日本ではそれをジャンケンと呼ぶ
サブタイトル・・・・あまり関係ありません。
いつもの事ですから、気にしないでくださいね・・・・。
上手い事思いつかなかったんすよねー、すみません。。
えー、なんか厄介そうだからヤダ。と失礼にも嫌がる私を余所にクロエはニッコリと微笑むだけ。
・・・私に扱えきれる人だとは到底思えないんですけどー、と虚しい私の心の声が響く。心の中で・・・ね。
くっそー、クロエめ。余裕ぶっこいた顔で笑いやがって。その笑顔はあれだろ、私を笑ってるんだろ??
「やだなぁ、そんなことある訳ないでしょ?僕は君との再会を心から喜んでるんだよ??だから自然と笑みが・・・」
うわぁ・・・・胡散臭ぇー。というか、心読まれてる??
はっはっはと笑うクロエに眉を顰める私。はぁーあ、なんか疲れるわぁー・・・・
もうねー、そろそろ誰でもいいから、私をこのお腹の中真っ黒くろすけな神様との二人っきりなシチュから助け出してくれても良いと思うんだけど。どうよ?
どんよりとした気分でクロエを見つめていたらコンコンッと控えめにドアが叩かれた。
「・・・シェニエスタ様、いらっしゃいますか?」
声はリドルさんのもの。
というか、すっかり忘れてたけど、私ミサの途中で抜けちゃったんだ。すっかりぽんと忘れてた。
心配そうなリドルさんの声に「あ、ごめんなさい!今開けるね!!」と私は慌てて声を上げる。
ガタンッと椅子から立ち上がり、扉に駆け寄り開け放つとそこには驚いた顔をしたリドルさんの姿しかなく、礼拝堂の中は閑散としていた。うん?意外と長い間クロエと話してたのかな???
「心配しましたよ、シェニエスタ様」
「あ、ごめんなさい。ミサの途中で抜けちゃって・・・」
「構いませんが・・・。何かあったのですか?」
さぁ?と私はリドルさんの質問に首を傾げる。
いや、本当に。誤魔化してる訳じゃないんだよ。頭の中が整理整頓出来てなくて他人に話せる程に理解できてないってだけで。
うーん。と唸る私に、心配そうな顔をするリドルさん。
心配をかけるのは私の本意ではない。さて、なんと説明しようかと頭を抱えていると
『シェスタ、何してるの??あんまり悩むと禿げるよ??』
と大きな動物がスリッ・・と身体を摺り寄せてきた。
ん?どこから入り込んだんだ?この動物・・・・・なーんて思いはしない。
瞬時に頭が理解して、私はガシッ!とその動物の顔を掴んだ。
「あんた、クロエでしょ!!」
思わず念話で話すのも忘れ、小声で怒鳴るという器用なまねをして見せた私にニヤニヤという言葉がぴったりな色を含ませた瞳でソレは「にゃーん」とわざとらしく鳴いて見せる。
こ の や ろ う !!
というか、その鳴き声は間違ってるだろう!?何だその、可愛らしいにゃんこみたいな鳴き声は!!!
