卒業式
春。
それは別れと出会いの季節。
春。
それは別れと出会いの季節。
毎年この時期になると思い出す、あの甘酸っぱくほろ苦い3月。
人見知りで自分から話しかけるなんて。
不器用で自分の気持ちを相手に伝えるなんて。
引っ込み思案で自分から告白するなんて、そんなこととてもとても出来ない。
でも毎日会うキミ。
そう毎日笑うキミ。
うん毎日話すキミ。
こころの中はいつの間にか、キミでいっぱいになっていた。
今日も会えたね。
今日も笑い合った。
今日も話したね。
そのうち2人で出かけるように。
いつも一緒にいた。
今日は卒業式。
隣にキミはいない。
少し寂しい気がした。
私だけ卒業式。
寂しく校舎を後に歩き出したときに、学ラン姿のキミを見つけた。
校門に寄りかかって笑顔で手を振る年下のキミ。
在校生代表で来たよ。
そういうキミを見て、あんなに好きだったのに、もうときめかない自分に驚いた。
甘酸っぱくほろ苦い私の卒業式。
お読み下さりありがとうございました。