第12話
―――気がつけば、先ほどまでの場所だ。
お腹の痛みは和らぎ、そちらを見ればなにやらぼんやりと光っている。
……これは、傭兵にもらった石。
どうやら、彼女の切り札と言うのはいざと言うときの蘇生手段だったらしい。
蘇生手段、といってもお腹の痛みを和らげる程度らしく、ぎりぎり死なずに済んだってところか。
だが、どうにか、動ける。
ならば、やる事はひとつだ。
辺りを見回せば、もう敵とソウの姿は見えない。
そして赤々と燃える神社の中に、ぽっかり開かれた”なにもない”への道。
おそらく、奴らはそこに居る。
刀は……ああ、すぐ隣に突き刺さっている。
多少熱いが、意識を保つにはちょうどいい。
俺は、奴らに気づかれぬようゆっくりと、”なにもない”へと向かっていく。
***
「……トキ……ときぃ」
トキが刺され、力無く床に転がったとき、わたしは猛烈な後悔に襲われていた。
わたしが、あの時逃げる事に同意していれば。
わたしが、あの時トキの言う事を聞いて立ち止まっていれば。
わたしが、あの時自分ひとりの魔法に頼らず、トキを待ってから動き始めていれば。
わたしが、あの時、、、、、
「この娘は」
「この様子じゃまともに口もきけんな。とりあえず縛って連れて行け。この魔法力は貴重だ」
「はっ」
トキの元に駆け寄りたいのに、押さえつけられ体は言う事を聞かず。
どれだけ力を入れても動けはしない。
口の中はからからに乾き、目からは何かの雫が流れ出る。
心が自分のモノではないかのように騒ぎ出し、何かを考えないといけないのに、意識はずっとトキを向く。
……一体、どれくらいそうして居ただろうか。
辺りには先ほどトキが倒した一人以外全員が揃い、”なにもない”への道を探している。
わたしは縛られ、口をふさがれ、床に転がされている。
やがて一人が隠し通路を見つけたようだ。
「ありました。おそらく、この下です」
「良くやった!皆、行くぞ!」
わたしは縛られたまま、引きずられるように連れて行かれる。
不思議なほどに、何もする気が起きない。
”なにもない”を守らないといけないのに、触れてはいけないと伝えないといけないのに。
いっそ、”なにもない”がすべてを飲み込んで、本当に何も無かったかの様にしてくれないかとすら思ってしまっている。
トキは死に、わたしは魔法も使えず敵に縛られ身動きも取れない。
そうだ、どうしろと言うのだ。
そう、どうしようもないのだ。
もう、わたしがどう動こうと、結果は変わらない。
「……なんだ、これは?」
「これが、アルベルト卿が欲したもの……?」
「いや、物なのですかこれは」
「それより、これは持ち運べるものなのか?」
あれを見ると、大体皆同じような反応をするらしい。
たしか、トキも似たような反応をしていた。
敵の一人が長剣で恐る恐る”なにもない”に触れる。
いつかの木の棒と同じように、長剣は真っ黒に染まり、崩れ落ちてしまう。
「なんてこった、俺の剣……給与5か月分が……」
「ちっ、防御術式と言うことか……?」
「防御術……?」
外にはこんな防御魔法が存在するのだろうか?
少なくともわたしにはこの現象は防御魔法のようには思えない。
此処には魔法の要となる精霊がまったく居ないのだから。
と、そこで隊長がわたしの猿轡を剥がす。
「小娘、こいつはどうやって動かす?」
「……知らない」
「しらばっくれるんじゃない!」
「……知らないものは知らないもの」
何かあってはいけないと、近くで魔法すら使った事が無いのだ。
触れもしないこの”なにもない”の移動など考えたことも無い。
いくら脅されても何も知らないのだから教えようも無い。
「ふん、教える気はないと言うことか」
「生意気な!」
知っていたとしても教える気も無い。
”なにもない”に何もかも飲みこまれてしまえばいいのだ。
……?隊長が歩いてくる。
「ならば、こうするだけだ」
「……ぐぅ…っ?」
首を絞められ、持ち上げられる。
このまま殺されるのだろうか?
このまま、トキと、同じように……。
ふと、トキの倒れた瞬間、目が閉じられる瞬間の彼の姿が思い浮かんだ。
……いや、違う。
こんなの、同じじゃない、トキの目は閉じられるあの瞬間まで、死んではいなかった。
最後まで、諦めることなく戦っていた。
魔法が使えないと言う、圧倒的なまでの地力の差がありながら、技術や小細工で相手を上回っていた。
自分はどうだ?
