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壊れた世界の旅人語り  作者: 夜天夜空
第一章――”なにもない”の神社とそのおわり
14/42

第14話

出立準備を終え、昼。


俺たちは神社の出口があった辺りで最終確認を行っていた。



「忘れ物は無いか?」


「……ん」


「たぶん、もう帰ってはこれないぞ」


「……大丈夫、精霊たちも皆居る」



これからどこに行ってもそうだが、忘れ物をしないことはわりと重要だ。


取りに帰るのも手間だし、取りに帰ったとしても売り払われていた、なんて心配もある。


ソウは特に、帰ってはこれないだろう旅路だ。


この場所が今まで人の目にさらされて居なかったのは、深い森があってのこと。


森が無くなった今、いつお宝狙いの探索者が訪れるか分かったものではない。


数週間以内にでも、この建物は荒らされつくすだろう。


……とはいっても何か残っているわけではないんだけどな。


残っているのは崩落した土地と、わずかに残った木造建築のみ。


本とか女神像とか鳥居とか、何がしかの情報が残って居そうなものは何も残って居ない。



「それなら早く行きましょう。夜になってしまうわ」


「そうだな」


「……ん」



少し先に居るユエに急かされ、俺とソウは神社に背を向け、歩みだす。


目指すは微かに遠くに見える町。


結構距離はあるようだし、今から進んでたどり着くのは真夜中か、明日の朝か。


到着時間は、歩きなれて居ないソウが、どの程度連続で歩けるかで決まるだろう。


大丈夫だろうかと、隣を歩くソウを見る。



「……大丈夫、つらくなったら自分で回復する」


「それならいいが、無理そうなら早めにな」


「心配性ねぇ」


「ぐ……」



ユエが呆れたような目で見てくる。


しょうがないだろう?俺が初めて旅に出た時、無理して足を痛めたんだから。


魔法が使えればそんなこと無かったんだろうけどな。



「……大丈夫だよ。困ったらトキに言うから」


「それならいいんだけど」


「ほらほら、いちゃいちゃしてないで足動かす」



……いちゃいちゃって、会ってそんなに時間経ってないぞ、俺ら。


期間だけでいえば、ユエとも大した時間の差も無い。


ほら、ソウだって良く分かっていないような顔でこちらを見てるじゃないか。


急がないといけないって所には賛成だから、特に文句は言わないけど。


俺は肩をすくめて歩き出す。











それから半日程度。


真上に会った太陽は西側へ、もうすぐ夜になろうかという時間。


思っていたよりも順調に進み、後数時間あれば町に辿り着くんじゃないかという距離まできた。


この辺で、気になっていた事をユエに聞いて見るか。



「そういえば、お前は正面から入っていって大丈夫なのか?」


「あの隊の中に居たとかそういうこと?」


「そうそう」



秘密裏の依頼とはいえ、町のガードたちの隊に紛れ込んでいたのだ。


町を出て来る時に他のガードたちに見られていてもおかしく無い。


しかも一緒に居たガードは誰もおらず、残ったのは傭兵一人だけ。


普通なら逃げてきたとか裏切ってきたとか、疑われてもおかしくは無い。



「大丈夫よ。もう壊れちゃったけど、最初に来ていたローブは認識阻害の魔法がかかってたの」


「……認識阻害?」



ん?ソウが知らないのか?


