第16話
翌朝、起きて一番に体の調子を確認する。
火傷はほぼ治り、お腹の傷以外は動きの阻害となる怪我は無い。
いくら回復魔法があったとはいえ、頑丈な体である。
軽く体をほぐして立ち上がり、もう一つのベッドを見ると、ソウが眠っていた。
ユエのほうはシャワー室のほうで音がするので、恐らく洗濯か身支度かだろう。
それならばと俺もちゃっちゃと身支度をする。
すると、ユエが戻ってきたようだ。
「早いのね」
「そうでもないよ」
実際、すでにいつもの起床時間より少し遅い時間だ。
戦闘や移動による疲れは、多少残って居るらしい。
「それに、動くなら早めに越した事は無いからな」
「そうね、早起きな商人たちなら、この時間には動き出してるはず」
今回、この町で話を広め、住民たちに判断をさせるのには商人たちが重要になる。
というか、商人がこの町は危ないと思っていなくなってしまえば、住人たちは移動せざるを得なくなってしまうのだ。
ある程度の自炊は出来ても、物資と言うのはどのような形であれ必要だからな。
そんなわけで、この時代で商人と言うのは割と力がある存在なのだ。
基本的に、町ごとに商会と言う形で存在しており、商人ギルド本隊との連絡や、その町毎の情報が集まっている。
今回情報を流すのはその商会に対してとなる。
ただ、商人の重要度が高いと言うのは領主からしてもそうだ。
根回しがされているかどうかで言えば、恐らくされているだろう。
敵対するわけにも行かないから、現場の監視が関の山だろうが。
「さっき、宿の女将さんに商会と連絡をとってもらったわ」
「動きが早いな」
「あなたたち二人は大丈夫かもしれないけど、私は狙われる可能性が高いのよ」
「確かに」
見ず知らずの人間を探すよりは、暫く自分の町で活動していた有名人のほうが探すのには楽だろう。
なにせ強襲を掛けた場所が消滅し、頼んだガードは行方不明だ。
恐らく領主は血眼になって、生き残りが居ないか探していることだろう。
「なら、俺は目立ってもいいところ担当だな」
「そうね。買出しとか情報集めは頼もうかしら」
「あ、ソウの装備は」
「私が行くから大丈夫」
「いや、お前目立ちたくないって」
「カモフラージュ系の魔法使っていくから平気」
「そこまでする……?」
「あなたとソウに選ばせたら、センスのセの字も見当たらないものになりそうなのよ」
「さすがにソウほどではないと思うんだけど」
「じゃあ女物の選び方、分かる?」
「目に付いたものを片っ端から」
「却下」
これ見よがしにため息をつかれる。
自分に合う物を探す時って、片っ端から選ぶものだと思うんだが。
着心地とか色々あるし。
「まあ、そこまで言うなら任せるけど、気をつけろよ?」
「大丈夫よ、これでもそこそこ名の知れた傭兵なのよ?」
なにやら得意げに無い胸を張るユエ。
そこまで言うのなら絶対見つからないような防護策でも持っているのだろう。
それならば任せても問題ないだろう。
そう判断した。……してしまった。
「……さて、いい訳を聞こうか?」
「待って、これは私の所為なの?」
ソウを起こし、朝食を食べ、宿を出た瞬間に町のガードたちに取り囲まれる俺たち。
相手も武器こそ抜いてはいないものの、剣呑な雰囲気である。
そのうちの一人、装備が少し良さそうな物を纏っている男が前に出る。
「傭兵剣士のユエ殿とその御一行様と御見受け致す」
「しかもなんか、ユエがトップみたいに言われてるんだが」
「そこそこ名の売れてるって言ったでしょう?」
「……一番、弱いのに」
「ぐ、さすがにトキには負けないわよ、たぶん」
うーん、どうだろう。
全力で勝ちに行けば勝てる気もするけど、純粋な戦闘力だと勝てる気しないなぁ。
でも、ユエって運のパラメータ低そうだから、それ合わせればそこそこ拮抗するんじゃないか?
