第17話
「……ここは?」
「道具屋。旅の間の食材や、消耗品をここで揃えるんだ」
まずソウと二人訪れたのは、ビルの一階を間借りしているらしい道具屋『ホワイトスラム』だ。
朝方、ユエの必要な物も聞いてあるから、こちらで必要な物と合わせて購入しておこう。
「らっしゃい」
「おっさん、このメモに書いてあるもので、あるもの全部よろしく」
「横着すんなぁ。なになに、あー、いくつか取り扱ってねぇぞ」
「在る物だけでいい」
どうせ行くのはここだけではない。
これからいくつか店を廻るのだ。
無ければその辺で買い足せばいい。
「はいよ。えーっと、結構な量買い込むねぇ。お客さん、どっかに移り住むのかい?」
「まあ、似たようなもんだ」
「此処もいいところだと思うがねぇ。領主は怪しいが、ガード長がいい男だ。なかなかいないよ?あんな熱血漢」
へえ、なかなか興味深いことを教えてくれる。
あの領主、町人からの信頼は低いようだ。
だがその代わりにダートが信頼を集めている。
先ほどの件、もしかしたら思ったよりもいい方向に転がるかもしれないな。
「その領主がちょっとね。ガード長は有名なのか?」
「あー、あの領主、とうとう何かやらかしたか。ガード長はダートさんって言うんだけどね。いい人だよ。気さくで、よくここで買い物をしてくれる」
「はっ、ここで買い物をしてくれる、ってのがいい男の第一条件だろ?」
「はっはっは、違いねぇや。はいよ、お待ち」
「いくらだ?」
「はいはい、〆て、こんなもんだ」
なかなかいい値段だが、こんなものだろうって数字を提示される。
無駄な交渉時間が無い、というのは好感が持てる。
俺は財布からお金を取り出して、店主へ渡した。
「はい、まいど。それで、領主は一体何をしたんだ?」
「まあ、暫くしたら商会から話が来ると思うよ」
「あー、そんなレベルか。あの領主、いつかはやると思ってたがねぇ」
「そんなにあの領主は評判悪いのか?」
「ちょくちょくと黒い噂がな。本人もめったに外に出ないからって、皆好き勝って言っていたのさ」
見た目もちょっと暗いしな。と笑う店主。
よくもまあ、そんな状態で町の経営が出来ていたものだ。
「ダートさんがいるから良いか、って奴らばかりだよ。此の町は」
「へえ、じゃあ何でダートが領主をやらないんだろうな」
「本人が言うには、自分は武人で政は、って話らしいが」
「別に本人が政を行う必要はないさ。トップは人望さえあればいい」
そういった意味では、今の領主は向いていないな。
今の領主を真っ向から否定する言葉に、店主はなにやら考え込んでしまっている。
「もっともだ」
「では、邪魔したな」
「はい、まいど」
聞きたい事も聞いて、店を出る。
おや、なにやらソウも考え込んでいる。
「……領主、信頼されてない」
「ああ、確かに。一応、他の店でも聞いてみるが、もしかしたら面白い事になるかもしれないぞ?」
「……?」
「ま、起こったとしても俺らがいなくなった後だけどな」
「……なんとなく、トキが性格悪い事を考えてるのは分かる」
くくく、と笑う俺に、ソウは怪訝な顔をしてついてきた。
時刻は正午を廻って暫く経った頃だろうか。
あれから何件か道具屋を廻り、消耗品の買い足しは終わっていた。
行く先々で話を聞いてみたが、此の町の状況は概ね最初の道具屋に聞いた通り。