状況説明を私に丸投げする気か!!!とこれまた小声で怒鳴れば、『むしろ僕が出て行った方が面倒じゃない??迷い込んできたのを見つけて追いかけちゃったんですとでも言えばいいじゃん』とケロッとした顔でのたまった。
確かに、それが一番楽そうではあるけど、なんかその通りにするのも癪に障る。これがジレンマというものなんだねー。
まぁ、他に丁度いい言い訳も思いつかなかったので屈辱的な気分になりつつもリドルさんに「見たことない動物が~(以下略)」な事をいって「心配無用です」とニコッと微笑む。
・・・が、リドルさんは私の説明を聞いてるのか聞いていないのか微妙な顔。え、ちょっと、聞いてますー??と目の前で手を振ってしまった私は悪くない。
「え、あぁ・・・いえ。さすが、慈愛の女神様ですね。高位な神獣がそのように懐くなど・・・」
ふっ・・・・・・もう何も言うまい。
小さく息を吐いて、私は未だにすり寄ってくるクロエの頭をベシンッとはたき落した。
もし私が禿げたらお前のせいだからな、このクソ動物め。
************
リドルさんが案内してくれた部屋に戻ると、拗ねたような顔で部屋の隅にディアが蹲っていた。
なに言っても振り向いてくれないので「ごめんね、心配掛けて」と抱きしめると円らな瞳で『心配いたしました・・・』と絞り出すような声で言われてしまった。
ううむ。予想以上に心配をかけてしまったらしい。
部屋までちゃっかりついてきたクロエは、真っ黒な獣姿のまま床の上にちょこんと座って私とディアが喋っているのを眺めていた。
たしんたしんと揺れる尻尾は床を叩き、どこか不機嫌そうだ。
「どうしたの?クロエ」
『・・・・なんでもないよ』
ふわふわでモフモフな毛並みに手を置き、猫に似た三角にピンッと立った耳の間を優しく撫でながら私はご機嫌伺いをするかのごとく漆黒の瞳を覗き込む。
「クロムウェエル??」
小さく問いかければ『別にぃー。』とポソリと呟かれた。
お前はどこぞのガキンチョか??とは思ったけど、胸にその言葉は留めておいた。
口にしたが最後、私の命の灯が掻き消えてしまいそうだからね。
日々は何事もなく過ぎた・・・・・と行く訳もなく。
教会に居候を始めてから一週間たった頃、私はうんざりとした顔で部屋の上のベッドに転がっていた。
原因はクロエ・・・・じゃない。何故かあいつは大人しく私の話相手になってくれている。今では良い相棒だ。
問題は何を隠そう、教会内の神官さん達だったりする。
この世界では神様は絶対の存在で、骨の髄まで「神を敬う」という事が染みついているらしいのだ。
で、ついつい私がある神官さんの前で自分の名前を言ってしまったことから、教会内に居候している女が慈愛の女神であるということがばれてしまったのだ。
ハイ、私が馬鹿なだけなんですけどねー。まさかここまでとは思わなかったんですよ、ウン。
で、部屋から出ようものなら視線が痛いったら。
恐れ多いとかで話しかけて来もしないし、ただ見られてるだけ。この状況は精神的にかなりくるものがある。
「もー!苛々する!!」
バフバフと枕を叩きながら私は大声を上げる。
外には聞こえない。クロエが言うにはこの部屋にはいろいろな結界が張られているらしいから。そんな仰々しい・・・とか思ったのは最初だけで、今は結界に大分お世話になっている。
『全く、感情が高まると物に当たるその癖治した方がいいよ』
「分かってるわよ!!」
ベッドの上で私の横で丸くなっていたクロエに八つ当たりしつつ、私は枕をぽぃっと投げ飛ばす。
「暇だなぁ~・・・」
力なく呟けば、空気に溶けるようにして声は消える。
部屋からは出たくない。面倒だから。
でも、さすがに籠りっきりは辛い。なんかやることないかなー・・・と天井を睨みつけているとクロエが『ふむ』と唸った。
『じゃあ、術式遊びでもする??』
「・・・なにそれ」
『・・・・それも忘れているのかー。』
どこか遠い目をするクロエに説明をねだると、クロエは人型に戻って掌を空に向けてみせた。
「いい?火は草に勝って、草は水に勝つ。で、水は火に勝つ。このルールを覚えてね?『シェニアス』の言葉の後に掌の上にどれか一つを浮かべて勝負するんだ」
掌の上にポッと火が灯ったり、葉っぱがくるくる舞ったり、水の球がふよふよ浮いたりするのを私は輝く瞳で見つけた。
すっげ!魔法だよ、ま ほ う !!
大感激する私の反応に「え、何。これも忘れてるの??魔法じゃなくて神術だよ」と呆れんばかりにクロエが溜息をつく。
「凄い!それってどうやるの!?」
「・・・・しょうがないなぁ」
こうしてクロエの神術授業が始まった・・・のだが
この時の私は知らなかったのだ。
どれだけ自分の力がチート設定かということを。
読んでくださりありがとうございました♪
いろいろ迷った上で投稿。
頑張ったんですけどねー・・・・・
なんでかな、クロエの性格があまり安定してない気がすry
次の話では師団長’sが出てくる予定です。
リドルのターンから師団長’sのターンになりますww
まぁ、所詮予定ですけどね・・・ふっ・・・・。