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第一五話 センス

予告詐欺ごめんなさいm(__)m

 ダンジョン内での行方不明の数は実は少なかった。

 発生こそ突然で、地形を変えることすらあったが、現れてからというもの内部が変化したなどの事例は現在確認されていない。


 そのため人は道標を作ることで少しずつ深層まで進むことができていた。

 ナロウダンジョン上層階は電光により視界が安定し、現在では怪我をする人間はほとんどいなかった。


「よっ、ほっ」


 昆虫型のモンスターを二体相手取るカイトの足は軽かった。

 一直線に飛びついてくることしか能のないモンスターを悠々と回避して、次飛びついてきた時にはすでに予測を終えて、避けざまに一閃。


 鉛のような黒い短剣で頭を上から斬りつけて、続けて飛び掛かってきたモンスターも、体重を乗せていた軸足を中心に身体を回転させて、避けた背後から的確に頭を突き刺した。


「…………」


 そして、戦闘はそこだけで行われたわけではなかった。


「■■ォ○■■◇ッ」


 言葉にならないモンスターの悲鳴が上がった。


 大型の、本来であれば二人一組による討伐推奨の一階層では稀に現れる猫のような長いツメを持つ巨体の熊型モンスターが横薙ぎ、袈裟斬り、斬り上げのたびに上体を飛ばされて、立っているのもやっとの状態で一方的に淡く光る片手剣で追い詰められていた。


 片方の盾は一体なんのためにあるのか。体全体を使って剣に体重を乗せるテクニックは、到底高校生に上がったばかりの新米冒険者が見せていいものではない。


 ダンジョン資源を利用した装備の“恩恵”があったにしても、その身のこなしは心臓一歩手前に迫る冒険者たちに決して見劣りするものではなかった。


「ナオキ」

「カイトッーー」


 二人は名前を呼ぶだけで、思考を共有でもしているように、何もできずにいたモンスターへカイトが単身で飛び掛かって、膝当てに使われているプレートを武器に顔面へ突き刺した。


 膝蹴りの勢いでついに倒れたモンスターを、ようやく好機が来たと悟ったナオキが“盾を投げ捨て”、キラライトソードを両手に構えて、脳天へ突き刺す。


 絶叫し、二人の少年たちを前に何もできず絶命するしかなかった凶悪なモンスターは、その前身から生命力を落として、戦闘が終了する。







「いや、盾捨てるなよ!?」


 サグルは、乱雑に放り投げられた盾を抱きしめて、イェーイ!とハイタッチを交わすナオキに向かってそう叫んだ。


「だって邪魔だと思ったし」

「攻撃しか頭にない特攻だったもんな!」


 おかげでどれだけハラハラしたことか。

 戦闘に参加せずいざという時のためにキューブを握りしめていたサグルの方がハラハラする思いだった。


 おまえ、初めの怯えはなんだったんだと突っ込みたくなるほどの無謀さに、眩暈がする思いだった。

読了ありがとうございます!

ブクマ感謝!


というわけでナオキとカイトの戦闘回。

クマさんは中ダメージノックバック攻撃で嵌められ何もすることができず敗北。

上層のモンスターはダンジョン資源を使った武器があれば防御力雑魚です。また、ダンジョン資源を使った装備には恩恵もあり、ナオキとほとんど同じ装備の主人公の動き比べてみて普通過ぎているのは仕様です。

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