領主の評判は悪く、その分ダートの評判がいい。
それなら後はこの町の人々の気持ちとか、その辺で結果は変わってくるだろう。
「……後は?」
「あー、ソウの装備を揃えるか」
「……別に、いらない」
「いや、要るよ。その服に防御力はないだろう?」
「……魔法がある」
「咄嗟の事があるからね」
「……むぅ」
微妙に納得していない気もするが、気にしない。
気がついたら隣で死んでいた、とかは気分が悪すぎる。
ソウを連れて、裏路地にあった古ぼけた武器防具屋『エリアルシード』に入る。
「いらっしゃいませー」
やる気のなさそうな女店員が、カウンターで頬をついている。
店の中は狭い上に雑多として、まとまりがない。
武器はなんとなく分かるが、防具になるとちょっと分かりづらい。
「女性用の防具はどの辺?」
「うん?……ああ、そっちの子ね。オーダーメイド?」
「いや、そんなに時間が無いから出来合いで」
「じゃあそっち。未だ小さいし、どちらでもいけるでしょう」
それは、胸が出てないから男女どちら用でもと言うことか。
心なしか、ソウも不満げな顔だ。
「……むぅ」
いや、不満を声にまで出している。
ソウの頭をぽんぽんと叩いて、示されたほうへ向かう。
「こういう系か、これなら確かに」
「……軽鎧?」
店員に示されたのは、要所要所のみを守る軽鎧の一角。
つまり、服の上から着れる胸当てや、腰当である。
全身鎧なんかを勧めてこない辺り、一応ソウの事を見ての判断のようだ。
製品の中から、比較的よさそうな皮製の胸当てと腰当を取る。
「とりあえず、胸当てと、腰当くらいか」
「……胸当てだけでいい」
「む、でも一応あったほうが」
「その子の言う通りね。慣れていないなら、初めは胸当てだけで十分よ」
「うん?」
後ろを振り返れば、先ほどの店員がやる気なさそうな顔でこちらを伺っていた。
「あとは、その辺にあるナイフの一つでも装備しておけばいいんじゃない?」
「……武器は、いい」
「そうは言ってもなぁ」
「見たところ魔法使いね。ならこれはどう?」
「おっと」
店員かカウンターから投げてきた寄越したのは、手の平大の鉄の、棒?
ちょっと弄ると、その先から刃が飛び出す。
「あっぶな!こんなもん投げてよこすなよ」
「刃はおまけみたいなもん。それは魔法補助体よ」
「……へぇ、こんなもんまであるのか」
魔法補助体とはその名の通り、魔法の発動を補助するものだ。
魔力が通りやすい物体は全体的にそう呼ばれるが、しっかり加工するならばさらに文様を書き込む。
それにより、より魔力が通しやすく、魔法が発動しやすくなる。らしい。
俺はいくら持っても魔法は発動できないから、なんとなく魔力が通りやすいような気がするだけだ。
通常それらは杖の形をしてるものだが、こんな仕込みナイフみたいなものもあるらしい。
ソウに渡すと、興味深そうに弄り回している。
「試作品よ。お代は材料費だけでいいから、今度来た時にでも使い心地を教えなさい」
「おいこら、まだ買うとは」
「……これにする」
「おーい」
「まいど、その胸当て合わせてこれだけよ」
「いや、ソウが気に入ったのならそれでいいけど、ってたっか!?これほんとに材料費だけ!?」
桁が、桁が1個多いんだけど!?