「ユエ殿でよろしいか?」
「おっと、そうね。ナニカ御用ですか?」
「この町の領主、アルベルト卿からお連れするよう言付かって参りました」
「ちなみに拒否は?」
「無理にでもご足労を」
どうやらユエがここにいる事は、相手方には完全に筒抜けのようだ。
宿の人の可能性もあるが、御一行って言っていたし恐らく昨日の門番か。
やはり異変から一日経っていたし、何かしらの対応はしていたようだ。
「ユエに用事みたいだし、俺らは別行動で」
「ちょっと、何自分たちだけ逃げようとしてるの!?逃がさないわよ!」
「こ、こら離せ。こっちには関係ないだろ!?」
「お仲間様も是非ご一緒にと、アルベルト卿から言付かっております」
「げー」
先に退路をたたれてしまった。
「……逃げたほうがいいの?」
こちらを伺うようにソウが見上げてきた。
確かにソウならテレポートくらい使えるから、逃げられるだろう。
普通なら詠唱が長くてこんな場面では使えないから、不意も打てるし。
だが、それを使うべきはここではない。
「……いや、いい。後で合図したらやってくれ」
「……ん」
ユエのほうも、やりたい事を察したようだ。
嫌そうな顔をしつつ、ため息をついている。
「ご足労いただけると言う事でよろしいか?」
「嫌だ。と言っても連れて行くんだろう?」
「ご理解が早く、ありがたい事です」
しかし、この間の隊長とは段違いの実力者っぽいな。
重心も殆どぶれないし、戦闘になったら逃げの一択だな。
少なくともまともに戦いたくない。
戦いになるのはユエくらいか?
戦闘力自体は、一応高いんだよなぁ、ユエって。
「ご足労いただき、ありがとう。私がこの町の領主、アルベルト・F・エンペルだ」
「どうも、旅人のトキだ」
「……ソウ」
「ユエ殿とはこの間お話したな。改めてよろしくお願いする」
「まどろっこしい挨拶はいいです。聞きたい事があって呼び出したのでしょう?」
仕事モードなのか、あの隊にいた時のような堅苦しい口調でユエが話しを急かす。
先ほどのガードたちとの話し方も堅苦しかったし、外面を気にするタイプらしい。
と言うか、いらいらしているようにも見えるから、ここの領主たちにいい感情を抱いていないだけかもしれない。
まあ、殺されかけたし当然か。
「ふむ、そうだな。先日の一件について、どうなったかの報告が聞きたい。
何せ向かった森は消失、うちのガードたちは戻らず、君と見覚えの無い二人だけが帰ってきたという不思議な状態だ」
「悪いのですが、彼らがどうなったかなんて知りません」
「む?知らないとは」
「共に向かった隊の方々は、傭兵と言う助っ人を良く思わなかったらしく、おかしな水を掛けられて叩きのめされ、森に放置されました」
その時に助けてもらったのがこの二人です。とこちらを紹介してくる。
……よくもまあそんなすらすらと、間違ってはいないけども。
「ならば隊の行方と、森がなぜ消えたかは分からないと言うことか?」
「そうですね。ただ、森が縮んで行く前に、森の中心のほうで大きな爆発が起こった事は確認しています」
「その場所は?」
「この二人と見に行きましたが、崩れた建物と、抉られた地面しか」
「……ふむ、そうか」
ちなみに、俺とソウはここに来る前、あまりしゃべらずにユエの話しに合わせるよう注意されている。
その時からこの話は作っていたんだろう。
でも、聞きたい事があるので前に踏み出す。
「そこで一つ、聞きたいのですがいいですか?」
「君は、トキ君か。何だ?」
「ユエが掛けられたと言う水について何か知りませんか?」
「……水?」
「何でも魔法が使えなくなったとか」
そんなものがあるなら恐ろしいですから。としれっと知らない振りをして見る。
