最後に残ったのは
いつからか、周りに興味がなくなっていた
いつからか、快楽を求め始めた
いつからか、褒められたいと思うようになった
いつからか、求められたいと思うようになった
気が付けば、カメラの前で脱いでいた
気が付けば、見知らぬ男に腰を振っていた
気が付けば、周りには飢えた獣達が群がっていた
気が付けば、愛でられ微笑む私がいた
振り返ると、おかえりと微笑む親がいた
振り返ると、笑顔を向ける友達がいた
振り返ると、りんごを差し出す大人がいた
振り返ると、懸命に頑張る私がいた
バカみたいに、親のために頑張った
バカみたいに、嫌われまいと頑張った
バカみたいに、褒められようと頑張った
バカみたいに、自分のためと頑張った
前を見れば、お金と叫ぶ人がいた
前を見れば、笑いながら遠ざかる集団がいた
前を見れば、毒りんごを食べる私がいた
前を見れば、なにもかも諦めた私がいた
いつの間にか、ベッドの上でただただ呼吸をしていた
いつの間にか、私は一人になっていた
いつの間にか、雨が扉を叩いていた
いつの間にか、もうやめようと呟いた
最後に残ったのは、部屋中に散らばる請求書の束と、丸められた、夫からの手紙だった。
よんでいただきありがとうございます!
このお話は、貧乏な家の娘が、頑張って就職したが、職場で知り合って結婚した夫の借金を背負わされ、自分の体を売る女の人目線のお話です。
とっても、とーーーっても暗いお話ですが、お付き合いいただき本当にりがとうございます^p^