ここでは取り合えず使い捨てレベルの安物を買う予定だったんだけど、これでは本気で買うレベルの値段だ。
店主を見ると、ニヤニヤしているから確信犯だろう。
「なによ、真逆、お金が足りないなんて言わないわよね?」
「……足りないの?」
「いや、足りるけど、店主、もうチョイ負けられないの?」
「それで材料費トントンよ。手間賃考えたらマイナスね」
「く……ソウ、ちょっとそれかしてくれ」
「……ん」
一応昔、魔法鍛錬師見習いが近くにいたので、鑑定の真似事は出来る。
それによると、柄の材料は高級品の錬金素材、文様に使っている材料も、高級素材。
刃も、これまた手間のかかってそうな錬金後の知らない素材。
結果、ほぼ自分の知らないレベルの高級素材を使っている事が分かった。
これなら下手したら、素材として売り払ってしまえば倍以上の価格がつくだろう。
「どう?もっとお金をくれる気にでもなった?」
「ちょっと転売してくるわ」
「次会った時に持って無かったら、本来の値段請求するわ」
「ちっ、分かったよ。ほら」
財布からお金を取り出して渡す。
これで、今回の儲けは完全にマイナスである。
「ひーふーみ、ハイ確かに、まいど」
「……これ、どうやって着るの?」
ソウのほうを見ると、なにやら胸当てを頭に引っ掛けてばたばたしている。
……可愛いからそのまま暫く放っておいてもいいかもしれない。
「……トキ」
早くしろ、とせかすような呼びかけに、気を取り直して教える。
「ほら、ここを肩に掛けて、こっちを脇の下を通して」
「……ん」
「あんたたち、今色々と話題になってる三人のうちの二人でしょう?」
「何の事だ?」
「町潰し」
もうすでに商会から話が来ているようだ。
ユエが手早いのか、商会が早いのか知らないがな。
「情報を投げ込んだだけだ」
「結果、領主に追われてたら世話ないわね」
「面倒になる前に出て行くさ」
「そ、別にいいけどね。ハイこれ」
「うん?」
渡されたのは小さな樹脂製のカード。
書かれているのは『エリアルシード』と書かれた……これは名刺だろうか?
「ポイントカードよ。ある程度たまったらランクアップして、ちょっとモノが安く買えるわよ」
「あん?」
「今回は二つ、片方は高価な品だから、後何か一つ安い物を買うと、ランクアップしてカードの素材が変わるわ」
「へえ」
面白いが、また来るか分からない店のポイントカードをとっておいてもなぁ。
「大丈夫、少なくとももう一回は買い物に来るわ」
「なんでさ?」
「そのナイフの使い心地を伝えに来ないといけないでしょ?」
「……また」
「ええ、また会いましょう」
「まあ、いいけどな」
店を出るときに店員の胸元を見ると『エル・A・シード』という名前が目に付いた。
「……ぐうっ!?」
「ソウ!?」
裏路地に出た途端、ソウが魔法で吹っ飛ばされていった。
ソウの胸当ては一撃で横一線に大きく抉れていた。
どうやら胸当てに、対魔法の術式が編みこんであったようだ。
ソウが無事なのを確認すると、暗い路地の先にいる人物を確認する。
「げ、あんたは」
「なぜ、屋敷から、逃げた」
出会ったのはダート。
先ほどのままの服装、しかし様子が違いすぎて同一人物かすら怪しい。
目つきは鋭く、すでに抜刀して今にも切りかかって来そうな雰囲気。
と言うか恐らく今の一撃はダートだろう。
「何故も何も、あの後閉じ込められたんだよ、あの部屋で」
「な、ぜえ!」
「訊ねてるくせに、聞く気無しじゃねぇか!?」
力任せの横凪を、居合いで弾き、腹を蹴り飛ばす。
飛ばされる直前に、ダートはさらに一撃を加えようと剣をふるって来る。
その一撃は鉄製の鞘で受けたが、鞘を持つ手の痺れからも分かる、十分に致命足りうる一撃だ。
だからこいつとは戦いたくなかったんだ。
純粋に強い敵とは相性が悪い。
「……トキ、あの人」
「ああ、様子が変だ」
「ぐ、ううう」
近づいて分かったが、おかしな黒いもやがダートを覆っている。
色が濃くなるたびに、ダートが苦しんでいる。
「……浸食を受けてる。祓うから、トキは」
「動きを止めればいいんだな」
「……痛めつけて」
「……もしかして、最初の一撃根に持ってる?」
さらっと言うけど、よく見ると心なしか目線が鋭い。
「……動きを止めれれば、何でもいい」
「はいよー」
なんだか怖いし、逆らわないでおこう。
って言っても、あいつと戦って動きを止めるか……キツくねぇ?