「……いや、知らないが、魔法もそこまで深く分かっているわけでも無いからな。偶に使えなくなるような事があるのかも知れん」
「いえ、何でも掛けられた瞬間から精霊の気配が遠のいたと、ユエが言っていたんで」
「精霊?」
「おや、ご存じない?魔法と言うのは精霊が起こす奇跡であり、精霊がいないと使えないのですよ」
「……それは知らなかった。トキ殿は魔法研究家か何かで?」
「実家で似たような事を、なので今回の水の件、とても気になりまして」
「そうですな。……そう言えばクード、ああ、ユエ殿とあの森に向かってもらった隊の隊長なのですが。
クードがなにやら家を出入りしている商人から何かを買ったとか、そんな話をしておりましたな」
「……む、商人ですか」
……うそだな。だが、これは突いても意味がないだろう。
領主の館を出入りしている商人と言われてしまうと数が多すぎる。
「しかし、精霊の気配が分かるとは、ユエ殿はもしかして極位の魔法を?」
「え?」
精霊が魔法云々は知らなかったのに、極位魔法使いが精霊を見る事は知っているのな。
「いやあ、まさか魔法でも極位にたどり着いた人がおられるとは」
「ま、まあまだ殆どたどり着いたと言う人は聞きませんね」
あ、雲行きが怪しくなってきた。
使えもしない極位を話題に出されてユエがすごい困っている。
だがなぜか逆に領主は、やたらとテンションが上がっている。
「私の祖母が極位魔術師でしてな、あの光景には憧れたものです」
「確かに、極位は今の魔法使い達の、目指すべきところの一つですから」
「私にはどうにも才能が無くてですな。良かったら何か極位の魔法を見せてはいただけませんか?」
「ええと、極位と言うのは辺りに被害を出すので、おいそれと発動するわけには」
「いえいえ、町の外に向けてでもかまいません。お願いできませんかね」
困ってる困ってる。
俺が面白そうに見ていると、ソウが何かを訴えるような目でこちらを見てきた。
……しょうがない、助け舟を出すか。
俺はソウに少し耳打ちし、話に割り込む。
「いいじゃないかユエ、一帯に雨でも降らせれば納得するだろう」
「おお、天候操作ですか!極位ならではですね!」
「……え、ええと」
何言ってくれてるんだと、こちらを睨んでくるユエ。
大丈夫、とソウを指差す。
「さあ、ユエ詠唱を」
「え、ええ?」
大丈夫なのよね?とこちらに目線で訴えかけて来る。
いいからやれって。
「こほん……元素を象る万物の始点、其が理を歪め此処に奇跡を顕したまえ、
歪めしは天候、可能性の気象を持ちいて、この場所に命の豪雨を招きたまえ――コール・ブルー・ライフ・レイン」
「おお!」
ユエの後ろで、ソウがこっそりと無詠唱魔法を発動。
屋敷周辺に雨が降り出し、窓からの景色が灰色となる。
だがそれもすぐに終わり、1分もしないうちに元の晴天に戻る。
空には綺麗な虹だ。
無詠唱だと時間が短いのか。
「それで、魔法も見せたし、今回の契約違反の件だけど」
「ああ、はい、ありがとうございました。ユエ殿には謝罪と謝礼を用意いたしますので、少々奥の部屋にてお待ちいただいてもよろしいですかな?」
「え、ええ」
はしゃいでいたのがうそのように、急に態度を戻した領主にユエが不思議そうにしている。
……まあ、当然といえば当然か。
なんとなく領主のやりたかった事は分かる。
こちらの話がどこまで真実か見極めたかったんだろう。
この魔法でどこまで信じたかは分からないけどな。
「ダート、この方々をB-6の部屋へ」
「はい。それでは皆さん、こちらへ」
俺たちをこの部屋までつれてきた、騎士隊長らしき人の先導に従い、部屋を出る。
「申し遅れたが、私はダート・ヴァルト。この町のガード長をしている」
