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1. 「夜の公園、ふたたび――小さな勇気が結ぶ“手”」
ある夜、瑞希(MIZUKI)から「明日、どうしても会いたい」と連絡が来た。学校で“委員長バレ”のことで心が揺れている中、どうにも感情が爆発しそうだから、少しだけでいいから直接話したい――そんな内容だった。
俺(悠真)はその願いを受け入れ、翌日の日没後、前にも利用した“駅近くの公園”へ向かった。マスクと帽子、フードを深く被り、誰かに見つからないよう細心の注意を払う。
指定されたベンチには既に瑞希が座っていた。彼女も同じくマスクと帽子姿。薄暗い公園の街灯に照らされ、周囲に人影はほとんどない。立ち止まった俺は、小さく「やあ」と声をかける。
「…待った? ごめん、あんまり目立たないように来たから少し遅れた」
「ううん、いいよ。私もずっとソワソワしてたんだ。ありがとう、来てくれて」
瑞希は声を落とし、上目遣いにこちらを見ている…気がする。暗くてよく見えないが、その視線に胸がざわつく。小さな風が吹き、木々の葉を揺らす音が耳に染みる。
しばらく黙ったまま並んで座り、互いの存在を確認するかのように呼吸を合わせていた。先に口を開いたのは瑞希だ。
「…今日、学校でまたちょっと嫌なことがあった。『委員長のくせに放置したくせに、いまさらヒロイン気取り?』って…もう慣れたはずなのに、胸が痛くて」
「…そっか。大丈夫? 俺なんて“女の子みたい”だって言われ続けるの、慣れたと思ってても結構キツいし。…でも、ここに来るたびに少し楽になるんだ」
そう言って苦笑する。瑞希は小さくうなずき、手をベンチの上で震わせながら、ぽつりと呟いた。
「ねえ…。前にあの夜、少しだけ顔を見たじゃない? あれ以来、もっとあなたの顔をちゃんと見て“あなた”を確かめたいって思うようになったんだ。…でも怖いよね。この状況じゃ」
確かに、炎上真っ最中で“女顔”が拡散されているなか、下手に仮面を外してここで誰かに見つかったら一巻の終わりだ。それでも、俺も同じ気持ちだった。
「…俺だって本当は、もっとお前の表情を見たいよ。ここでマスクして帽子被ってたら、まるで不審者同士の会合だよな」
ふっと笑いあったとき、瑞希がそっと手を伸ばしてきた。薄暗い中、彼女の指先が俺の手の甲に触れる。心臓が跳ね上がる。
「手なら、いいでしょ? 顔は隠してても…これくらい、いいよね?」
小さな勇気。俺もその手を包み込みたくなり、恐る恐る指を絡める。互いの手汗を感じながら、めちゃくちゃ緊張で心臓が爆音を鳴らす。
“ああ、好きだ”――その実感が身体を突き抜ける。今は仮面を外せないが、こうして手を繋ぐだけで十分なほど胸が満たされる。誰もいない夜の公園、闇と微かな街灯の中で、小さな勇気が二人を結ぶ。
「…ありがとう。もう少しだけ、こうしていい?」
「うん…。俺も、少しだけ」
しばらくの間、手と手を繋いだまま、二人で鼓動を重ねる時間を過ごした。もどかしいけど甘酸っぱくて、まるで中学生の頃に戻ったような淡い喜び。
夜風が少し冷たく感じたが、指先を介したぬくもりは確かなもの。今この瞬間が“恋”だと感じるほどに、すべての不安が遠ざかっていく――そう思える一瞬だった。
2. 「陸の決意と、新バイトの不安――母の笑顔とダンスのはざまで」
一方、その頃、陸(RIKU)は病院から退院した母の手伝いをしつつ、新バイト候補を何社かピックアップして面接に臨んでいた。前のバイト先を事実上クビに近い形で辞めてから、経済的なプレッシャーは相当なものだ。
