Ep.3-25 〝反撃〟
〝灰色のダンジョン〟B6階層ーー。
レックス、セシリアVSロブルス(ゼル)の戦いが幕を開けようとしていたーー。
「本当に……ゼルなのか……何故、こんな事ーー」
「レックス……。お前はどこまで行っても凡才だ。運良くAランクまで登れたが……Sランクの者共はさらに格が違う。さらに聖国の抱える〝大司祭ギルド〟のSランク共はさらに格上だ……。そんな奴らでさえ一対一でこの俺を相手にはできないだろう……それなのにお前が俺の前に立ちはだかるとはーー嘆かわしいものだ。」
呆れたように右手を額に当ててやれやれと項垂れるロブルス。
そんなロブルスを見て、セシリアは杖を構える。
「あなたがどれだけ強かろうと知ったこっちゃあ無いーー!!ポピィさんもユウキさんも私の大切な人達……だから、絶対にお前を許さない!!」
「セシリア……」
強くキッーーと睨みつけるセシリアに対してロブルスは。
「セシリア……お前の才能は素晴らしいーー。誰が教えたか知らないが〝特級魔法〟《闇黒消滅魔法》を会得するとはな……。いや、そんな黒魔法を知っているのは〝あの人〟の弟子であるユウキくらいかーー。ククッ……面白い。そのフラフラの状態のお前に何ができるのか見せてもらおうじゃないかーー」
「来るぞーーセシリア!!構えろ!!」
「わかってるーー!!」
セシリアとレックスに、ロブルスの魔の手が迫るーー。
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〝灰色のダンジョン〟B3階層ーー。
「ハァ……もう嫌になってくるわね〜!!」
エンペラーワームの群れが辺り一体に無数に広がっていた。
「ハアックッーー!!斬っても斬ってもキリがない……どうする?」
エンペラーワームは蛇くらいのサイズのワームだが、今この階層にいるのはレベル375もある強個体だ。
そんなものがダンジョン中を無数に蠢いていれば、嫌でも不機嫌になる。(普通はそもそも相手にできるレベルではないが……)
「我の力で切り裂いてもキリがないからのう……何か広範囲の魔法を使わねばならないが……その場合このダンジョン自体に大きな振動を与えかねないなーー」
「となると、下の方にいるユウキ達も無事では済まないーーと。一体どうすればーー」
頭打ちになっている二人に、ドロシーの怒りが限界を超えた。
「ああああああああああああっ!!もうっ!嫌っ!!もう本当に怒った!!グレイス、華麗、ちょっと下がってて!!」
完全に頭に血が上りきっているドロシーは、何やら広範囲の魔法を詠唱し始めた。
「お、……おいおい。これはマズくないかのーー!?」
「よっぽどエンペラーワームの見た目が耐えきれなかったのか……あるいはこの数か……両方だろうな。こうなるとドロシーは周りに気遣い無用でやってくるからなーー!!少し下がりましょう、華麗様!!」
「う、うむ……」
緩やかに、水が広がっていくように段々と魔法陣が出来上がっていき、小さいものから大きいものまで全部で七個の魔法陣が出来上がっていく。
「〝遥か彼方〟ーー〝我は限界に挑みし者〟ーー〝修羅の道を歩みし者〟ーー〝世界を知り己を知り〟ーー〝五素より賜る大炎を操りし者〟ーー〝己の行く末を阻む者あらば〟ーー〝我が盟約により全てを焼き払わん〟ーー。喰らえッ!!《灼炎の万華》ッーー!!」
最上級〝特級魔法〟《灼炎の万華》がダンジョンB3階層全てに広がるようにメラメラと燃え盛る。
「「「「ギュオオオオオオオオオオオオオオ」」」」
何百何千というエンペラーワームは、ドロシーの大魔法によって焼き払われたーー。
シュウウウウウウウウウッーー
消し炭となり、灰だらけとなった部屋の片隅で、二人はその様子をまじまじと眺めていた。
(あ……あやつやはりとんでもない奴じゃのう……危うく我も巻き込まれて燃やされるところだったわいーー)
(以前、御前様から聞いた事がありましたが……ドロシーは五元素全ての最上級〝特級魔法〟を扱えるとかーー。今のが炎の大魔法……あまりドロシーが機嫌を損ねすぎないように気をつけねばなりませぬなーー)
(う……うむ)
そんな二人の心配を露知らずドロシーは。
「あ〜〜〜!!すっきりした〜!!!」
腕を伸ばしながら、満面の笑みで盛大に伸びをするのだったーー。
《転生した鍛冶師の娘》の内容がわかりやすいようにキャラクターやストーリーの概要などをまとめた新エピソードを投稿しました。よければ作者の作品ページからご覧ください。