「おおおおおお!」
「くうっ」
何の変哲もない唐竹。
しかしそれだけにとてつもない威力を持っている。
逸らしたはずが、それでもこちらの腕に痺れを残す。
ならばと、懐に入って連撃を食らわせようとするが、たやすく弾かれてしまう。
それどころか胸倉を掴まれて投げられる。
「げぇっ!?」
「し、ねぇ!」
空中の、逃げ場の無いところに突きが迫る。
「――らぁ!」
「っ!?」
受けたのは鞘、それも刀をさす鯉口で、剣の先を固定する。
心臓を狙った、正確な突きだからこそ出来た芸当だ。
一瞬止まった動きに、鯉口を始点に転がるように大剣の側面を落ちる。
焦った様にダートが身を引くが、遅い。
回転の勢いのまま峰打ちでダートの首元を打ちつけた。
俺はそのまま無様に地面に落ちるが、ダートは先ほどのまま停止している。
慌てて距離をとると、ダートはゆっくりと傾き……倒れこんだ。
「……上出来」
「いいけど、ボディガードって何だっけ?」
「……スペル・ブレイク」
ソウの魔法により、ダートは光に包まれ、彼を覆っていたもやが剥がれていく。
やがて、もやは完全に剥がれるが、まったく目を覚ます気配はない。
それはそうだろう、綺麗に首元に入ったもん。
このまま目が覚めなくても不思議じゃない。
それを察したのか、ソウはまた魔法を発動する。
「……ヒール」
「ぐ、ぅ」
光が出て一瞬で意識が戻ると言うことは、思ったよりもダメージが入っていなかったらしい。
結構、いい一撃が入ったと思ったんだけどなぁ。
だからこういう奴と戦いたくないんだ。
「私、は……?」
「起きたか」
意識の定まっていない様子のダートに、今起きた事を伝える。
話しているうちに意識は戻り、自分の行動に愕然としたようだ。
「そうだ、アルベルト卿に問いただしていた時から、意識が」
「恐らく其の時だろうな。侵食魔法にかかったのは」
「……たぶん、このまま帰ればまた……トキ、どうする?」
「それは、こいつがこれからどうするかによるな。……どうするよ?」
ショックを受けた様子のダートに、追い討ちを掛けるように問いかける。
お前は、この後どうするのかと。
ダートは暫く考え、やがて、結論を出したのか顔を上げる。
「……戻る。そして、決着をつけよう。この町に」
「ふん、ならついてきな」
「何だ?」
先ほど出たばかりの武器防具屋の扉を開ける。
先ほどの、ソウを守った胸当ての術式は相当高度なものだ。
この店になら、侵食から体を守るような装備程度、置いているだろう。
そして其の奥にはにやけてこちらを伺う店員、エルの姿。
腹立たしいが、全部知っていたのだろう。
「――いらっしゃい。ほら、また来たでしょう?」
その日、ポイントカードは2つランクを飛ばして、素材が銅、銀が抜けて金色となった。
作者 「ハイ皆さんこんばんわ」
トキ 「毎度おなじみ後書き対談だ」
作者 「今回の対談は長い気がしますよー」
トキ 「また珍しい前置きだな」
作者 「今日はもう眠気気にせず書こうと決めているので」
トキ 「それでも今回の本文以上になる事は無いだろ」
作者 「今回長いですから」
トキ 「長くなったらグダってる決定だしな」
作者 「グダるのはいつもなので気にしないでください」
トキ 「お前は少し気にしろよ」
作者 「諦めましょう」
トキ 「がんばれよ」
作者 「と言う事で、本編入りましょう」
トキ 「思ったより短いな」
作者 「説明が長いのが決定してるので」
トキ 「あー、そう言うこと」
作者 「そういうことです。と、さて、今回は買い物回ですね」
トキ 「やってることは買い物だけなんだよなぁ」
作者 「わりかし重要人物が出てますよ?」
