に見てくれてかまわないぞ」


 カードってそんな簡単に見せていいものなのか? どうもこいつはアホの匂いがするな。


「えーっと名前は、ソウラ。ステータスは、俺よりもちょっと高いくらいか」


 悪くはないな、俺よりステータス良いし装備も強そうだし所持金も10000Gもある、なにより美人だ。紫がかったロングヘアーに高身長でスタイルも良い、ナナとは違う意味でこの人も美少女、いや美女だ。仲間にするのに不足はないな。


「どうだマサトとやら、仲間にするには申し分ないだろう」


「ああ、十分だ。ナナもソウラが仲間になっても構わないか?」


「はい、心強い味方が増えて何よりです。よろしくお願いします。ソウラさん」


「うむ、よろしくだ、ナナ」


 よしよし、二人も仲良くできそうで何よりだ。


「それじゃあソウラ、早速で悪いんだけど討伐に繰り出すぞ。さっさと加入クエストクリアしたいからな」


「なんと!? まだギルドに入っていなかったのか!?」


 しまった、そういやまだなんも言って無かったな。気が変わったとか言い出さないよな。

 俺はなんとかソウラに仲間になってもらうよう言い訳を考える。


「それは好都合だ! 私もつい2日ほど前に加入クエストを受けたんだが一人じゃどうもつらくてな」


 は? ソウラもまだ入って無かったのか。まぁでも俺らにとっても好都合っちゃ好都合だな。


「では受付で私たちのクエストを同じものにしてもらいに行こうか」


 そうか、そうしなきゃソウラが倒したのが俺らにはカウントされないからな。

 俺たち3人は受付に行き3人のクエストを共通のものにする旨を伝える。


「クエストを共通のものにするとあなたがた2人の残り日数がソウラ様と同じ残り5日になってしまいますがよろしいですか?」


「はい、それで大丈夫です」


 3人いれば残り5日で9匹なんて楽勝だろう。


「それでは少々お待ちください………………はい、これであなたがたのクエストは共有されました」


「では早速ドラコキッドの討伐に行くか。まだ1匹しか倒せてないから早くしなければいかんしな」


 俺たちはすぐにギルドをでてドラコキッドが生息する場所に早足で向かう。




「よし、着いたな。時間は4時くらいか、それじゃあさっさとドラコキッドを倒すぞ」


 俺たちは10匹ほどのドラコキッドの群れを見つけ慎重に距離を詰める。

 作戦としてはまずナナが魔法でドラコキッドを驚かし、その隙に俺とソウラがドラコキッドの頭を突き刺すという単純なものだ。


「それじゃあいきますよ。ファイア」


 ナナの手から火が出現しドラコキッド達を襲う。


「ピキャッ!? ピキャア!」


 よし、狙い通り驚いている。


「いくぞ、ソウラ!」


「おお!」


 俺とソウラはドラコキッドとの距離を一気に詰め頭めがけて剣を突き刺す。


 グサッ


「よっしゃ、まず1匹目!」


 ソウラの方はどうなってる?


「ダリャアアアア!」


 ソウラは攻撃力の高そうな剣をめちゃくちゃに振り回しドラコキッドに襲いかかっている。

 あ、当たる気がしねぇ。俺も昨日はあんな感じだったのかな。ちょっと恥ずかしくなってくるぜ。


「ソウラ、頭を突くようにして狙え。それがそいつの倒し方だ」


「なんと、そうだったのか。ならば——————」


 ソウラが剣をフェンシングのように構えるとドラコキッドは3匹同時にソウラに襲い掛かった。

 さすがに1人で3匹はきついだろう。こっからはソウラと距離を縮めて戦うか

 俺がソウラに近づこうとするほんの一瞬の内にソウラはドラコキッドめがけ剣を突き刺す。


 シュッ、シュッ、シュッ


 見事な三段突きだった。ドラコキッドは3匹全てが同時に地に伏せる。


「つ、つええ。倒し方教えただけであそこまで出来るなんて……」


 一瞬にして仲間がやられ焦ったのかドラコキッド達は一斉に逃げる。


「逃がすか!」


 ソウラは逃げるドラコキッドを追いかけ森の方へ入っていく。


「あのバカ、勝手に森の方まで入っていきやがって、危ないだろーが! ナナ、俺たちも追うぞ」


「はい!」


 俺とナナもソウラを追いかけ森に向かって走り出す。


「気のせいか? なんだか体が軽い気がするんだが」


 昨日走った時よりもあまり疲れないし、ほんの少しだが早くなった気がする。


「もしかしてマサトさん……カードを見てみてください」


 俺はナナの言われた通り走りながらカードを見る。すると、


「おお、レベルが上がってる! ステータスも1ずつだけど上がってる!」

 

