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第四話 迷いびと。3

それを眺めていたエルオーネは、控えさせていた精霊を呼ぶと、

木でできたシャベルを持ってこさせた。

すると、レイシュはシャベルを受けとり、地面に小さな穴を開けて種を埋めていく。

種に土をかける手つきは一見乱暴に見えるが、思いのほか優しく手馴れていた。

その光景をそばで見守っていた精霊たちは、種が埋められた途端にその場所に群がる。

そして精霊たちが離れると、次の瞬間には不思議なことに、青くみずみずしい花が咲いていた。

黙々と作業を進めていくレイシュを、エルオーネが可笑しそうにからかう。


『ふふっ。魔法をそんなことに使う人なんてレイシュぐらいじゃないの?

 でも、感謝しているわ。汚された地は、人の手で生命を植えないと再生できないもの。

 ね、影では花好きの謎めいた王子様?』


「・・・それをいうなら、エルオーネの方が意外だろう。

 まさか、世紀の大聖霊がわざわざ結界まではって、

 ここで地味に花植えの手伝いをしてるとは誰も思わんだろうからな。」


『いえ、私は少し力の強いただの精霊よ?』


そんなわけがない。

なにしろ、エルオーネといったら聖典に載っているほどの古くからの聖霊なのだから。

力が強く名がある精霊は、響きは変わらないが明らかな尊敬と畏怖を込めて「聖霊」と呼ばれる。

その聖霊がここに留まっているのは、

汚れがあってはならないはずの城の中に生命なき場所があるためだろう。

だから、汚れた場所を再生するのも王家の者の務めなのだ。

断じて、花が好きなわけではない。



しかし、エルオーネはしっかりと見ていた。

レイシュの口のはしが、わずかに上がっていることを。

素直じゃないんだから、と彼女は苦笑する。

その静かで穏やかな空間を破ったのは――――――――――――。
















バンッ!











「「!?」」






何かが弾ける音が突然鳴り響いた。

それも、結界の上のほうから。

とっさにレイシュは身構え、エルオーネがツタの壁をつくる。


「何なんだ!?敵かっ!?」


レイシュの問いには答えず、無言でエルオーネは目を閉じた。

結界内に生えている草木からの情報が、エルオーネの中に伝わり。

・・・しかし、エルオーネは困惑して目を開けた。


『敵ではないみたいだけれど・・・。途方もなく強い魔力が伝わってくるわ。

 それも、汚れた方から。とにかく、行きましょう!あっちよ!』



「ああ!」



風霊の力を貸してもらい、いつもの倍以上の速さで空を飛ぶ。

そして、向かった先にあったのは――――――――――――――――――――。
















神々しいまでの光が射す中で、地に横たわった。














まばゆい程に輝く黒髪の、少女。












自分の魔力と同じ色の。

この世には、存在し得ないはずの、色をした少女に。

そのとき、既に俺は。

恋をしてしまったのかも、しれない―――――――。









純白の翼を持つ、黒髪の天使に。





中途半端なところで終わって、すいません・・・。

次こそは、と意気込みつつ、変わらない作者でっす。

誤字脱字がありましたら、教えていただけると嬉しいです。

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