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不登校男子、顔出しナシでバズった結果→元委員長Vと恋愛コラボするハメに  作者: はりねずみの肉球
【第1章 】 顔を隠して、声だけで世界とつながるはじまり
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一人じゃないと感じた瞬間

配信終了後、深夜の画面を見つめる俺は、まだ興奮冷めやらぬ状態だった。

 視聴者数は最終的に70人近くまで伸び、コメント欄も終始にぎわっていた。誰かがアニメの名言をリクエストしてくれて、俺が真似して読むと「鳥肌立った!」なんて書かれるのが嬉しかった。

 “女っぽい声”と言われることが嫌だった俺が、まさか自分の声で誰かに喜んでもらえる日が来るなんて。画面越しに伝わってくる興奮と温かさは、学校で味わう嫌悪やからかいとはまるで別物だ。


 ――もし俺が、普通に学校へ通えていたら。こうやって好きなものを堂々と語れたのだろうか。いや、あのクラスメイトたちの中では無理だった。顔のことを茶化されて終わりがオチだ。

 でもここでは違う。

 たとえ顔を晒していなくても、俺という“存在”は確かにここにいる。そして、“ユウマ”として評価され、受け止められている。

 顔を見せていない分、本当の自分が出せているような錯覚さえある。いや、もしかしたら錯覚ではないのかもしれない――声には、たぶん“魂”が乗る。そう感じた。


「ありがとう、みんな……」


 キーボードを打つ手が震えた。感謝の気持ちをどう表現したらいいのかわからない。コメント欄の最後に残っていた「ユウマくん、次も絶対来るね!」の一文を、何度も読み返す。

 俺は、この世界でなら、一人じゃなくなれる。そんな確信が少しずつ芽生えてきた。

 同時に、慎重にならなきゃという気持ちもある。匿名だからといって、ネットは完全なセーフゾーンではない。中学時代にネット上で晒されたあの嫌な記憶は、まだ生々しく胸に残っている。

 だが今は、前を向いてみたい。――顔が理由で不登校になった俺でも、声でなら戦える。そう思うと、はじめて“自分自身をもう少し好きになってもいい”と思えてきた。


 そんな思いを抱えながら俺はベッドに潜り込む。遠くで叔父の作業机がきしむ音が聞こえるだけの、いつもの夜。けれど、心の中では昨日までとまるで違う“充実感”に包まれている。

 この数日で、俺は少しずつ変わりはじめているのかもしれない。いや、まだ始まったばかりだ。

 胸の奥でワクワクとざわめく心音を感じながら、俺はそっと目を閉じた――。

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