 そうか、ステータスが上がりにくいって言っても1はちゃんと上がるんだな。

 俺がカードをまじまじ見ているとステータスの横にスキルという文字があった。


「なんだこれ、スキル『リバース』?」


「えっ? マサトさんスキルまで発現したんですか? すごいです!」


 すごい、か。そう言われると照れるな。だけど何のスキルか分かんねぇし……


「なぁナナ、スキルって……」


「やあ二人とも、残念だがモンスターは逃してしまった」


 俺がナナにスキルについて教えてもらおうとしたその時ソウラが突然出てきた。


「ソウラ、お前無茶するなよ。一度に3匹倒せたからって調子に乗るのは駄目だぜ」


「ハッハッハ、すまなかったな。今まとめて倒してさっさとギルドに入ろうと思ったのでな」


「ギルドに入りたい気持ちはわかるけど無茶は駄目だ。次また同じようなことしたら、怒るぞ」


 俺の発言にソウラは少しだけたじろぐ。


「わ、分かった。以後気を付けよう」


 さてと、モンスターと出くわす前にさっさと森を抜けるか。

 俺とナナは森の外に出ようと歩き始めようとするがソウラが制止する。


「ちょっと待った、2人とも。実はそこで洞窟を見つけたんだが、すこしだけ行ってみないか?」


 こいつ、無茶は駄目だと言ったそばからなにいってやがるんだ。


「駄目だ駄目だ、危険すぎる。その中にドラコキッドがわんさかいたり、強いモンスターがいたりしたらどうするんだ」


 俺の反論にソウラは手を合わせ必死に懇願してくる。


「せっかく冒険者になったのだから探検とかしてみたいではないか」


 やっぱりこいつは金持ちの道楽だったのか。モンスター退治とかを遊びと勘違いしているんじゃないか? でもま、とりあえず今回は我慢してもらおう。


「ソウラ、お前が洞窟に行きたいのは分かった。だけど俺たちは今ギルドに入るために頑張っているんだ。どうしても行きたいってんならドラコキッドを10体倒してからだ」


 俺の意見にナナも同調してくる。


「私もその方がいいと思います。さすがに洞窟の中は何が起こるか分からないから危険すぎますし……」


 俺とナナが洞窟行きを拒否するとソウラはひどくがっかりしていた。


「そうか、ならしょうがないか。だがドラコキッドを10体倒せば行ってくれるんだな? 約束だぞ!」


「ああ分かった。そん時は行ってやるよ」


「よし、なら洞窟の場所をお前も見て行ってくれ。私は忘れてしまいそうだからな」


 そういうとソウラは森の奥に向かい歩み始めた。


「ホントに勝手だな。しょうがない。ナナ、さっさと洞窟の場所を確認して帰ろう。そろそろ5時になるし」


「はい、マサトさんがそう言うなら……」


 俺とナナはソウラについていき森の奥に向かう。

 数分間歩みを続けていると崖につきソウラはその崖の一部分を叩く。

 すると岩が動き洞窟が現れた。


「どうだ、面白そうだろう。ここに入るのが今から楽しみでしょうがないぞ」


「お、お前、どうやってこんなとこ見つけたんだ!?」


「逃げて行ったドラコキッドがここに入っていくのを見たのだ」


 逃げて行ったってことはここドラコキッドの巣ってことじゃねぇのか?


「おいナナ、こんなとこゲームになかったよな」


「は、はい。私もこんなところがあるなんて知りませんでした」


 ナナが知らないって……この世界の奴みんな知らないってことじゃないのか?


「ソウラ、ここはやっぱり危険すぎると思うんだが……」


「何を言う、確かに何があるか分からんがしょせんドラコキッドの逃げ込んだところ、そこまでの危険はないだろう」


 確かに一理あるけど……不用意な約束なんてするもんじゃないな。


「さて、場所は覚えたな。では今日のところは町に戻ろうか」


 俺はソウラがこの場所を忘れる事を祈りながら町に戻った。


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