おくることば
掲載日:2026/03/14
おくることば
朝が
黄金の獅子の深い眠りを覚ますころ
夜が
昨日みた街ゆく楽団の夢に酔いしれる
東の国の赤らんだ空に
ジュラ紀の恐竜の影が揺らぐとき
この愛にまみれた惑星は
絶品の愛のみを選りすぐろうとするだろう
終末を告げる堕天使のラッパの音が
血の底から聴こえて来たから
人類史にはこんにちから絶滅するまで
愛に飢えた真っ赤な雪が降るだろう
蹴散らかされた呪いにしたところで
頬張った苺をムシャムシャと咀嚼するように
なにを棄て去っても絶滅を讃美の真実として
ただ疾走しつづけるのだろう
病んだ恋の歌が泣きながら疾走する世界を
絶対の永遠だと騙された流星の煌めきを残し
悲しい声だけが
心に染み入るテンペストにそっと
罪が百万遍突き刺さろうが
それをもって絶望とする終末思想だけには
肯んじられない
頑是ない清純だけを刺すようにみつめてる
わがあたたかき胸のふくらみを
わが冷え切った掌でいだきながら
微笑みながら
嗚咽しながら




