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第八話 王子様のお気に入り。そんなことより話を分かれ。

更新はだいぶ不定期ですが、読んでいただけると嬉しいです。

ナギ、マイペースぶりを発揮。

誤字がありましたので、直させてもらいました。

「アイオライト」を「アオイライト」と書いていてしまったんです。

更新だと思われた方、申し訳ありません・・・。

「・・・ニホン、とはどこだ?お前、異国の民か?」


そう言って、改めてジロジロと無遠慮にこちらを見る、外国人不審者A。

私にとっては、豪邸を持っているいいところの偉そうなぼっちゃまといったところか。

確かに、窓の外には青々と茂るライトグリーンの樹に囲まれた、間違いなく日本風ではない、

それどころか地球に存在するのかと思うような丸い球体の建物が並んでいる。

・・・こんな外国、見たことがない。とにかく意思の疎通はできるようなので、

怯むことなくまっすぐにこの人物を見つめる。逃げたら、負けだ。


けれど。


小さく息を吐くと、凪樹はすっと背筋を伸ばし。


「そうですよ。私の事情はともかく、警戒してもらっても構いません。

 でも。・・・あなたには、助けていただいたようです。ありがとう、ございます。」


少なくとも、悪い人ではないと思える。最初にかけられた言葉以外はともかく。

だから私は綺麗に腰を折り、目線を下げた。まだ高い日の輝きを受けて、髪が薄茶色に染まる。

顔をあげると不審者Aは困惑・・・というより不思議そうな顔でこちらを見ていた。

礼が通じないとは。確か、万国共通だったはずなのだが。


「その動作は一体なんだ?」


「私の国の、最高級の礼ですよ。」


一般庶民どうしで交わすあいさつだが。あいにく、そんな皮肉は通じなかったらしい。


「・・・そうか。では、私が王子だと知っているのか?やはり、陰者か。」


すっと目が細められ、スミレ色に輝くアイオライトのような瞳が鋭く光る。

先程までの面白がるような瞳とは全く違う、冷めた瞳。






私と同じような、瞳。







私はその急激な変化に――――は、特に何も思わず、「王子」という言葉に反応した。


「あなた、王子だったんですか?」


「・・・は?」


瞠目する私に対して、気の抜けた表情を向ける・・・不審者A、もとい自称王子。


「知らなかったのか?」



「・・・私はここがどこかさえ、知りませんし。攫われたんですから仕方ないでしょう。

 ああ、聞きたかったんですが、ここはどこですか?」


やっと本題を聞けた。



というのに、全く話が通じ合わない。


「いや、ここがどこかは誰でもさっきの風景を見ればわかるはず。

 それに、お前は結界を破って入り込んできたんだぞ?武術も心得ているのだし、

 鍵も無意識に開けたということは魔力がよほどあるのだろう?」


「いえ、私はただ単に図書館に行くために家をでたら、

 誰かに殴られて意識を失ったようで。気がついたら、ここにいただけ・・・ですが。

 それに、地球上にはこんな形状の建物はありません。見たこともないですし。

 というか、魔力とか結界とかを信じているんですか?」



こいつ。






外国人のくせして、中二病か。





しかし、中二病のオタク人もとい王子のほうが、もっと不可解そうな顔をする。

信じられない、というように。



「お前はよほど遠い異国から来たのか?そして、地球とはなんだ。なぜ、落ちてきたのだ?」



「・・・いえ、だから・・・。」




ああ、もう。頭のキレた金持ちとの情報交換も駆け引きも得意なのに、

頭の構造が違う人間とはまともに話もできないなんて。

こんな状況で、宮姉はどうするのだろうか。

きっと、あざやかにやりとりを終えて、こう言うのだ。






さあ、家に帰―――らずに家出でもするか、と。

素晴らしい笑みを浮かべて。





頼りになるが、マイペースな宮姉のことを考え、混乱している頭を少し整える。

いざ、今度こそ。と、思ったときに。




「ふたりとも、一旦落ち着いて。もっと話に適した場所はあるでしょう。

 レイシュ、この子は陰者ではないわ。紛うこと無き異世界からきた聖霊の愛子よ。

 仮にも王子なんだから、しっかりしなさいよ?」




――――――異常事態、発生。


話が分かっていそうで宮姉の好きそうなキーワードをズラズラと並べ立てる美女が、

すぐ近くに現れました。

美女は、おっとりと微笑む。




「レイシュの気に入りそうな愛し娘さんも、ね。」





・・・気に入られたくなんて、ない。

話が通じない、阿呆な王子に。











アイオライトは宝石の一種です。

角度によって、いろいろな色へと変わるんですよ~。

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