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ひみつのクリスマスプレゼント  作者: こぺまる
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ひみつのクリスマスプレゼント①

 ひだまりの森に冬がやってきました。昨日の夜から降り積もった雪で、森は辺り一面真っ白に輝いています。


 今日は待ちに待ったクリスマス・イブです。ゆきちゃんは朝からわくわく、そわそわ。おまけに雪が降ったものですから、楽しくて仕方ありません。

「ママー!広場で遊んできてもいい?!」

「いいわよ、気をつけてね。でもすぐに暗くなるから早めに帰ってくるのよ」

「はーい!!」

 返事をすると同時に、ゆきちゃんはジェームスと一緒に家を飛び出して行きました。



 広場に着くと、ウサギのポップと羊のシェリーが雪だるまを作っていました。

「あ!ゆきちゃーん!ジェームース!!」

 ポップがゆきちゃんたちに気付くと手を振りました。

「おはよう!!」

 ゆきちゃんとジェームスは挨拶をしながら駆け寄って行きます。


「わぁ!シェリーのニット帽かわいい!新しいの?」

 近くに来るなり、ゆきちゃんがシェリーのニット帽を指差して言いました。

「お母さんに編んでもらったの」

「まぁ、とっても素敵ね」

「ありがとう。少し早いけどクリスマスプレゼントなのよ」

 シェリーがにこにこして答えました。

「いいなぁ、私もサンタさんにニット帽をお願いしたら良かった。新しい靴がほしいってお願いしちゃった。」

 ポップが残念そうに言いました。

「ゆきちゃんはサンタさんに何をお願いしたの?」

 続けてポップが尋ねます。

「ゆきはポシェットと新しい色えんぴつをお願いしたよ。今日サンタさん来てくれるかなぁ」

「まぁ、ゆきちゃんたら二つもお願いしたの?」

 シェリーがふふっと笑って言いました。

「うん!だって、いつも二つプレゼントがくるよ!」

「えぇっ?二つもくるの?」

 ゆきちゃんの言葉にびっくりして、ポップが聞き返します。

「うん!一つはベッドのところに、もう一つは玄関の扉の外にあるよ!それに、玄関にはパパとママの分もあるよ!」

 ゆきちゃんはとっても嬉しそうに話します。

「サンタさん、ゆきちゃんのお家にはたくさんプレゼントを持って来てくれるのね」

 シェリーも驚いて言いました。

「いいなぁ、私もサンタさんに二つお願いしたら良かった。パパとママの分もお願いし忘れちゃった」

 またポップが残念そうに言いました。


 と、その時です。

 バシャッ!!

「きゃあ!冷たい!!」

 ゆきちゃんの頭に雪玉が当たりました。

「メリークリスマース!!」

 双子のキツネ、リックとタックが向こうから手を振って笑っています。

「リック!タック!何するの!」

 ゆきちゃんの頭をふいてあげながらポップが怒って言いました。

「ゆきにはサンタなんか来ないぞー!」

「俺たちにもサンタなんか来ないけどなー!」

 二人はケラケラ笑いながらシェリーの家の方へと歩いて行きました。

「もう!いつも意地悪ばっかり!」

 ポップがぷんぷん怒っています。

「ゆきちゃん大丈夫?」

「痛くなかった?」

 ジェームスとシェリーも心配して言いました。

「うん、平気。でもサンタさん来ないって本当かなぁ……」

 ゆきちゃんは今にも泣き出しそうな声で言いました。

「リックとタックは、あんないたずらばっかりしてるから来ないんだよ。ゆきちゃんのところにはちゃんとサンタさん来てくれるよ」

 ジェームスが諭すように話します。

「うん、、」

 ゆきちゃんがうなずくのを見て、みんなもホッと胸を撫で下ろしました。

「よーし!雪だるま完成させようよ」

 その場の空気を変えようと、ポップが元気に言うと、ジェームスとシェリーも雪だるま作りを再開しました。

 みんなの楽しそうな声が広場に響きます。


「……リックとタックには、サンタさん、来ないのかなぁ」

 スキップしながら歩いていくリックとタックを見ながら、ゆきちゃんは一人、ぽつりとつぶやきました。

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