トキ 「あー、ダート?」
作者 「道具屋のおっちゃんとか」
トキ 「え?そこ?」
作者 「本名ブラフ・ゴルブ。ホワイトポートの道具屋『ホワイトスラム』店長、ゴブリン族とのハーフ。
ゴブリンに犯された人族の女性より生まれ、それでも愛情を持って育てられるが、無理がたたって5つの時に母親が病死。
アルケミストに弟子入りして生きて行き、20になった時独り立ちする。ちなみにそのときの姉弟子が今の奥さんである。
グランドピークにて20年ほど商売と世界情勢を学び、10年前ついにホワイトポートで店を構える。
アルケミストとしての腕前は中の上、奥さんは上の下といったところで、中級の実力の人に好まれる。
値段設定がかなり安めのため、店は繁盛、そして平穏な毎日である。今は子供を三人儲け、騒がしくも幸せな日々を送っている」
トキ 「長い、つらい、何それ」
作者 「設定資料」
トキ 「でました丸写し」
作者 「と言ってもそんなに重要人物ではありません」
トキ 「え、なんでそんなに背景まで造ってんの!?」
作者 「その突込みをされるため、でしょうか」
トキ 「本編進めろよ!?」
作者 「まあ、実際重要人物はエルのほうですかね」
トキ 「こっちは設定は?」
作者 「エル・A・シード――武器防具屋『エリアルシード』の女店主。純粋な人。
生まれついての天才。周囲の人や両親はその思考についていけず、離れて行った。
本人は何かを作っていれば幸せであり、別に周囲がどうなろうが知った事ではない。
本人も美人で、見ているだけなら結構な人気を持っているが、性格が起因して人はあまり近寄らない。
やる気のない顔の裏側で、何を考えているか、それは本人にしか分からない」
トキ 「資料?」
作者 「ですね」
トキ 「こんな短いの?」
作者 「結構削ってます。放送コードに引っかかるので」
トキ 「これだけさらして放送コードもなにもないだろ」
作者 「ま、ま、この子は店と一セットな所がありますから」
トキ 「『エリアルシード』ね。これは自分の名前からなの?」
作者 「考え始めて三秒で決めたとか」
トキ 「適当!?」
作者 「ただ、重要な物件ですよここは」
トキ 「でもホワイトポートにしかないだろ」
作者 「さてはて、その辺の話は次にエリアルシードが出てきたときにでも」
トキ 「いつ出てくることやら」
作者 「後は侵食を受けたダートですかね」
トキ 「ソウは死んだかと思ったよ」
作者 「それもエリアルシードの防具のおかげですね」
トキ 「見事にフラグを回収したしな」
作者 「買った後で良かったですね」
トキ 「たしかに」
作者 「でも新品の胸当てはぼろぼろに」
トキ 「あの後治して貰ったよ」
作者 「ああ、ポイントカードのランク上がってましたね」
トキ 「それはそこでダートが買い物しまくった所為」
作者 「本人がカード作ればいいのに」
トキ 「エルは当然のようにこちらのカードにつけたぞ?」
作者 「へぇ、あ、そだ、トキは作中、全うな強さの奴は嫌いだとか言ってますが」
トキ 「いや、嫌いだよ?」
作者 「実はそういった全うな強さの敵に圧倒的な力を発揮します」
トキ 「負けないだけだよ」
作者 「負けないために、相手が”まっとう”である必要があります」
トキ 「一回やったら次は負ける、そんな戦いだよ」
作者 「実践に2度目はありません。普通なら」
トキ 「2度目が無い戦いはあまりしたくないなぁ」
作者 「要は言ってる事とやってることがちぐはぐな人なんですよね」
トキ 「いや、ほぼ一直線だよ?」
作者 「一直線に見えて良く見ると迷路なんですよね?」
トキ 「騙し絵!?」