ある夕方、陸が俺たちに通話をかけてくる。疲れた声だが、どこか吹っ切れたようでもある。
「…結論から言うと、まだ決まんねぇ。でも、ちょっと良さそうなところがあった。夕方~夜の短時間で時給高め。週3か4くらいだし、母ちゃんの面倒もギリ見れるかな」
「本当? それならダンスや配信もやれそう?」
瑞希が期待の声を上げると、陸は苦笑まじりに答える。
「どうだろう…。週3~4でも、学校含めたら結構キツい。通信制だから出席日数は調整できるとはいえ、完全に余裕があるわけじゃないし。…ま、いざとなったら深夜練習するしかねえか」
ダンスへの未練は相当強い。フェスで踊ったときの歓喜が忘れられないし、ユニット活動でさらに評価を得た経験も大きい。**“もう一度、ちゃんと踊りたい”**という思いが彼の支えなのだ。
母は「無理しないで」と言ってくれるが、陸は責任感が強く、自分の足で稼がないと家計が回らないと思っている。周囲の助けを得ることも彼には抵抗があるようで、俺たちが「何か手伝えないか?」と提案しても、言葉を濁して応じない。
「…ごめん、俺が甘え下手なんだ。だけど、母ちゃんが笑ってくれるなら、踊り続けたいし、バイトもやるしかない。…ああ、早く“お出迎え配信”で収益が出ればいいけどなぁ」
冗談半分に言う陸に、俺たちは苦笑する。実際、イベントで得られる利益なんて微々たるものだし、アンチ対策や警備費用もあるから黒字になるかどうかも怪しい。しかし、微かな期待が陸の心を支えているのも事実。
“ダンス、母、バイト、通信制高校”――これらを両立する陸の生活は決して簡単ではないが、彼の決意は固い。俺と瑞希は心配しながらも見守るしかないのだ。
**「無理するなよ」**と繰り返す俺に、陸は笑う。
「大丈夫だ。女みたいな顔って言われてヘコんでた悠真がお出迎え配信とか言い出すんだ。俺も頑張んねえとな。母ちゃんと夢の両立、やってやるさ」
その声に励まされるのは、むしろ俺たちのほうかもしれない。仲間が踏ん張っているなら、俺たちも負けられない。“女顔”や“委員長バレ”で逃げるわけにはいかないのだ。
3. 「教室に貼られた“謎の張り紙”――瑞希を揺さぶる過去の残響」
瑞希が翌日、学校で奇妙な光景に遭遇した。朝、教室の掲示板に**「MIZUKI=不登校を放置した委員長?(笑)」と書かれた紙が貼られていたのだ。誰が貼ったのかはわからないが、一目で悪意があるとわかる内容。
クラスメイトがざわつき、担任がすぐに剥がしたが、瑞希はその場で固まってしまった。どうやら中学時代のいじめ首謀者グループか、その関連人物が面白半分にやっているのかもしれない。
昼休み、教室の隅で友人に慰められながら、瑞希はいたたまれない表情を浮かべる。“やっぱり、あの頃と同じで、誰かが私を糾弾してる…”**と思うと身体が震える。
そんな状態で放課後になり、校舎を出る直前に一人の男子生徒が声をかけてきた。
「篠原、…あのさ、オレは別に批判するつもりないけど、ちょっと空気が悪いから気をつけたほうがいいよ。……あんまり刺激しないように、逃げとくのも手じゃない?」
忠告めいた言葉だ。瑞希はかすかに首を振る。「もう逃げないって決めたんだ」――そう言いそうになるが、口を閉じてしまう。ここで大声を出しても、理解してくれる人がどれだけいるかわからないからだ。
「…うん、忠告ありがとう」とだけ言い、足早に下駄箱へ向かう。心の中はぐちゃぐちゃだ。“どれだけ頑張っても、あの頃のトラウマは消せないの?”
