女神サマ、人と交流する
サブタイトルは常に適当です。。
つまり、特に意味は無い!・・・ということ←
私が女神なんて、この世界は崩壊に向かいたいんだろうか。と思ってしまう。
駄目だぞ、私なんかが女神だなんて。そんなことになったらこの世界から救いはなくなるんじゃなかろーか。いや・・・自分で言うのもなんだけど。
「女神サマねぇ・・・・」
うーん・・・と思わず唸る。
なんでそう思うのかって試しに馬に聞いてみたら、この森に入れる事とオーラだと言われた。
オーラってなんだよ、・・・オーラって。
というか、馬馬いうのも何だか失礼な感じがしてきた。今更ながらに彼(?)の名前を知らない事に気づいた訳だよ。
「・・・そう言えば、名前は??」
『ソーマです。女神さま』
「ソーマ。良い名前ね」
ソーマと名乗った馬の首筋をぽんぽんと叩きながら私は、そう言えばと首を傾げる。
「何所に向かってるの??」
もっと早くに聞くべきだった事だ。手遅れな感も否めないが聞かずにはいられなかった。・・・馬鹿の極みねー。
『私がいつも一緒に行動している人間の元に向かっています。女神さまをお連れするようにと言われましたから』
「・・・・・なんで??」
『彼はこの森の近くの国の最高神官でして、森に女神さまが降臨された気配に気づき私を迎えに寄こしたのです』
「ほぇー」
間の抜けた声が出た。最高神官とか言われてもよく分からない。誰?って感じだ。
私がぼんやりとしている間にソーマは着々と歩き続け、数分後には森の出口に到着した。
森から出たくないのか、ほとんどの動物が名残惜しげに森の中に帰っていったが牡鹿と肩の上の小鳥だけは私についてくるらしい。
知り合い(?)が一緒にいてくれるのは何とも心強い。
『森の近くで待ってるんです。』
ソーマはそう言うと、出口近くに張られたテントを鼻で示した。
テントっていっても、キャンプで使うようなあれじゃない。天幕って感じ。・・・ん?こんな知識は覚えてるのね、私。
天幕の下には机と椅子があって、4人くらいの男の人が何事かを喋っていた。
脅威的な視力を誇る私の目には、その4人のイケメン具合がバッチリ見えていて「すっげ、超イケメン!!」とかバカみたいな事を考えてしまった。
俗物的な事はしっかり自覚してるわよ。
ソーマがぱかぱかと蹄の音をたてながら近づくと、テントの中の白い服を着た、いかにも神官!って感じの人がハッと顔を上げた。
牡鹿が警戒心も露わにソーマの前に出て、地面を蹴り、小鳥がピィピィ鳴く。耳元で鳴かれるとちょっと五月蠅いんだけど、私の為に警戒してくれているのは分かっているので余計な事は言わないことにした。
神官風イケメンは牡鹿の手前3メートル位までくると私を見て、スッと地面に膝を付けた。
おおぅ、イケメンに頭下げられてるよ、私!!!なんてちょっと斜め上方向の事を喜ぶ。いや、その前にこの状況に驚くべきなのは分かってるんだけどね。。
神官風イケメンが頭を下げたのにつられるように他の3人を膝をついて頭を下げて、私にとっては何とも居たたまれない状況が生まれた。
しかも、4人は無言。いや、誰か喋りかけてくれると嬉しいんですがね・・・。
ソーマの背中からヒョイッと跳び下りて、さてこの状況どうしようかな。と肩を竦めるとソーマが『自分より位の高い者には低い者から喋りかけてはいけないというマナーがあるのです』と教えてくれた。
なるほど。つまりはこのイケメン×4よりも私の方が偉い・・・と言う訳だね??
にわかには信じられない。。私、中身は至って普通人間なんです、ハイ。
「えーっと・・・・」
なんとも言えない空気が流れる。私から話しかければいいんだろうけど、話のネタが無い。
誰か、会話の糸口を私にください・・・・!!