「ああ、よろしく」
「ヴァルト?」
「ユエ殿はご存知かもしれないが、先日の隊の隊長は私の弟、クード・ヴァルトだ」
ああ、そういえば指令書にそんな名前が書いてあったような。
よく見れば顔立ちも少し似ている。
屋敷に入ってからはヘルムも外し、見えているのは赤髪の短髪。
きりっとした目つきの韋丈夫、多少ゴツイが十分に美男子だろう。
散々やらかされた奴の兄と聞いて思うところがあるのか、ユエは何か考え込んでる。
「クードは、多少思い込みの強いところはあるが、善性に寄っている。先ほどの話を私は信じたわけではない、とだけ言って置く」
「事実、襲われたのですが?」
不満そうな顔を隠そうともせずにユエが告げる。
「そう、其の話は真実であると私の感が告げている。だからこそ解せない」
「……」
「感?」
「……高位の光魔法使いは、真実を見抜く力が付与される」
「へえ、そんな付属効果があるんだ」
「む、君もなかなか高位の光属性使いと見受けるが、知らないのか?」
「俺が?」
「うむ、得意属性が似ていると分かるものだ」
「ないない、光属性がうまく使えるって言うならこっちのソウだよ」
俺は魔法が使えない。とソウを前に出す。
ダートは暫く考え込み。
「どうやら其の言葉も偽りはないようだ。だが……不思議な三人だな、君らは」
「まとめられた!?」
なにやらユエがショックを受けている。
……なんか文句でもあるのか。
「まあ、クードについて何か思い出すことがあれば教えて欲しい」
「……ダートは、クードの任務の内容を知っているのですか?」
「いや、詳しくは。……森の索敵任務としか」
「索敵、ねぇ」
「私はあまり、アルベルト卿に信用されて居なくてね」
ははは、と乾いた笑いを漏らす。
信用されて居なくてガード長になんてなれるものなのだろうか。
腕っ節だけでそこまで上り詰めたとでも言うのか?
感じる威圧感から、普通に出来てしまいそうで怖いが。
「この地位も、町の人が私を担ぎ上げてくれて、気がついたらなっていたものなのだ」
「町の人に?」
「ああ、この町の人は気の良い人が多くてね、ずいぶんお世話になった」
どうやら町の人からの人気は高いようだ。
まあ、今聞いた限りでも、弟思いのいい兄貴っぽいし、納得はするが。
……なんであんな弟になったのやら。
「話している限り、弟のほうとは大分感じが違いますね」
「……弟は、どんな様子だった?」
「何かに追い立てられるように、アルベルト卿の任務を遂行しようと意固地になっているようでした」
「……やはり、か」
「何か心当たりが?」
「いや……なんでもない」
……俺たちには関係ない、って事だろうか。
あまり、関わりたくも無いから別にいいんだけど。
と、話しているうちに目的の部屋についたようだ。
「この部屋で暫く待っていて欲しい」
「はいよ」
部屋の中に入ると、ダートが少し難しい顔をして話し始めた。
「……少し話していて分かったが、君たちは別に悪性の者ではないようだ」
「やっぱり、疑っていたのか」
「アルベルト卿に対する話の中で、いくつか嘘の気配を感じたものでね」
「……」
嘘の気配はほぼ間違いなく俺だろう。
ユエの話には嘘は混じっていなかった。グレーゾーンだけど。
「クードがユエ殿を襲ったと言うのは、恐らく真実なのだろう。後付けで悪いが、ユエ殿には謝らせていただきたい」
「……別に、服が駄目になった以外は問題ないわ」
「教えていただければ服代は私が立て替えよう」
「別に、いらないわよ。あれは依頼を受けた私の失敗。唯一つ、忠告させてもらうわ」
「……なんだ」
「あなたは、クードの受けた指令を、正確に知る必要がある」
「どういう、事だ?」