作者 「そして逆に、からめ手を使う敵で、相手のほうが強かったりするともうだめです」
トキ 「そんな相手、逃げるに決まってるだろう」
作者 「……逃げれればいいですね」(ぼそ
トキ 「おい、やめろ、そんなフラグを建てるな」
作者 「冷静に考えてそんな何もかも上手の相手が逃がしてくれると思います?」
トキ 「絡め手なら負けん」
作者 「……さて、次は魔法についてですかね。今回の新呪文はスペルブレイクですね」
トキ 「またそうやって話を流す」
作者 「詠唱は『其の身を脅かす異端の理、侵食を喰らう光を成せ』って感じです」
トキ 「これはレジストと何が違うんだ?こちらは上位だけど、効果的にはほぼ変わらないだろ」
作者 「レジストはあくまで抵抗で、弱めているだけなのです。後はまだ効果を発揮していないものに対するです」
トキ 「へぇ、じゃあたとえば飛んできている火の弾は消せるけど、当たった後に燃えたのは消せないとか?」
作者 「あー、いやそうやって燃えたのはどちらにせよ消せないですね。主に侵食系の魔法に対する効果です」
トキ 「一度操られると抵抗できないって事?」
作者 「そんな感じです。と言うか魔法について説明ってしましたっけ?」
トキ 「たぶん、ふわふわなままだよ」
作者 「この世界の魔法は主に地水火風光闇の6属性に回復と侵食と言う特殊属性、後は一般の無属性があります」
トキ 「そんな基本属性すら未だに説明して無かったんだもんな」
作者 「後は察してください」
トキ 「おいぃ!?丸投げんな!?」
作者 「あ、あと、前回言っていた各属性精霊毎の親愛付与効果ですが」
トキ 「ああ、そんなのあったな」
作者 「地属性は『堅き防壁』、防御力が上がり、防御系の魔法が堅くなる。また、体が純粋に少し堅くなり、重くなるため、女性には不人気。
侵食などの魔法にも強くなるため、領主など偉い人には人気。ちなみに重さは極めれば調整できます」
トキ 「……へぇ、真面目に解説しだした。と言うか女性の人気とかあるのか」
作者 「要は鍛えればそんなデメリットも無くなるんですけどね」
トキ 「極めるまでやらないといけないんだろ?誰もがそこまで出来るわけじゃない」
作者 「次に水属性は『清き純粋』、状態異常の回復が早くなる。また状態異常にかかりにくくなる。また、体が柔らかくなるため、女性に人気。
また、体内の水分調節が出来るため、瑞々しい肌を保てる。つまりその職の人に人気」
トキ 「今度はあからさまに女性向けなのが来たな」
作者 「ちょっと問題があるとすれば、水の精霊は胸が無いため、そちらには逆効果です」
トキ 「ああ、盛ったりは出来ないのか」
作者 「脂肪って要は油ですから」
トキ 「やっぱり水と油は相性悪いのか」
作者 「そして火属性、『熱き闘争』、攻撃力が上がり、攻撃系の魔法の威力があがる。また、少し争い毎に強くなるため男性に人気。
ギャンブルなんかにも強くなり、遊び人にも人気。ただ、運があがるわけではないので注意が必要です」
トキ 「いかにも、って感じだな」
作者 「ちなみに、性格も闘争に引っ張られるため、例えギャンブルで負けてても素寒貧まで続けてしまいます」
トキ 「おい、駄目じゃねぇか」
作者 「皆炎を極めだしたら結局は元ステが物を言うのですよ」
トキ 「身も蓋もねぇ」
作者 「次、風属性は『優しき神速』、足が速くなり、魔法の発動速度が上がる。また、少し雰囲気が優しくなり、子供や動物に好かれやすくなる。
ホンの少し思考も早くなり、頭が良くりやすくなる。ただ、なりやすくなるばかりで、実際になるかは人しだいとなります」
