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壊れた世界の旅人語り  作者: 夜天夜空
第2章――グランドピークでの顛末
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第23話

「―――フライラッドの角?」


「そうなんだよ。お前たち、今日も探索に出るんだろう?ついでに探してきてくれないか?」



フライラッド。


その名の通り、空飛ぶネズミだ。


普通のネズミと違うのは額に生える鋭い角である。


その角は主に、魔法薬や錬金素材として使われる。


この大陸全域で見られ、探そうと思えばどこにでも居るため、素材としてはお手軽な分類に入る。


ただ、集団で行動する上にすばやく、空を飛ぶため厄介で、あまり相手にはしたく無い魔物である。



「グランドピークに着く前に在庫整理をしてたんだが、ちょっと足りないものがあってなぁ」


「ブラッディトードを倒したあんた達の実力を見込んでの話だよ。頼めないかい?」



今はグランドピークへの道中、三日目の夜。


ゴルブ夫妻に馬車内に招かれ、話を聞いているというわけだ。



「この馬鹿亭主が品数管理を間違えるから!」


「あいたぁ!」



奥さんのトランさんの平手が、ブラウ氏の薄毛の頭をはたく。


乾いた音ではなく鈍い音がしたから、かなりの力が篭っているようにみえた。



「ったたたぁ。……と、とにかく持ってきてくれれば相場の2倍、いや2.5倍は出させてもらう」


「そんなに出して原価割ってるんじゃ無いのか?」



ただでさえこの店主は原価ぎりぎりで物を売る人だ。


2倍出したとしても、恐らく原価以上の値段となるはずだ。



「こちとら信用商売なんでな。無理を言ってるのは重々承知だから、無理だったならそれで良い」


「分かった、その依頼、私達が受けたわ」


「あ、おい勝手に」



後ろからユエが口を挟んでくる。


呼ばれて降りてきたのは俺だけかと思っていたが、どうやら一緒に付いてきていたようだ。



「別にいいでしょ?こっちには得しか無いじゃないの」


「まあ、それもそうだが」


「何か別に問題がある?」


「あいつら苦手なんだよ」



群れて来る上に小さくて攻撃が当たり辛い。


攻撃手段が限られている俺にとって、ある意味天敵である。


それを聞いたユエは、意外そうな顔をしてこちらを覗きこんでくる。



「あら、貴方に苦手な相手以外があるの?」


「……戦いが苦手事項だしなぁ」



未だに魔法もまともに使えないし、戦わないに越した事は無い。


戦わざるをえない状況っていうのは怖いもんだ。



「取り合えず、グランドピークに到着するまでの間ならいつでも良いが、なるべく早いほうが良いな」


「出来れば数日以内に欲しいわ。加工するにも多少の時間は掛かるからねえ」


「わかったよ、一応今日から探しておく」


「頼んだよ」



からからと明るく笑うゴルブ夫妻。


まあ、フライラッド位なら倒すのはそう難しくは無いだろう。


ソウやユエの範囲攻撃で倒して貰えば良いしな。













と、そんな甘い事を考えての朝。


食事の時間は当に終わり、見張りの傭兵たち以外は馬車の中で眠っていることだろう。


俺達は予定通り、キャンプ地の近くの森へと赴いた。



一昨日に訪れた森とは異なり、沼地のあるようなじっとりとした空気は無く、さわやかな風が吹き抜けている。


風が強いのもあるが、木々の合間も広めで動きやすく、目立ちやすい。


こんな森では、魔物の奇襲を警戒しなくてはならない。