しかし、同時に瑞希の胸には、もう一つの思いがある。“今度こそ、本当に何かを変えたい”――委員長だった過去を「嘘」と言わせないために、なおさら逃げるわけにはいかない。
夕方、いつものように俺に連絡が来た。「教室に張り紙されてて、正直泣きそう。でも大丈夫、私は負けない」――そう書かれた短いメッセージが、彼女の強さを物語る。
読んだ瞬間、俺は胸が痛くなるほど彼女を抱きしめたいと思った。たとえ顔を隠していても、手を握るだけでもいいから、今すぐにでも行きたい。だけどそうもいかないジレンマ。
**「お出迎え配信で会おう」**という約束が、今のところ唯一の希望だ。そこで俺たちは仮面のまま堂々と姿を見せ、アンチにも怯えず、自分の想いを伝えたいと思っている。まるでそれがすべてを変える鍵のように感じるのだ。
4. 「‘お出迎え配信’正式告知――期待とアンチが同時に爆発」
さらに数日経ち、“お出迎え配信”の企画がほぼ固まったため、俺たちはユニットの公式アカウントで正式に告知する運びとなった。
告知文の内容はシンプル。
「マスク姿での登場となりますが、実際にファンの皆さんとご挨拶するイベントを開催します!」
「完全予約制、人数限定で配信にも映ります」
「私たちを近くで見たい人、直接“声”を聞きたい人、ぜひご参加ください」
……のような要点をまとめたものだ。
SNSに投稿した瞬間、期待のコメントが雪崩のように押し寄せる。**「行きたい!」「遂にリアルで会えるんだ」「絶対マスク剥がしとかするなよ?」「場所どこ?」など、ポジティブな反応が急増し、トレンド入りする勢いだ。
だが、アンチや冷やかしも同時に爆発する。「顔隠すなら出てくるな」「炎上商法だろ」「女顔を見せろ」「委員長がやっと観衆の前にさらされるんだな」**など、きつい言葉が並ぶ。
俺と瑞希は戦々恐々としながらも、陸と三人で深呼吸して気持ちを落ち着ける。確かに一歩間違えれば最悪の事態にもなりうるが、やらなければ何も変わらない。
「…大丈夫だよね? あの公園でほんの少しだけリアルに会ったときも、なんとかなったし」
瑞希がそう言うと、陸は「俺も行くし、変なの来たら叩き出せばいいだろ」と頼もしい声を出す。
告知して数時間のうちに申し込みフォームには参加希望のメッセージが多数届き、イベントは大盛り上がりの予感。しかし、その裏で何か悪意を持った者が紛れ込む可能性も高い。
俺たちは慎重に警備会社のプランを検討し、さらに予約者全員に身分証確認をするという厳しい条件を提示する。これにより来場できる人数は大幅に減るが、**「安全第一」**を優先するため、多少の強硬策も仕方ない。
「…やるしかない。怖いけど、俺は堂々とマスク姿で、ここにいるって証明するよ。顔出ししなくても、俺は俺だって」
意を決して俺が言うと、瑞希と陸も「よし、やろう」「絶対成功させる」と声を重ねた。
こうして“お出迎え配信”の詳細が徐々に固まり、開催日は二週間後に設定された。まさに**“仮面をつけたリアル登場”**という挑戦が始まろうとしていた。
5. 「君となら“顔”を出してもいい?――想いが燃えあがる深夜通話」
告知から数日後、イベントへの期待感がSNSで加速し、同時にアンチもヒートアップするという相変わらずの二極化状態。でも、予約申込の数字は順調に伸びていて、会場の定員を満たすのは確実となった。
そんな夜、瑞希から深夜に通話の誘いが来る。通話が繋がった瞬間、彼女の声が震えているのを感じる。
「…大丈夫? 疲れてる?」
俺が問うと、瑞希は弱い呼吸で応じる。
「うん、ちょっとだけ。でも、あなたの声を聞くと落ち着くんだ…ほんとに、不思議なくらい」