魔法が使えず、トキが死んだというだけで何もかも諦めて、守るべき”なにもない”に全て飲み込まれてしまえなど思ってすらいる。
これは、本当にトキと同じなのか?
……絶対に違う。
ならば、ならばどうする……?
「……導くは……憤怒の光……」
「隊長、こいつ詠唱を」
「ふん、魔法も使え無いのに詠唱したところで何の意味がある?」
「……充たすべきは……絶望の闇明……ぐぁ」
「お前を持ち上げたのは、首を絞めるためではない」
なら、力をこめるな、離せ、苦しい。
手足が縛られているので、もがくことしか出来ない。
それでも、残った息で詠唱を紡ぐ。
「……時空の彼方の、幻想よ……遥か此方へ、時を越え……」
「まだ詠唱を続けるか。まあいい、お前を持ち上げたのはこうするためだからな」
「……っ!?」
”なにもない”に向かって持ち上げられる。
どうやら、触ってどうなるか分からないのならわたしで試してやろうと言う腹らしい。
必死にもがくが、締め付けが強くなるばかり。
詠唱を、急ぐしか……っ。
「こちらに協力する気の無い戦力を残す意味も無いからな」
「……場所を、変え……今この場に、顕現せよ……ぁ」
「ふん、思い知れ、今、お前は、無力だ」
駄目だ……間に合わない……”なにもない”に触れるっ。
―――瞬間、すぐ隣を風が過ぎる。
「悪いな」
「なっ、き、貴様!?」
気づけば、目の前にあったはずの”なにもない”は真っ二つに―――
―――いや、関係ない。
驚きで隊長の手が緩んだ。
これなら―――
「……祖は遍く全てを破壊せし創世の極光―――ニュージェネレイトビッグバンっ」
***
―――ソウっ。
”なにもない”の部屋にたどり着けば、ソウは首を絞められ掲げられている。
それも”なにもない”のある場所に向かって。
状況は、なんとなくだが理解できる。
おそらく敵は、ソウに”なにもない”の奪い方を尋ねたか何かしたんだろう。
ソウはそれを拒み、敵は自分がピンチになれば何かしらアクションをとると考えたんだ。
でも、そんな状態でもソウは諦める様子は無い。
あの目は良く知っている。
戦場で、決死の覚悟をした奴がする目だ。
自爆特攻でもして、ざまあ見ろと笑って死んでいく奴の目だ。
おそらく、何も言わずに”なにもない”に触れて死ぬつもりなのだろう。
”なにもない”を守ると言うのなら、確かにそれは一番確実な方法だ。
ソウの目的を尊重すると言うのなら、俺は黙ってこの場を去るべきだろう。
……でも、俺は、ソウに死んでもらいたく無い。
たとえ、ソウの大事な”なにもない”を失ったとしても。
例え、それをする事で俺がソウから一生恨まれたとしても。
其れならばどうする。
この、ぼろぼろの体で、あの魔法使いたちとまた戦うのか。
―――ふ、簡単な答えだ。
足音を経てずに、走る。
炎に焼かれ、殆ど動かぬ右手は腰だめに、刀を納刀状態で構える。
左手は刀の柄に、軽く触れる程度。
敵最後尾まで残り、10m―――未だ気づかれない。
鋼の鞘の熱で、右手が焼けるような痛み―――無視。
敵最後尾まで残り、5m―――最後尾が違和感を感じ、振り返ろうと動き出す。
速度を最高速まで一気に上げる、すでに感覚の無い脚が悲鳴を上げる―――無視。
敵最後尾まで残り、0m―――隊員は、反応しきれていない。
ソウの元まで残り、3m―――隊長がソウを”なにもない”に押し込もうと動き出す。
右手で刀の鍔を弾き、その勢いと共に一気に刀を引き抜く―――”なにもない”まで後、一歩。
ソウの真横―――
「―――悪いな」
「……っ!?」
「な、き、貴様!?」
刀に魔力を篭める。
形の無いものでも斬れるその刀を、引き抜いた勢いのまま、”なにもない”の中心部へ。
逆に俺が侵食されるかとも思ったが、そんな事は無い。
考えたより呆気なく、本当になにもないかのように、”なにもない”を真っ二つに断ち切った。
断ち切った瞬間、大量の寒気が、俺の中に入ってきたような、そんな違和感を感じるが、まあいい。
