回路
ねじ、調子、回路、エンジン、ラジオ、みにくいアヒルの子。
隣の芝は青い。欲望の三角形。無いものねだり。
ブルーベリ畑。ぷかぷかと浮かぶヤシの実。
ねじが外れていること。
調子が合わないこと。
これらは回路の不在に起因する。
もしも回路が生きていたら。
唸りをあげる車のエンジン。
ザーザーとというノイズを受信するラジオ。
美しきみにくいアヒルの子。
隣の芝が青く見えるのもそのせいだ。
循環する欲望の三角形。
パンがケーキに。
無いものねだりをするのもたまには悪くない。
強い日差しに曝されるブルーベリ畑。
ぷかぷかと浮かぶヤシの実は何処かの浜辺に流れ着いたようだ。
途切れていたとしても重複していたとしてもそれは回路なのだ。
在不在は閉ざされた森の中。
誰も彼も眠り続けるのだ。
”Life will find a way.”
(『ジュラシック・パーク(Jurassic Park)』 イアン・マルカム博士より)