「さて、探さないといけないのはフライラッドだったわね」


「ソウは、どんな魔物か分かるか?」


「……ん、特徴だけは」



特徴だけ分かれば大丈夫だろう。


特に似た魔物が居るわけでも無い。


これから探すフライラッドは、角羽ありのネズミという分かりやすい特徴を持っている。


目的の魔物以外は避けて、出来るだけ手早く終わらせれば早々に目的は達成されるだろう。



「じゃあ探しましょうか」


「……ん、そこで、二人にひとつ課題」


「課題?」


「……昨日の、眼の強化を使いつつ、今日の狩りを行う」


「ああ、眼の強化ね」


「……ん、あれを鍛えれば、『精霊眼』と呼ばれるモノになる」


「『精霊眼』?」


「……そう、今は意識しないとならないけど、定着すれば本物と変わらなくなる」


「その名称は眼自体の名称と言うわけではなく、技術の名前って事か?」


「……生まれつきのモノもある、けど、それを創る為の技術」


「生まれつきのモノと何か違うところとかはあるのか?」


「……生まれつきのモノは、多少本人の属性に引っ張られるけど、造ったものはある程度調整が利く」



生まれつきのモノはどんな眼になるか選べないって事か。


ただ、精霊眼に種類があるということすら、ソウとユエの眼から察しがつくだけで、正確な事は分からないわけだが。



「……いくつか種類はあるけど、基本的にはやりやすいやり方で創ったほうが良い」


「つまり、今のまま定着したほうが良いと?」


「……ん。やりにくい方法でやると、数倍は時間が掛かる」


「普通なら定着するまでどれくらい?」


「……本でしか知らないけど、数ヶ月から数年?」


「よーし、そのままやろう」



下手したら数年掛かる魔力の定着をその数倍って、俺の才では死ぬまでに定着できる分からない。


そんな事になるなら贅沢は言ってられないから、今出来る事をやって見るしか無いな。



「……」


「……うん?どうした、ユエ」



そういえば先ほどから何も話していない。


なにやら考えるように口元に手を当ててうつむいている。



「……ユエ?」


「――あ、ああ、いや、何でも無いわ。ちょっと考え事が、ね」


「考え事、ねえ」


「なによ?」


「ずいぶん深く考えていたなと思ってな」


「……何か、分からないことでも、あった?」


「いえ、そういう訳でも無いのだけど……ソウ、貴女の魔法の知識って」


「……ん、神社の、書庫にあった本の知識」


「そう……」



ふむ、何に引っかかったのかは知らないが、このままでは話が進まない。


俺は、再び考え込んでしまったユエの後ろに回りこむ。



「……トキ、また、悪い顔」


「しー」


「……」



両脇を指で……突く。



「――ひゃうわあ!?」


「うおっ!?」



しゃがんだ頭の上を横一文字に剣で薙がれる。


避け切れなかった髪の毛数本が斬られ、空を舞う。



「あんたねぇ!?」


「落ち着け、声大きいって」


「~~~~~~~っ!?」



とりあえず声が出ないくらいに驚いたのは分かった。


声も出さずに怒りを表すユエをなだめる。


俺が声が大きいと注意したのにはいくつか訳がある。


第一に目立つのだ。


いくら見通しが利くといっても、此処は森。


先日の沼地が混じって住める生き物の限られた場所でも無いため、目当てのフライラッドの他にも魔物が居るのだ。


たとえばそう、この地響き。



「ソウ、あちらの方向に炎の貫通系魔法を」


「……ん、フレイム()シューターズ()スパイナー()