これで少なくとも”なにもない”を奴らに奪われる事は無くなった。
あとは、あいつらをどうにかするだけ、と振り向きざま―――
「……祖は遍く全てを破壊せし創世の極光―――ニュージェネレイトビッグバンっ」
―――極光が視界を埋め尽くした。
「ちょ、おま!?」
下ろしかけていた刀を全力で振り上げる。
見る限り、こいつは魔法だ。
発動状態のこの刀なら、斬る事だって―――
……これ、持続して攻撃があると俺、今度こそ死んだかなぁ。
―――光を断ち切った後、世界はまるで止まったかのようなスローモーションとなる。
景色は白黒に染まり、光の後に来る爆風も目に見える。
俺は刀を返し、再び振り下ろそうとするが、自分もスローモーションだ。
どうにか向かい来る大爆発に振り下ろしを合わせ、自分に当たる範囲を絶ち裂いた。
そして、通常の速度、色に戻る世界。
幸い、持続したダメージは無く、爆風に吹っ飛ばされるのみで何とかなった。
出来なければ死んでいただろうから、これは火事場の馬鹿力と言うやつだろうか
吹っ飛ばされ、崩れてきた瓦礫の中に生き埋めとなる。
思ったより速く崩落も終わったようで、なんとか這い出られる程度の重量で振動は終わった。
「―――い、たたた」
爆発が収まり、瓦礫から出ると、景色は一変していた。
何も無くなっていたのだ。
具体的に言うのなら、地下にいたはずなのに空が見える。
何か大きな爆発があったのかのように、倒れているソウを中心に神社があったくらいの大きさに地面がえぐれ、大きなクレーターとなっている。
辺りを見回せば、無事なのは俺の後ろ、刀で断ち切った角度の部分だけ全てが残り、後は綺麗な土の断面。
当然のように敵は全て消え去っている。
そりゃそうだ。
建物も、炎も、何もかも消滅したかのようにえぐれている。
生き物が生きていられるわけが無い。
俺はふらつく体に鞭打ち、倒れたソウの元に歩み寄る。
仰向けになったソウがこちらに目を向ける。
ソウの体を縛っていた縄は、今の魔法の衝撃で千切れ飛んだ様だ。
一緒に、ソウの服も大半が千切れ飛んでいて肌色が目に悪い。
「……トキ?……ほんとに、トキ?」
「おう、ほんとのほんとにトキさんだ」
「……生きて、るの?」
「誰かさんのおかげでもう一度死ぬかと思ったけどな」
「……トキっ」
「おっとと、元気だな。おまえ」
飛び上がるようにして俺に抱きついてくるソウ。
魔力を一気に使った所為か、力は尋常じゃないくらいに弱いが、動くことに支障はないようだ。
心配で強張っていた体の力が抜ける。
「……トキ?」
「ああ、いや、ソウのほうは、怪我は無いか?」
「……大丈夫。トキの怪我のほうがすごい」
「まあ確かに、ちょっと、その辺で一度寝てもいいか?」
「……だめ、今寝たら、トキはもう目を覚ませない」
でも、気が抜けたら、意識が、うつらうつらと……。
「……歩ける?」
「あ、ああ、歩くのは大丈夫だが」
「……水場で、一度あの水を洗い流すから、そこで治療する」
「すっからかんの魔力で?」
「……」
「あと、おそらくだけど水場も消滅してるぞ?この爆発範囲だと」
「……」
そう、先ほどの爆発のクレーターは、この神社一帯分の大きさだ。
今まで暮らしてきたほぼ全てが無くなっていると考えて良いだろう。
残っているのは俺の後ろにあった一角、おそらく母屋の一部分のみだ。
「大体、あの魔法は何なんだ?魔法、使えなかったんじゃないのか?」
「……極位の一、極絶と呼ばれる魔法の極意。残った魔力全てつぎ込んで、相打ち狙いで」
「……悪いな」
自分がやられた所為で、そこまで思いつめさせてしまったと、心苦しくなり頭をくしゃりとなでる。
「……ん」
「後もうひとつ、”なにもない”の事だけど」
「……大丈夫、残ってる」
「残ってる?」
見る限りはなにもない。
あの時完全に刀で叩ききったと思ったけれど、何が残ったと言うのだろうか
「……ん、ここ」
ソウは俺胸に手を当てる。
俺?
「……と、ここ」
そして自分の胸に手を当てる。
……?