ふっと嬉しくなる。俺も彼女の声を聞けるだけで心が安らぐから、お互い様だ。それからしばらく雑談するうちに、瑞希が急に言葉を詰まらせる。
「…もし、もし私が明日にでも“素顔”をあなたに見せてって頼んだら…どうする?」
心臓が跳ね上がる。確かに今の状況ではリスクが大きい。アンチが狙っている可能性だってあるし、下手に写真を撮られて拡散されたら終わりかもしれない。
だけど、“彼女がそう求めるなら”という気持ちも強くて、葛藤が走る。少し間を置いて返事を探す。
「…ほんとは、できるなら見せたい。俺だって、君の顔をちゃんと見たいし。でも、今は…危険すぎる気がする。ごめん」
「…ううん、ごめん、変なこと言った。わかってるよ、こんな最中にリスクは高いよね。私も、自分が“委員長”だと明かしてから結構攻撃されてるから、あなたにも似た思いはさせたくないし…」
辛そうな声に胸がちくりと痛む。お互い“顔”を見たいと思っているのに、炎上や過去の呪縛が邪魔をして実現できない。まるでロミオとジュリエットのような悲哀を感じる。
それでも、俺の口からは自然とこういう言葉が出ていた。
「…君となら、“顔”を出してもいいと思える瞬間がきっと来るはずだから。俺、怖いけど、仮面を外してでも会いたいって、今は思ってる」
「……ほんと?」
「うん。君が委員長だろうが、俺が女顔だろうが、それが何だってんだ。昔の俺なら考えられなかったけど、今は…怖いより先に“好き”って気持ちが勝つんだよ」
言いきって、恥ずかしさで胸が熱くなる。瑞希は泣き笑いのような声で「嬉しい…」と返してくれる。
“いつか、ちゃんと顔を見せ合おう。今は時期尚早かもしれないけど、絶対”――そう二人で静かに誓い合う。電話越しの想いがさらに深まるのを感じた夜だった。
6. 「再び動き出すいじめ首謀者、明かされる“本名”の罠」
そんな甘い時間を過ごす一方で、ネット上では再び不穏な書き込みが増え始めた。
匿名掲示板に**「ユウマ=蒼井悠真? 元・美少女顔と呼ばれた不登校」「MIZUKI=篠原瑞希? 委員長で有名だった」などの具体的な名前が飛び交い、いよいよ本名や学校名の特定に近づいている印象がある。
さらに怪しいユーザーが、「お出迎え配信の場所って○○駅近くの会場らしいよ。行って“正体バラしてやる”か」と挑発的に書いている。
どうやら、以前のいじめ首謀者かその取り巻きが本格的に動き出し、俺や瑞希の本名をリークしようと画策しているのかもしれない。陸も「もし場所をバラされたら警備じゃ足りねえだろ」と危機感を募らせる。
俺たちは運営スタッフとも相談し、「予約者のみ参加可で、事前に詳細は伏せる」という対策を徹底することに決めた。万が一アンチが申し込んでも身分証チェックで弾くつもりだ。
しかし、向こうも偽名や偽装で来る可能性があり、絶対に完全防御とは言い切れない。“首謀者たち”**がどんな罠を用意しているのか想像するだけで怖くなるが、もう後戻りはできない。
「…俺たちの本名がバレるのも時間の問題かもな」
深夜の通話でそう漏らすと、瑞希は少し沈黙した後、「でも、たとえバレても逃げないよ。逃げたらまたあの時と同じ……。私も委員長だった“篠原瑞希”として生きていく」と力を込めて言う。
俺も同じ覚悟を固めるしかない。“仮面を外されるくらいなら、自分から外してしまうのも手”――そんな声が頭をよぎるが、今はまだそれを実行するタイミングじゃない。お出迎え配信が成功するまでは、下手な動きで計画を台無しにしたくないのだ。
7. 「走り出す三人――『守りたい人がいる』」
翌朝、陸は母親のリハビリの付き添いで病院へ行き、そのまま新バイトの面接にも向かうことになった。忙しくて配信には顔を出せない(正確には声だけだが)らしい。
