もみくちゃとりっぷ
えー、思いつき小説です。要は見切り発車ww
1話、3000字を目標に頑張る予定・・・ですがどうなるかは神のみぞ知るww
題名は(仮)なので変わる可能性大です。
誤字脱字などに気付かれた場合は是非お教え下さるとうれしいですw
感想なども大歓迎ですが、
処女小説なので、是非お手柔らかに・・・・いえ、是非正直な感想をお願いします←
基本、私は私の性格を
単純で短絡的。
楽天家で物事を深く考えないものである・・・と常々認識していた。
・・・・がそれを改めるべき日がやってきた。
私は今、もみくちゃにされている。
何に?って??いや、それは私の質問よ。
洗濯機に放り込まれた洗濯物の如く、何かにぐるぐると回され始めてから早数十分(私の体感時間でだけど)。もうそろそろさすがの私もうんざりし始めている。
目が回るなんて症状はとっくの前に克服してしまった。
なんだか分からないグルグル回る真っ黒な景色を無感動に見流しながら、私は私の性格が意外と単純ではないことに無駄に感動していた。
「大丈夫大丈夫」と開き直れればどんなに楽な事か。
意外と今の状況を心配している自分に、安堵してしまう。ええい、そんな状況ではないというに。
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる
もうね、いっそのこと気絶出来ればと思う訳よ。
散々回される身体に溜息をついて、私は目を閉じる事にした。
所謂現実逃避というやつだ。逃げたくもなる。
固く目をつぶって、身体を丸めた私は深く溜息をついて意識的に自分の意識をシャットダウンした。
・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・寝てたようだ。
目が覚めて、一番最初に自分の神経の図太さに心底呆れた。
あの状況でよく眠れたものだと、感心してしまう。もし、私が私でなく第三者であったなら「私」の事を物凄く心配したであろう。
そんなんでは現代社会では生きていけないぞ、と。
残念ながら私は「私」本人であるからそんな心配は無用であると自分で自分を笑い飛ばしてやるが。
あぁ、何を言ってるんだろうな。私は。
勿論これは完璧な現実逃避だ。帰ってこい、私。目の前の現実に。
逃避したがる自分を無理矢理周りに向ける。
目の前に広がるのは森。一体なんの冗談だ。
いや・・・・・あの洗濯機状態よりはまだマシ・・・・なのか??
疑問だ。何故自分がこんなとこに居るのかさっぱり分からない。
というか、あの洗濯機状態の直前に自分が何処に居て何をしていたのかすら思い出せない。
むっ。これが噂の記憶喪失??
思い出そうとすると頭の中に靄がかかったようにぼんやりとしてしまう。はて。
試しにいろいろと思いだそうとしてみたが、基本的に自分の事が全く思いだせない事に気付いた。
私の名前、性別、誕生日などなど。・・・・なんだったかな。
やばい、これこそまさに
「ここはどこ、私は誰?」状態じゃないか??????
笑えない。いや、いっそむしろ笑うしかないんじゃないか??
