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出だしから そもそも名前が無いというテンプレ打破を致しました!

空に浮かぶ太陽は段々と山の方向へ傾いている。

ひっそりと静かになってきた森外れに、一つの声が響き渡った。


「だぁかぁらぁ!!早く返せっつーの!」

ふかふかのソファの上で地団駄を踏む少年はいわゆる“神様”である。

今はほぼ私専用の、だけど。


「え~何で~?」

「今さっき全部説明しただろうが!」


神様のいた“天界”ってやつは色々システムがあって、あの切れ間は“自動ロックドア”

みたいなものらしい。そしてソレを解除できるのは天界側だけで、残念ながら“異世界側”に

来た神様は…


「鍵を無くして家に帰れない人、ってわけだね☆」

「お前のせいだろーがっ!!」

ふむ、確かに。


「それで唯一帰れる方法が、私が能力として【神様】を解放する、だっけ?」

「そう!だから俺を帰らせろ!!」

バタバタと両手を振り回す姿は悲しいかな、全くもって威厳ある神様には見えない。


「え~でも神様って結構べn……役に立つんだもん。」

振り返ると、そこには現代豪邸とも言われるスタイリッシュな家具達が並んでいる。

町付近に来たは良いけど、宿に泊まる金も無いので【創造能力(クリエイト)】とやらで作ってもらった。

我ながらいい家である。


「まあまあ、そう焦らないでよ。その前に自己紹介するのが礼儀ってもんでしょ?」

「俺は戻ったらお前と一切接しないつもりだから結構だ!」

「じゃあとりあえず呼び名は『神様(笑)』で。」

「悪意しかないな?!」

そう言ってからパッと口を押さえる。


「じゃあ自分で名乗ってよ。」

「……俺には決まった名前が無いんだ。考えるから、お前から名乗れよ。」

「だっせー。」

「五月蠅いっ!」

でもまあどうやら本当らしいので、私から名乗る事に_______


「______あ、待って私前世の記憶無いんだったわ。名前分かんない。」

「だっせー。」

「黙って『神様(笑)』?」

「泣くぞ!」

すでに涙目になってしまっている。ふむ、ちょっとカワイソウかもしれない。




というわけで、名前から考える事にしました。




「俺は名前が無いっていうかー名前がありすぎて困ってるだけだからー!お前とは違うからー!」

自分の方が有利と知って、さっきからアピールがウザい。

そのまま放っておいたら今度はメソメソ泣き出したので神様から考える事にした。


「とりあえず、お前が元いた世界の神様の名前を取る事にしようか!」

「ほう?じゃあ日本って知ってる?」

唐突。


「…………し、知ってるぞ?縁結びの神だろう?」

「違うよ私が居た国だよ。」


それから、日本には『八百万の神』というのがあって、神は一人ではないという事を

じっくりと教えた。

なにしろ第一声が「神がそんなにいるなんて人間界の管理は大丈夫なのか?!」だったから、

それぞれ少しずつ担当する制度を教えるのに大分苦労した。


「……で、そいつらの名前は何て言うんだ?」

「ん~私もそんなに知らないんだけど…一番有名なのは天照大御神(アマテラスオオミカミ)かな。」

「甘テラスオオカミ?」

ダメだこいつ。


「あと月読ノ命とか…」

「……も、もっと簡単な名前は無いのか?」

ツキヨミノミコトも覚えられなかったらしい。


「じゃあギリシャ神話とかそっちの方いってみようか!」

「ぎりしゃ?」

「アテネとかウ゛ィーナスとか、そういうのだよ。」

「おお!いいなそれ!」


簡単だからね………


「ちなみにギリシャも八百万(やおよろず)制度なんだけど。」

「じゃあ甘テラスオオカミみたいに、色んなカミサマを生んだ奴がいるって事か?」

その人は正確には違うんだけど…面倒臭いので放っておいた。



「ゼウスって、どうかな?」



気に入りました。



-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-


「やーお前の世界もなかなかだな!まあ全部聞いた事はあったけど!」

名前が決まって機嫌が良くなり「じゃあゼウって呼ぶね」というメンタル攻撃も回避された。

次は私の番だ。


「この世界の名前って一般的にどういうものが多いの?」

「カタカナも漢字も結構あるぞ?なんならよくある名前から取っていこうか?」


ヒュッと画面を開くと、いきなりダダーッと文字が浮かび上がった。

ネットみたいなものだろうか。


「沙羅、アイラン、ビアンカ…お前はこんな可憐じゃないか!」

「…………。」

「…おい?どうして黙ってるんだよ。」

反論してくると思ったのか、肩すかしを食らったような顔をしてくる。


「なんで、この名前があるの…?」

「え?」


目線の先をたどるように、ゆっくりと画面を見た。



『花子』



「ファーッwww 今時『花子』とか!日本でも早々いないし!」

一人バンバンとソファをぶったたく。

ゼウは“ポカン…”とでも効果音が付きそうな顔でこちらを見ていた。


「_____や、その名前は王都の第一王女の名前だぞ?」

お姫様の名前らしいです。


主人公の名前どしよ…いちおー募集します!くるかな…

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