トキ 「使い安そうで実はあんまり使えなさそうなのが来たな」
作者 「移動速度は確実に上がりますよ?」
トキ 「そのほかが曖昧すぎるだろ」
作者 「頭とか雰囲気とか、魔法を覚えただけで変わると思わないことです」
トキ 「身も蓋も無いってば!」
作者 「で、前回も出てきた光は『真実の探求』、嘘を見抜く力が見につく。相手の嘘や真実がなんとなく分かる。嘘をつくものを信用できなくなる。
思考が早くなり、運があがる。が、真実を目指すため、扱いにくいと思われることもしばしば」
トキ 「チートじゃね?嘘が分かるって」
作者 「つまりトキにとって一番相性の悪い相手です」
トキ 「あれ、でもわりかしソウに嫌われてはいないような」
作者 「良くも悪くもひねくれ一直線なのでふつうにつき合えば嫌われません」
トキ 「ほめられてるのかけなされているのか」
作者 「そして闇属性『暗闇の遁走』、逃げる事に特殊効果、気配が薄くなったりカモフラージュされたりする。普段から影が薄くなる。
どんな状態でも逃走確立が10%以下にならない。が、速度が上がるわけではない。とても人を選ぶ力です」
トキ 「これもチートじゃね?地味だけど」
作者 「そして一番トキに合いそうな魔法です」
トキ 「失礼な。とても欲しいけど」
作者 「影が薄くなるよ?」
トキ 「有り余りすぎるメリットだろ。逃走確立が10%以下にならないって」
作者 「まあ、これは極めたときの確立、普通はもう少し確立は低いよ」
トキ 「0%にならないってつくだけで十分だと思うんだが」
作者 「ちなみに、光闇はチートですが、特殊2属性はさらにチートです」
トキ 「おい、バランス大丈夫かこの小説」
作者 「その分極めるのも難しいのですよ」
トキ 「何だかなぁ」
作者 「回復属性です。『秘めたる永遠』、回復魔法の速度、威力アップ。また、自分に常時持続回復効果がつく。」
トキ 「なんか普通にチートだな」
作者 「それだけではありませんよ。この効果の本当の魅力は極める毎に老化が遅くなることにあります。つまり、極めれば不老となりえる」
トキ 「チート!チート!」
作者 「普通は極めても多少老化が遅くなる程度なんですがね。神様レベルの使い手はこれを完全に極めていて不老です」
トキ 「次元が違いすぎる」
作者 「回復や侵食魔法は本当に使い手を選びますから、その分チートです」
トキ 「ちなみにソウは?」
作者 「大分不老に近いです」
トキ 「……もう大きくなれないのか」
作者 「別に操作できますよ。多少年取ってから不老状態になればいいんです」
トキ 「チートすぎる」
作者 「さて、侵食魔法です。『秘めたる静止』、侵食効果の威力アップ。また、自分の侵食阻害効果もつく」
トキ 「どうせそんな普通の効果だけじゃないんだろ?」
作者 「そうですね。この効果の本当の魅力は極める毎に認識時間が遅くなっていく事にあります。極めれば最強足りうる」
トキ 「……?動体視力が良くなる、って事?」
作者 「視力だけではなく、極めれば止まった世界で動いているのと同じような感覚になるって事です」
トキ 「え、どうやったら死ぬの?それ」
作者 「時間間隔に押しつぶされて、退屈死にですかね」
トキ 「暇は不死を殺すか」
作者 「ただ、まさに最強足りえます」
トキ 「欲しいけど欲しくねぇ」
作者 「そんなのばかりですよ、魔法なんて」
トキ 「うーむ、難しいなぁ。って、無属性には無いの?付与効果」
作者 「無属性は別にその属性の精霊が要るわけではないので、誰もがつかえるただの魔力の魔法、ってことです」
トキ 「おれ、使えないけど」