森の中で途方に暮れる。文字にすればちょっとばかりカッコいいが、要は鬱蒼とした木々の中でポツンといい大人が立ちつくしているのだ。
かっこよくはない。
うーむ。どうするべきか。
自分が、この世界に元々いた存在ではない事はなんとなく分かっていた。だからといって元は何処にいたのか・・・なんてことは思い出せなかったが。
ふと、自分の姿を見返してみると白い薄布で出来たワンピースを着ている事が分かった。
ふっくらとした豊満な胸から自分の性別は「女」であることを確認し、私は私が「女性」である事を知った。
自分の体に違和感は感じないので元も多分女性だったであろうと思われた。
さらりと揺れる髪は美しい銀色。傷みを知らないような手触りを堪能して、私は深く溜息をついた。
それからしばらく色々と確認した。言っても面白くないので割愛するが。
で、自分の状態はなんとなくは確認できた。
手足が細くスラッとした身体は、なんだか儚くてか弱そうだったが動く事に何の支障もなかったので私は今森の中を歩いている。
ジャンプしてみたり軽く走ってみたりもしたが、疲れを知らないのか息すら上がらなかった。・・・便利だ。
足は裸足だが、支障はない。痛みもないし、不便さも感じられなかった。動く事に支障どころか、性能が良すぎる感が溢れて止まない。
長い髪がたまに木の枝に引っかかりはしたが、風や木の精霊たちが丁寧にほどいてくれたので進む事の妨げにはならなかった。
何故か集まってくる動物たちと共に、何となく導かれる方向に森を進んでいった私はふと肩に乗っていた小鳥が警戒するように甲高く鳴いたのに足を止めた。
どうしたの??と問いかけて見るが流石に小鳥の言葉は分からない。
はて、なんだろうか。と目を凝らして見ると木々の向こうから馬が来るのが見えた。
野生の・・・ではない。背に鞍があるし手綱もついている。誰か持ち主がいるらしいが近くに人間は見当たらない。
私の横を歩いていた立派な角を持った牡鹿が私の手に身体を擦りつけてから、馬の方向に歩いていく。
「待ってて」と何となく言われた気がして、私は足を止めたままその場で待つ事に決めた。
牡鹿は静かに馬に近づいていくと、警戒するように辺りを見渡してから馬と鼻を合わせた。
何かを話してるみたいだなー。と呑気にその光景を観察。ほのぼのとした風景に何だか癒される気分だ。
しばらく馬と何やら話をしていた(ように見えた)牡鹿は私の所まで戻ってくると、数回瞬きをしてからチョイチョイと私を突く。
「どうしたの??」
と私が聞くと牡鹿は頭を馬の方に向けて、フンフンと鼻を鳴らす。
どうやら、馬は警戒対象ではなかったらしい。
牡鹿の首元をぽんぽんと優しく叩いて分かった意を伝えた私は、ゆっくりと馬に近づいた。
立派な白毛の馬だった。艶やかな毛並みとハリのある身体は見事で、私はほぅ・・・と馬に見とれる。
馬の良し悪しなんてものは知らないが、この馬が素晴らしいモノであることくらいは分かった。
「こんにちわ」
なんとなく話しかけて見ると、馬が頭をゆっくりと下げた。まるでお辞儀をするかのように。
知性の宿る瞳は漆黒で、この馬は賢そうだなとふと思う。
優美な首に手を添えて見ると馬は嬉しそうに目を細め
『お会いできて光栄です』
と囁いた。喋れるの!?と驚く私に馬はブルルと馬らしく鳴いて頭を振る。
『いえ、これは念話。喋っている訳ではありません』
理性的な声は確かに耳から入ってきている訳ではない。頭の中で響いてるような感じ。
なるほど、テレパシーと呼ばれるヤツかと納得した私はフムフムと頷く。
小鳥とは喋れないのになぜ馬とは・・・と思ったら
『私は神獣の血を継ぐものですから。』
と言われた。
よく分からないが、とりあえずこの馬は普通の馬では無いらしいと納得することにした。
いちいち気にしていたら、なんか面倒くさそうだ。と思ったのが実のところ本音だったりするのだが。
自分で歩く事にも何も不自由しないのだが、馬が『私をお役立て下さい』と言って譲らなかったので私は今、馬の背中の上にいる。
乗馬なんてものは私の経験には無い(と思う)のだが、馬が気を使ってくれているのか不自由は感じなかった。
楽だ。便利だ。なにより楽しい。
と内心喜ぶ私の感情が駄々漏れなのか、馬も心なしか嬉しそうで、それに嫉妬したような目をする牡鹿や小鳥、狐たちの視線が痛いが問題は無い。うん、無い。
私を乗せて移動する間、馬はこの世界についていろいろと教えてくれた。
知ってる限りで良いから教えて・・・とあまり期待もせずに言ったが、侮りがたし。馬は賢く、何気に博識だった。
馬曰くここはデポート大陸にあるシェイマの森という場所らしい。
シェイマの森は、一般の人間が立ち入れない神の作った結界で守られた神域。
え、私入っちゃってるけど!?と驚いたら馬が
『・・・・そりゃあ神の出入りは制限されませんからね』
と驚いたように言われた。
神・・・・・誰が??え、私??
『はい』
当然。という風の馬にキョトンとして試しに周りの動物たちにも聞いてみると「そうだそうだ」と言う風にあるものからは鳴き声で、あるものからは頷きで肯定されてしまった。
読んでくださりありがとうございました。