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わたしは魔女。あいつは聖女。  作者: グイ・ネクスト
1/1

ここは闇の中、希望はあるのか プロローグ

「ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう。このまま消えるのは嫌だ。いやだぁあああああああああああ」


わたし、リスティア・ヴァズ・クラウンは声の限り叫んだ。誰も返事はしない。


闇組織の地下神殿のゴミ捨て場。わたしと同じように捨てられた人形ドールたちの墓場だ。


何のなぐさめも無い。希望も無い。親に売られ、人体実験の果てに失敗作として捨てられた。


何だコレは。こんな人生ってあるのか。


って、ありふれているな。わたし以外にも数えきれない人形ドールの死体の山。


ただ消えていった人形ドールたちと違い、わたしだけ知っている事がある。


たしかに失敗作だった。しかしながら、わたしは完成品の人形ドールを見てしまった。


必要なのは悪魔との契約。それも下級悪魔レッサーデーモンじゃ意識が消えて死ぬ。


上位魔将アークデーモン以上の悪魔。


それを実行に移すには、下級悪魔の魂を喰らい、かつ、悪魔の王をって。


くふ。くふふふふ。


ダメだ。どうやって喰らうかも分からない。


優等生は拒絶の魔神、魔力の根源を宿して帰って行った。わたしは下級悪魔との契約しかできなかった。


そうだよ。わたしは名も無き下級悪魔と契約しただけ。


このゴミ捨て場で消えて行く脇役。いやだ


いやだ


いやだ


いやだぁあああああああああああ。あれ?でも待てよ。


「おい、下級悪魔。わたしと契約した下級悪魔!聞こえているなら返事ぐらいしろ!」


肩まである黒髪と赤い目、わたしそっくりの姿で下級悪魔はやってきた。


「何でわたしの姿?」


「・・・嫌なのか」


「ああ、まあ、そうだな。名前をつけるから力を貸せ。」


「私を食べるのか?」


「いや、たしかにそう考えたけど・・・というか、このままだとお前もわたしも消えてしまうんだろ?」


「ああ、そうなるな。何もしなければ・・・数日後には消える。ここに捨てられた人形ドールたちと同じように」


「どうすればわたしは生き延びられる?」


「まず私に名前をつけてくれるんじゃないのか?」


「ええい、じゃあそうだな。ニュクス。それでいいか?わたしの好きな女神の名前だけどな」


「くふふ。いいな、ニュクスか。もらい受けよう」と、下級悪魔ニュクスは自分の衣服を黒に染めた。


青いワンピースは黒いワンピースに染まった。


それと気のせいかもしれないが、下級悪魔の魔力が底上げされたような。

まあ、些細なことかもしれない。


「それで教えてくれ、どうすればわたしは生き延びられる?」


「そうだなぁ・・・地面に転がっている他の人形ドールたちを食べろ」


「え?食べれるのか?」


「リスティア・ヴァズ・クラウン・・・もう人間では無い事を忘れてしまったのか?」


「リズでいい。そうだな。食べてみる」と、わたしは人形ドールたちを食べれるサイズに破壊して、口に入れた。それはちょっと硬い肉を食べているみたいで、ただ石と同じで味はとくに無く、おいしいわけでも無かったけど、わたしの中のエネルギーが増大したのは理解できた。


「どうだ?食べれるだろう?そして理解できたか?」


「ああ、魔力が増大した感じがする」


「じゃあ、どんどん食べろ。それが最初の仕事だ、リズ」


「ああ、わかった。どんどん食べる」


わたしは夢中になって、どんどん食べ始めた。

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