作者 「あ、どんな属性であれ、精霊の補助は必須ですので」
トキ 「……知ってた」
作者 「と、そんな感じですかね。まだ何かありましたっけ」
トキ 「んー、ソウの胸当てのデザイン?」
作者 「あー、本当にただの胸当て、アルルナジャ大人版を想像して貰えると分かりやすいかも」
トキ 「ぷよぷよか」
作者 「いえ、魔導物語」
トキ 「前身じゃないか」
作者 「まあ、似たようなものですが」
トキ 「でもあれって肩当てもついてたよな?」
作者 「ついてますよ?ちょっと和風になった感じのが」
トキ 「でも皮?」
作者 「皮です。魔獣の」
トキ 「堅いの?」
作者 「んー、弾性があるって感じですかね。普通の皮の上位互換」
トキ 「一発で駄目になったみたいだけどな」
作者 「そのおかげで、修復時ちょっとサービスしてもらいましたよ?」
トキ 「どんな?」
作者 「色がつきました☆」
トキ 「……」
作者 「もともと茶色の味気ないものでしたが、袴に合わせた朱色コーティングをしてくれました」
トキ 「目立つなぁ」
作者 「元地が皮なので、多少使えば分かりませんよ」
トキ 「この雑さ加減」
作者 「まあ、こちらはそのうちバージョンアップするんじゃないですか?腰当がついたり」
トキ 「あまりはじめから重くしてもしょうがないからな」
作者 「と、店主さんに言われたわけで」
トキ 「悪かったな!俺ははじめの時にガッツリ重装備して死にかけたよ!」
作者 「生きているなら問題なしです」
トキ 「ま、結果おーらいな所も合ったけど」
作者 「はて、後は……一回また読み返してきます」
トキ 「おいおい」
作者 「そうだ、試作品の説明をしてなかったです」
トキ 「ああ、そういえば」
作者 「七つ夜、以上」
トキ 「おい!?端折り過ぎぃ!?」
作者 「要は飛び出しナイフですよ?それ以外ないじゃないですか」
トキ 「それでも説明しろよ」
作者 「無骨な鉄っぽい手のひら大の固まりと、その中に収納できる程度の長さの片刃の刃です」
トキ 「複雑な文様とかは無いのか?」
作者 「ほぼそういったものは内側ですね。外にあると削れたときに効果が消えるので」
トキ 「あの戦闘時とか使用してた?」
作者 「してません」
トキ 「……買った意味」
作者 「そのうち活躍しますよ」
トキ 「それならいいけど」
作者 「っと、さて、そろそろ次回予告ですかね」
トキ 「はいはい」
作者 「次回、エピローグ!」
トキ 「え?突然?」
作者 「いや、実際もうとっくにこの章終わってるはずだったんですよ」
トキ 「あっさり終わるなぁ」
作者 「あれ?って思ったらもう1・2週間後にはじめから読み返してください」
トキ 「どういうこと?」
作者 「次回更新は来週で、そこからGW中に見直しと改修作業を行います」
トキ 「ああ、そういえばやるって言ってたっけ」
作者 「大幅な改修がある可能性、大ですので」
トキ 「造りざつだもんなぁ」
作者 「話数すら変わるかも?」
トキ 「……」
作者 「まあ、そのときのお楽しみって事で」
トキ 「なんと言うか、決めてないのな」
作者 「と言う事で、次回も終わる事の無い夢の中でお会いしましょう!」
トキ 「また無理やり〆ていくー。お疲れ様でした」
作者 「いやー、一章長かったですね」
トキ 「区切りがわけ分からなくなってるもんな」
作者 「当初の予定は神社出るまでが一章ですし」
トキ 「余計な話し長いな」
作者 「ぱっと終わらせる気満々でした。ってやば」
トキ 「ん?どうした」
作者 「結局対談が本編文字数越えた」
トキ 「何でそういうことするかな!?」
作者 「あ、あははは」