大体の魔法ならソウが分かると思ってたんだが。



「それを着た人を分かりにくくする魔法ね。って、ソウが知らないの?」


「……違う、最初から丸分かりだったから」



ああ、そういえば、魔法の才能が高いと、そういった魔法にかかりにくいって聞いたな。


うらやましい限りだ。


……あれ、まてそれなら。



「最初から相手の種族とか性別とか分かってたって事?」


「……?分かってなかったの?」



きょとんとした風に聞きかえすソウ。


それを見て、俺とユエはまったく逆の理由で力が抜けてしまった。



「教えて欲しかった……切実に」


「あははは、あ、危なかった……切実に」


「……分かってると思ってた」



まあ確かに、自分がぱっと見て分かっているものを、他の人が分からないとは思わないだろうけど。



「魔法の使えない俺に何を求めているんだ」


「……でも、トキ」


「今度からは分からなかったら言うから、教えてよ」


「………ん、わかった」



今回に関していえば、たぶん相手がどんな敵か分かっても戦略に大した違いは無かったけど。


そういった意思疎通は大事だ。


たとえ、それが一緒に居るのがほんの少しの時間だったとしても。



「まあ、とにかく、町を出るときは全員そのローブを着てたから、今の状態なら問題ないはずよ」


「そうか、大丈夫ならいいんだが、よく代えの服なんてあったな」



今回の何回かの戦闘で、中までぼろぼろになっているのを確認していた。


今は大分真新しい旅装束だ。


少なくとも破れている箇所は見当たらない。



「町の外に出るときは、最低でも一着は変えの衣装を持っていくからね」


「……なんで?」


「女の子には色々とあるのよ。というかソウ、あなたは分かりなさい」


「……?」


「あとでたっぷり教える必要がありそうね……」


「……トキ、助けて」


「ボディーガードがその程度で助けを求めるなよ……」


「……戦闘以外はふくまれてないもの」


「都合のいいな、おい」



大体、女の子云々は俺には分からん。


教えてもらえるうちに、歴戦の傭兵のユエから確り教えてもらうといい。


きっとこんな機会は早々無いだろう。



「まあ、最低限の準備以外は、他の町でって事になりそうだけど」


「確かにな」



あまり長く居ても、領主に見つかると面倒くさい。


多少気になる事もあるが、最低限のやる事をやったらさっさと次の町に行ったほうがいい。






そうして話しつつ移動していれば、もう町がすぐ近くまで来ていた。


まあ、町と行っても、昔の大きな町をベースにした少し広めのスペースと行ったところか。


コンクリートのビル群に、申し訳程度の高さで古くなり脆そうな白い壁面。


もうしっかり整備できる人が少なくなってから大分経っているので、あちらこちらにひびなんかが出来たコンクリの建物が見えている。


もちろん、新しく立てることも不可能ではない。


大体その土地の領主なんかは自分の家は新しく建てるものだ。


この土地は安全だ、と迎える住人たちに示すためである。


まあ、最低でもそれから数十年、本当に安全なら住人たちも新しい家を建て始める。


それが集まると都市となる。って前々回の師匠が言っていた気がする。


この町はまだそこまではいっていない。


精々が、気の早い住人が数人家を建てたってところか。


そいつらには悪いが、この町は終わらせてしまおう。


えーと、なんて名前だっけこの町。


領主がアルベルド卿ってことしか覚えてなかった。


考え込んでいると、ユエが案内してくれていた。



「そこの門を越えるとホワイトポートの町よ」


「ああ、それだ」



そんな名前だった気がする。


まったく、白い経由点みたいな名前を着けて中身真っ黒とか、性質の悪い事で。



「……何が白いの?」


「コンクリの白い壁が名前の由来だったはず」


「曖昧だな」


「仕方ないでしょう、私だってそこまで長く住んでるわけじゃないの」



精々数ヶ月ってところよ、と肩を竦めるユエ。


確かに名前の由来なんて、気になって調べない限り必要なことじゃないと納得する。



「ほら、とりあえず私の行きつけの宿に行くわよ。今日はしっかり休みましょう」


「そうだな」


「……ん」



俺とソウは深く頷く。


俺はまだ体中痛いし、ソウも本調子ではない。


もう真夜中に近いし、今日はゆっくりと休みたいところだ。




作者 「ハイ、どうも皆さんこんにちわ。後書き対談のお時間です」

トキ  「お付き合いできるお方はよろしくお願いします」

作者 「と言う事で、神社から出発しました」

トキ  「ホントにそれだけな。いよいよ進まなくなって来てないか?」

作者 「ううう」

トキ  「少し考えれば分かる事なんだよ。一謹で小説も掛けないとか言ってるのにゲームなんか出来るわけ無いだろう」

作者 「ホントにまったく手をつけられないとか考えてませんでした」

トキ  「結果どちらも中途半端ー」

作者 「申し訳ないです」

トキ  「本当に思ってる?」

作者 「思ってます」

トキ  「ならば、ならば出来るはずだ、何でも、焼き土下座でも、反省の心があれば……」

作者 「と言う事で、今回は徒歩と会話の回ですね。説明会となっております」

トキ  「ああ、もう茶番は終わりなのね」

作者 「現在の町と言うのが作中でも触れた通り、領主がまず拠点を造り、廻りに移動式の家が立ち並んだ集落のようなものです」

トキ  「他には過去の遺物のようになったビルや建物を改装してそのまま使用している人とかだな」