「私からはこれだけ、話して見て、あなたがアルベルト卿より信用できると思ったから、これだけ教えるわ」
「……忠告、感謝する」
なにやらシリアスな雰囲気になっているが、これだけ言わせていただきたい。
「ユエ」
「何よ」
「お前、そういうのやたら似合うのな」
「……童話の中で助言してくる、出所の分からないおばあちゃんみたい」
「それだ!」
「あんたたち、失礼にもほどがあるでしょ!?」
ユエが憤慨しているが、知った事ではない。
さっきからグレーゾーンばかり話し続けるのが悪い。
先ほどの忠告、どう転がる事やら。
「くくく、お前たちは本当に不思議だな」
「……笑われてる、ユエ」
「いや、別に私だけじゃないでしょう!?」
「ソウ、そこは気づかない振りをしてあげる優しさも必要なんだよ」
「……ん」
「いや、たちって言ってたでしょう!?私になすりつけようとしないでよ!?」
「くくく、いや、仲が良いのは分かった。暫くここで待っていて欲しい」
笑いながら部屋を出て行くダート。
扉が閉まる音、鍵は掛けていないようだ。
そして睨み付けてくるユエ。
「あんたたちねぇ」
「くっくっく、いいじゃないか。最後のほうはユエも敬語を止めたようだし」
「……まあ、恐らく信用できる、クードの奴とは違うと分かったからね」
「貴重な情報を渡しちゃうくらいだしな」
「たぶん、良いほうに転がるわよ」
「……わたしも、そう思う」
ふうん、女の感って奴かね?
二人が言うのならそういうことにしておきましょうか。
「そうだ、ソウ、さっきの光属性の付与効果について詳しく」
「……ん、魔法というわけではないけれど、各属性の精霊と仲良くなることで、その属性ごとに追加効果が生まれる」
「属性毎の追加効果?」
「……光なら、真実の探求。闇なら、暗闇の逃走。炎なら、熱き闘争。みたいな感じ」
「それって常に発動しているのか?」
「……ん、精霊が近くや体の中に居れば」
と言うことは、魔力消費無しで発動している、所謂パッシブ魔法と言うことか。
「ふうん、ならなんであいつは俺が光魔法使いだと思ったんだろうな」
「……トキには、この間私が貸した、光属性精霊が付きまとってる」
「あの納屋の件か」
俺の近くにそんな精霊が居たから勘違いしたのかね。
……あれ、って事はもしかして。
「じゃあその光精霊が俺の憑き精霊に?」
「……違う。憑き精霊は、生まれ憑いてからずっと一人。その他は……友達?」
「そうなのか……」
せっかく、魔法が使えるのかとわくわくしたのに。
「……そう言う精霊でも、契約すれば――ガチャリ――……?」
鍵のしまる音に、俺は慌てて扉のほうに走る。
ノブを回すが……開かない。
どうやら外から鍵を掛けられたようだ。
ユエのほうの窓に走っているが、開かない。
……どうやら、この部屋に閉じ込められたらしい。
「どうするユエ?報酬は貰え無そうだが」
「もうどうするもないでしょう。別に期待していなかったし、いいわよ」
「それじゃ、ソウ先生、頼みます」
「……ん、トポスト・コネクト―セレクト・ホワイトポートの宿前」
嘆くようにソウが魔法名を告げると、俺たちの下に空間の捩れのようなものができて―――
―――気がつけばそこは、朝までいた宿の目の前だった。
俺は、少しふらっときた頭を切り替えるために体を伸ばす。
「んーっ、外だー」
「なんと言うか、色々と反則くさいわね、これ」
「反則も何も、対策も無くあんなところに行かないから、これはルール内だよ」
「物は言い様よね……」
「ほら、こうなれば時間は無いよ。急いでやる事を済ませようか」
「はあ、分かった。私は情報屋とかそっち系廻るから」
「消耗品系は任せろ」
「ソウの装備は……しょうがないから次の町ね」
「最低限だけ揃えておくよ」