一方、瑞希は学校へ行く前に「やること多すぎて頭が回らない」と嘆きつつ、委員長時代の知り合いにフォローされて少し救われたと報告。教室に貼られた張り紙の件も、担任が調査してくれるようなので、多少は状況が好転しているようだ。
俺はネット炎上のチェックをしつつ、配信準備やお出迎え配信に向けた細かい調整に追われる。マスクや帽子だけでなく、追加の衣装案やステージ背景の設定など、考えるべき点は山ほどある。
こうして三人がそれぞれの場所で奔走する日々。いじめ首謀者の影は消えていないし、女性顔コンプレックスを逆手に煽るアンチは増えているようにも感じる。しかし、何よりも大きいのは**「守りたい人がいる」**という想いだ。
陸は母を、瑞希は自分の選んだ道と“俺”を、そして俺は二人を、そして“女顔に悩む過去の自分”を乗り越えた未来を守りたいと願っている。
“守りたい人がいる”――それだけで、こんなにも勇気が湧いてくるものなのか。昔の俺には信じられないことだが、今は確かに実感している。
8. 「夜明け前の誓い――素顔を捨てても、君を抱きしめたい」
その夜、瑞希からは珍しく連絡がなく、俺は一人で配信の作業を進めていた。すると深夜3時を回った頃、スマホに“着信:MIZUKI”の文字が表示される。
出ると、彼女は声を潜めているがどこか泣いているような気配。
「…ごめん、こんな時間に。ちょっと心が乱れちゃって。寝られなくて、あなたの声聞きたくなったの」
「…ううん、大丈夫だよ。どうした?」
「…わかんない。学校でもいろんな人がいるけど、中学時代のことを知ってる人ほど“あの子を救わなかったんでしょ”って責めてくる。…本当は救えなかったのが悔しくて。あなたを…あなたをもっと早く見つけて抱きしめたかった」
胸が苦しいほど締め付けられる。“あの頃”、俺は不登校に陥り、彼女は委員長として何もできず、互いに傷を負ったまま離れ離れになった。
だけど今、こうして繋がれたのだから後悔ばかりしても仕方ない。俺は精一杯の思いで言う。
「…今ならできるよ。たとえ顔を隠してても、俺を抱きしめてくれたら嬉しい。…そう思ってる」
「……うん、ありがとう。…いつか全部をさらけ出して、本当にあなたを抱きしめたい。私が素顔の私として、あなたが素顔のあなたとして……」
涙声の彼女に合わせて、俺も瞼が熱くなる。“素顔”――それは俺にとって永遠のコンプレックスであり、彼女にとっては**“見捨ててしまった過去を直視すること”の象徴でもある。
でも、もう“仮面”のまま未来を見つめるのは限界かもしれない。お出迎え配信までは隠すとしても、その先でいつかは「素顔を捨ててもいいほど守りたいものがある」**と言い切りたい。
夜明け前の空気が電話越しに感じられる。彼女の呼吸がようやく落ち着いたのか、小さな笑みを含んだ囁きが聞こえる。
「…ありがとう。大好きだよ、悠真……い、いや、ユウマ。もうぐちゃぐちゃだね。どっちでもいいよね、あなたはあなただから」
“悠真”と呼びかけられそうになり、心が震える。俺もたまらなく“瑞希”と呼びたい衝動に駆られるが、今は何も言わない。ただ彼女の息遣いを受け止めて、深く頷くだけだ。
“いつか、この仮面を外して、すべてを交わす時が来る”――そう信じている。それが恋人になるということなのか、幼なじみとしての再生なのか、言葉にできないほど複雑だけど、確かな想いがある。
こうして第7章 後半は幕を下ろす。
アンチの暴走は止まらず、いじめ首謀者たちが本名を狙う動きも活発だ。お出迎え配信という大胆な実験が目前に迫り、三人は覚悟を背負って走っている。“仮面を外すか、守り抜くか”――その選択が青春と恋の行方を決定づける大きな山場へ近づいているのは間違いないだろう。