作者 「建造技術などはまだ一部の人が受け継いでいるため、建てようと思えばビルだって建てる事が出来ます」

トキ  「本当に都市なんて言われているところは、大型住宅や建物の立ち並ぶ商店街なんてところもあるな」

作者 「領主なんかはそおいう建築家を呼んで派手な自分の家を造っているわけです」

トキ  「派手すぎると魔物なんかも近寄ってくるから、行き過ぎないことが重要だな」

作者 「逆に目立てば人が呼び込めるため、一丁いったんな感じですね」

トキ  「ちなみに、目立ち過ぎれば逆に人も寄っても無いため、やっぱり次長は大事」

作者 「どんな魔物でもかかってこいって感覚ならいいんですけどね」

トキ  「過去の英雄王や魔王の居城なんかはかかってこい方式だったと聞くな」

作者 「過去の人はとても強かったのです」

トキ  「今の人は?」

作者 「過去の人の平均を10として、平均3くらいですかね」

トキ  「弱いなー」

作者 「一応、届く人は過去のトップクラスの実力を持つことも出来て居ます」

トキ  「ちなみに、魔法ちーとなソウはどのへん?」

作者 「7か、8か。もしかしたら6かもですかね?」

トキ  「低いな!?」

作者 「彼女に必要なのは経験です。臨機応変さに欠けて居ます」

トキ  「ちなみに俺は?」

作者 「魔法が使えないので4か5に届くかどうか、場合によって10を倒しうると言ったところです」

トキ  「……意外と差はないのな」

作者 「だって、あなた、今のソウと戦えば勝つでしょう?」

トキ  「………そうだな」

作者 「そしてあなたはソウに対して相性が良すぎるのです」

トキ  「そうなのか?」

作者 「まあ、成長しだいと言ったところですが」

トキ  「あいまいだな」

作者 「あーいまーいサーセン。でもきっと大丈夫です」

トキ  「ちなみに」

作者 「はい?」

トキ  「経験を積み切ったソウならどの変?」

作者 「1000」

トキ  「桁がおかしい!?」

作者 「あくまで過去の戦闘者の平均ですので、平均こしていればそうなります」

トキ  「ちなみに英雄王なんかは?」

作者 「過去の最高値である英雄王、魔王は900ですね」

トキ  「うげー、ソウってばそれ以上とか」

作者 「あくまで経験を積みきればですがね」

トキ  「あ、じゃあ今のユエは?」

作者 「10ですね。彼女の強さが過去の平均レベルと言っても良いでしょう」

トキ  「成長したら?」

作者 「400ってところですか?」

トキ  「あ、割と高い」

作者 「回復も得意なら600はありましたね」

トキ  「あー、回復ないのはでかいな」

作者 「それでも十分な才能と言えるでしょう」

トキ  「……なんで戦闘力の話しになったんだっけ?」

作者 「……過去の町が何とか、だったような?」

トキ  「話し戻すか」

作者 「いや、別に戻さなくてもいいんですけど」

トキ  「話し進まないから戻すぞ」

作者 「はいな」

トキ  「町に着いて、だったな」

作者 「あー、と、そうですね。そんなわけで、この時代の町ってのは信頼なくすとあっという間に瓦解するわけですね」

トキ  「安全じゃない町に居る意味は無いからな」

作者 「それなら移動できないけが人や老人はどうするかと言いますと」

トキ  「この世界、その辺は助け合いだ。と言うか、怪我ならとにかく老人なんかはそういった奴はほぼ居ない」

作者 「家族が居るとかでないなら動けなくなればこの世界で生きてはいけません」

トキ  「自らおとりになったり、誰にも気づかれず亡くなったり」

作者 「その程度には人々は追い詰められています」

トキ  「でも意外とたくましいわけだ」

作者 「自分でよりどころを探し回る程度にはたくましいわけですね」

トキ  「一箇所に集えばいいのに」

作者 「一番上が信用なら無いって言うことを良く知って居る人たちは偏狭に集います」

トキ  「……つまり信用している奴らが集っている場所はあるわけだ」

作者 「その場所が都市となった場所ですね」

トキ  「やりきった人たちの居城と」

作者 「……はじめから信用していないようなそんな口ぶりですね」

トキ  「権力を持った人ってのは信用なら無いよ」

作者 「それを君がずっと思っていて欲しいところです」

トキ  「なんたって自分がそうなったら信用なら無いからな」

作者 「……さて次回」

トキ  「あれ?何でそんな呆れてんの」

作者 「次回は短いです!」

トキ  「言い切ったなおい」

作者 「今週全然書けていないんで!」

トキ  「なんでお前が切れ気味なんだよ?」

作者 「何なら宿に泊まるだけレベル」

トキ  「……話しすすまないな、本当に」

作者 「伸ばせれば伸ばしますけど、もうすでに半分二章見たいな動きになっているので」

トキ  「二章?」

作者 「色々と世界を見て廻ると言うコンセプトなので」

トキ  「本当に意味で旅、って訳だ」

作者 「その通り、と言う事でこの辺できりますか」

トキ  「唐突な」

作者 「眠い+これから仕事」

トキ  「まて、その二つは一緒に居てはいけない理由だ」

作者 「さて、次回も終わらない夢の中でお会いしましょう」

トキ  「お疲れ様でした」

作者 「……どうしよう」

トキ  「どうしようってお前」

作者 「もう、ねながら仕事するしか」

トキ  「危ないよ!?」


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