「任せるわ。待ち合わせは夕刻、門手前2つ目の街路樹」
「了解した」
打ち合わせを最速で済ませ、辺りを見回す。
突然現れた俺達は、町人たちの注目を集めてしまっている。
そんな注目を振り切るために、俺はソウの手を引いてユエと逆方向に走り出した。
作者 「ハイどうもこんにちわー。後がき対談のお時間ですー」
トキ 「ちーす、ってどうした?やる気無いな」
作者 「ふふふふふ、ザ☆厄週!であります」(黒もや
トキ 「確かになんか厄い物は見えるけど」
作者 「お客さんの前でやらかすことから始まり、書いたはずの小説の消失、書き直しに、腰まで痛めるし、さらに映画に行こうとしたら車の後ろからドガン」(黒もや
トキ 「まじで厄いヤツだ」
作者 「結果DBは見れず、車もないから見にもいけず。ああ、オークションで落としたものの部品不足もあったなー」(黒もや
トキ 「ちょっとまて、近づくな。厄が移る」
作者 「蔵寿司でDBガチャを10は引けたのに結果三種しか集まっていないとか、過去の担当の物件でトラブルとかもありました」(黒もや
トキ 「……そこまで行くと呪われてる事を疑うな」
作者 「……奇遇ですね。私も今書いていてソウ思いました」(黒もや
トキ 「呪詛返しでもすれば?」
作者 「素直に祓いますよぅ」
トキ 「お優しいねぇ」
作者 「うう、でもなんで私がこんなめに」
トキ 「恨まれてるんだろ」
作者 「人との関わりが殆ど無いのに、何故恨まれるというのです」(断言
トキ 「自信を持って言うことか!?」
作者 「まあ、厄払いはするとして、本編に入りましょうか」
トキ 「今回は、町での急展開だな。あと、またいくつかの説明会」
作者 「後半少し、話が急いだ感じなのは、一度消えてうろ覚えで書きなおしたからです」
トキ 「新しく書けばいいのに」
作者 「次の話をもう結構書いた後だったんですもん」
トキ 「なら底に繋がる様にさー」
作者 「そんな実力は、無い」
トキ 「断言するなよ……」
作者 「後は、アルベルト卿の登場回ですね。そしてようやく明かされる隊長の名前」
トキ 「胡散臭い領主だったな。対してあの隊長は暑苦しいし」
作者 「ある意味、この町の光と闇です」
トキ 「ふむ、また意味深な」
作者 「結局、アルベルトはトキたちを捕らえてどうするつもりだったんでしょうね」
トキ 「さてな。ああ、ソウ言えば精霊毎の付属効果について詳しく」
作者 「ええと、基本的には精霊は其の憑いた人に魔法の発動と言う神秘を与える。其の精霊と、心を通わせ、シンクロ率が上がると、其の精励の持つ力を常に身に纏うことが出来るようになる」
トキ 「常時発動、パッシブ魔法な」
作者 「細かな設定はまた来週」
トキ 「おい」
作者 「今日は眠いです。色々ありすぎました」
トキ 「まあ、色々本当にあったようだけど」
作者 「後は、転送魔法の詠唱ですかね。『此の世を造る万物の空、其の理を解し此処に現象を抜き出さん、歪めしは空間、捩れた時空の其の先に、此処より繋がる一筋の道を成せ』って感じです」
トキ 「雑に即効終わらせた!?」
作者 「後はー次回予告ですか?買い物回ですよ」
トキ 「やるきねぇ。と言うか1っ章ってドンくらい続くのさ」
作者 「後2,3話ってところですかね」
トキ 「4月中には?」
作者 「終わりたいですかねそれでGWには治し作業したい」
トキ 「終わればいいね?」
作者 「終わりますよ。このペースなら」
トキ 「ハイハイ、なら今日は撤収、お疲れデーす」
作者 「では、次回も終わらない夢の中でお会いしましょう」
トキ 「あ、ほんとに〆るんだ」
作者 「もう、今回は、駄目」
トキ 「まじで憑かれきってるし」