地響きと共に現れたのは、巨大な猪。


こういった広めの森に生息する『ドッグス・ボア』と呼ばれる種族だ。


嗅覚と聴覚に優れ、初撃にその巨大な体を駆使した体当たりで相手をひるませ、そこから狡猾に相手を追い詰める。


ゆえにその一撃目に合わせた鼻への全力攻撃が有効だ。……当たり負けなければ。



ソウの腕から現れた炎の棘が、突然出てきた猪の鼻から胴体を一直線に貫通する。


鈍い音を立て、ドッグスボアは出てきた勢いのまま目の前の巨木に直撃し、息絶えた。



「視れば見るほど上位魔法の無詠唱はエグイわね」


「……ユエも、そのうち出来る」



辺りには焦げ臭い肉の焼けた匂い。


この匂いが充満している状況は好ましく無い。


素材だけ切り取って、早々に移動したほうがいいだろう。



「私が素材だけ切り取るわ。辺りの警戒をお願い」


「はいよ。早めにな」



俺が辺りを警戒している間に、ユエはボアの牙を切り取った。


肉はこのまま放置だ。


こんなに強い匂いを発するものはさすがに持ち歩けない。


あっという間に魔物に囲まれて終わりだろう。


そうこうしているうちにも、魔力を込めた目で見渡せば数体の魔物のような影が遠くに見える。


恐らく時間はもう無いだろう。


ユエを視れば



「ユエ。もう来たぞ」


「あーもう、早いわよ。牙しか取れて無いわ」



殆ど時間もなかったし、それだけ取れていれば上出来だろう。


あまり欲張って魔物に囲まれても意味が無い。


まだ本当に近い影が無いうちに、別の場所に移動しよう。



「……移動、するの?」


「結構な数の魔物が来るからな。誰かさんが騒いだ所為で」


「誰の所為だと思ってるのよ」


「覚えが無いな」


「~~~っ」


「落ち着け、先に移動するぞ」



興奮するユエをなだめつつ、今居る場所から移動する。


遠目に放置して来たボアを見て見れば、小型の魔物が群がり、それらを中型の魔物がまとめて喰らいあげるところが強化した目に映った。


恐らく、あの場で小型の魔物に足止めされていれば、まとめて中型の魔物の胃の中だったであろう。


俺とユエの背中をつめたい汗が流れた気がした。




作者 「どうもーお久しぶりです」

トキ  「さあ、いい訳を聞こうか?」

作者 「いいわけはしません」

トキ  「何していたと聞いてるんだよ」

作者 「筆が、進まなかったのですよ」

トキ  「だったとして2週間?」

作者 「急に書けなくなって自分でも戸惑っております」

トキ  「このままフェードアウトか?」

作者 「いや、がんばりますよ?」

トキ  「書けないのに?」

作者 「あと半月もすればまた書けますよ、きっと」

トキ  「どういうことだよ」

作者 「これまでもあったんですよ、急に書けなくなる時が」

トキ  「……?」

作者 「大体そのときは読む事に集中しだしているので、読み月って呼んでます」

トキ  「また意味の分からない設定を持ち出してきたな」

作者 「逆に色々書いているときは創月って呼んでます」

トキ  「ようは自分ルール?」

作者 「数ヶ月に一回読み月が来て書けないーと、毎回嘆いてます」

トキ  「なあなあ」

作者 「はい?」

トキ  「理由になって無い」

作者 「ようは何かを読み始めると書けないって事です」

トキ  「なら読むなよ」

作者 「……申し訳無いです」

トキ  「一応次はあるんだよな?」

作者 「まだまだ続ける気ではあります」

トキ  「来週もあればいいけど」

作者 「一謹ばかりで余裕が無いって言うのも大分」

トキ  「止めるとか言ってなかったか?」

作者 「お金が、無いのです」

トキ  「……」

作者 「はい、ではあとがき本編に入りましょう」

トキ  「今回も、進展が無いな」

作者 「狩りのひ二日目ですね」

トキ  「一日終わって無いけどな」

作者 「次はフライラッド戦ですね」

トキ  「次回予告早いよ」

作者 「ちなみに、気力が無いので今回解説は放棄して行きます」

トキ  「ただでさえ殆ど進んで無いのに!?」

作者 「フライラッド線まで書く予定が思った以上に進まなかったので」

トキ  「……」

作者 「次回かその次位にまとめて解説すると思います。たぶん」

トキ  「おい」

作者 「最悪そのまま忘れます」

トキ  「忘れるんだろうな」

作者 「きっとおぼえてますよう」

トキ  「期待しないで待っておくよ」

作者 「うぅ」

トキ  「では、解説を放棄となると今回はこんな門か」

作者 「はい、次回も終わらない夢の中でお会いしましょう」

トキ  「さらっと終わった!?」

作者 「後1hrでお仕事です」

トキ  「何やってんだよ本当に」


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