切実な心の叫びだ。恥ずかしいから口にも顔には出さないけど。
そんな私に救いの手が現れた。
タタッと駆けてきたのはふんわりとした綺麗な金髪を持つ少女だった。
小動物の様な可愛さを持つ少女は牡鹿の横を恐れもせずに駆け抜けると、私の前まで来て
「貴方が女神さま??」
と澄んだ声で話しかけてきた。うん、声まで可愛いんだけど、何この激カワ生物!!
「エルシャール様!!無礼ですよ!」
神官風イケメンが慌てたように少女に諫める声を上げるが、私は無礼だとかは全く思ってないのでその声を無視した。
少女を抱き上げ(腕力までチートなのか重さを全く感じなかった。。)、「こんにちわ」と微笑むとエルシャールは嬉しそうに「こんにちわ!」と挨拶を返してくれた。
うーん。可愛いな、オイ。
「無礼なんて思ってないです。顔を上げてください」
「ですが・・・」
なおも良い募ろうとする神官風イケメンを笑顔向けて黙らせて、私は牡鹿に下がるようお願いする。
若干不服そうながらも下がってくれた牡鹿は、私の横に来るとブルブルと頭を振った。角!角が危ないです!!
昔、誰かが言ってた。
「イケメンは、性格が物凄く良いか、物凄く悪いかのどっちかしかいないのよ!!」
ふと、記憶の中から出てきた言葉に脱力してしまう。
・・・・誰だ、こんなことを私に言ったのは。というか、なんでこんな記憶は思い出せるんだろうか。いろいろ納得いかない。。
・・・まぁ、兎も角。
参考にならない誰かの胡散臭い格言は宇宙の100万光年彼方に置いておくとして。。。
天幕の下に招かれた私は、まずは、自己紹介・・・って事で4人の名前を聞いていた。
神官風ふわふわ金髪のイケメンさんの名前は、リドルさん。
リドルさんは、ソーマの飼い主(?)で最高神官という立場にあるらしい。若いのにすごいね、こりゃ。
で、赤髪のワイルドなイケメンはアーシェさん。何気にタイプな見た目です、ハイ。
茶髪の優しそうなイケメンはコンラートさん。年上っぽい雰囲気からか、イメージはお兄ちゃんって感じだ。
最後が淡い青髪のテナーさん。マッチョだよ、マッチョ!!
胸板が厚くて、思わずガン見してしまった。そんな筋肉フェチとかいう趣味はないハズなんだけど、暑苦しさを感じさせないテナーさんの胸板にはちょっとばかり心惹かれるというか・・・いやいや、えーっと。。。。
自己紹介して貰ったので、さて私も・・・と思ったところで気付いた。
・・・・・・・・私、自分の名前がわかんねーんだったわ。。
馬鹿としか言いようが無いけど、今までで名前が必要なタイミングが無かったんだからしょうがない。
えーっと・・・と硬直する私に、エルシャール(正真正銘一国のお姫様らしい。・・・何でここにいいんの??)が
「女神さまはなんてお名前なの??」
と聞いてきた。それ、私も聞きたいですよオヒメサマ。
うーん。と頭の中の記憶の引き出しを漁ってみるが、名前は一向に見つからない。
思い出せない・・・というよりも思い出せないようにしてあると言った感じで、なんか苛々する。
しばらく、思い出そうと躍起になってみたが、思い出せそうもなく。
もういいや、いっそ自分で名前つけたろかい。
と開き直ったところで、頭に一つの言葉が舞い降りてきた。
なんか、神託って感じで。女神に神託って矛盾してる気もするけど。。。
「・・・・・シェニエスタ」
「「「「えっ・・??」」」」
「だから、“シェニエスタ”よ。」
口にだしてみると、すんなりと納得できた。あぁ、これが私の名前だ・・・と。
一方、一人すっきりしてる私とは全く違い、ぽかんとした顔でイケメン4人組が私を見ている。なんだなんだ。そんなに見ても何も出てこないぞ??
唖然としてる4人組とは違い、幼いエルシャールは私の名前を聞くと「まぁ!」と嬉しそうな声を上げた。
「あの、シェニエスタ様!?凄いわ!!」
え、何が?というか、あのって何ですか・・・??
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