お宝は自分たちの心の中に、みたいな話しだろうか。
「……あれは、女神の欠片。もともと形は無くてただ留まっていただけものだから、入れ物を斬られた瞬間近くの入れ物、つまり私たちの中に入ってきた」
「あー、つまり、俺の刀は女神の欠片を斬った訳ではなく、その入れ物のようになっていた、外郭部分のみを斬ったと言う事か?」
「……ん」
「それだと、あの隊長にも?」
「……本当にすぐ近く、本当なら斬った本人のみだったと思う」
……偶然にも、触れそうな位置に二人存在したと言うことか。
どちらにせよ、隊長も何も居なくなっているわけだし、関係ないか。
「ああ、そうだ、ソウ」
「……ん」
「こいつを、飲みな。多少の魔力、くらいなら回復、するはずだ」
「……これ」
俺は懐から最後の虎の子、回復の魔法薬を取り出し、ソウに手渡す。
「……こんなのがあるなら、自分で」
「悪いが、その程度じゃ、もう、無理だね」
「……トキ?」
傭兵にもらった石のおかげで、どうにか此処まで持ったようなものなのだ。
もう手持ちの回復薬ではどうにも手遅れな状態まで来ている。
お腹をみれば、当の昔に傷口は再度開き、足元は血塗れている。
……ああ、そう言えば、傭兵は生きてるのかね?
生きていれば、後で、お礼を……
「……トキ?……だめ、寝ちゃだめトキっ」
ソウの珍しい大声と、二度目になる泣き顔を最後に眼に焼付け、俺はまぶたを閉じた。
「……トキ!だめだよトキ!トキぃ!」
作者 「トキ、再び死す!どもー後書き対談の時間になります」
傭兵 「よろしくお願いします。……と言うか私も生死不明よね、これ」
作者 「あ、大丈夫、君は生きてます」
傭兵 「うれしいような、そうでもないような」
作者 「じゃないとここで相手が居なくなっちゃいますもん」
傭兵 「やっぱりか!」
作者 「まあ冗談はさておき」
傭兵 「絶対冗談じゃない……」
作者 「さておき。今回は決着回となりました」
傭兵 「そうね。これで戦闘回は一段落?」
作者 「この章はほぼそうなりますね。あ、いや、気力しだいではもうちょっとだけ続くんじゃよ」
傭兵 「どんな感じに?」
作者 「たぶん完全蛇足になりますが、この後の町での物語り」
傭兵 「あー、あの町はもう終りね」
作者 「そこをどこまで書くかなーと考えている最中なので」
傭兵 「ふうん」
作者 「と言う事で、今回の解説と行きましょうか」
傭兵 「そうね。今回は、まあ、知ってたけどトキが蘇生ね」
作者 「まあ、大方予想通りとなりますが、大体傭兵さんのおかげ」
傭兵 「あの石、結構高かったのだけど、たぶんもうだめね」
作者 「文句はトキにどうぞ」
傭兵 「まあ、生きていたらそれを交渉材料には使うわ」
作者 「ちなみにあの石の詳細は?」
傭兵 「蘇生の魔宝石ね。瀕死の重傷を受けたときに発動する、HP1回復する緊急回避の魔宝石ね」
作者 「すぐに効果があるわけではないの?」
傭兵 「ラグが暫くあるわ。其のラグは場合によりけり、辺りに生き物が居なくなったらって感じね」
作者 「魔獣なんかにやられたら?」
傭兵 「其の場合は転移結晶をもっていくわ」
作者 「……それらって結構高いですよね?」
傭兵 「そうね。一つ買うだけで家ひとつ分くらい」
作者 「金持ちがいる!?」
傭兵 「ただ、結晶や魔宝石は何度も使えるし、死ぬよりは大分ましでしょう?」
作者 「まあ、確かに」
傭兵 「まあ、私は殆ど使ったことも無いけれどね」
作者 「安全な依頼ばかりだったと」
傭兵 「実・力・です!」
作者 「さて、後はいよいよ”なにもない”を斬りましたね」
傭兵 「そこでスルーするんだ」
作者 「こうして”なにもない”が消え去る事はほぼ最初のほうから決まってました」
傭兵 「……なんとなく、そうなるとは思っていたわ」
作者 「方法は決まっていなかったけど、このたびはトキの剣が原因と言うことで」
傭兵 「でも”なにもない”自体は切れていないわよね」
作者 「当たり前なのです。いくらユニークアイテムでも女神の欠片が切れるわけ無いのです」
傭兵 「……結局本当に女神の欠片なの?」
作者 「さてはて、少なくともあの刀で切れないものと言うのは確定です」
傭兵 「どの程度切れるのかが良く分からないからなぁ」
作者 「まあ、その辺はおいおいですね。大分ちーと武器ですよあれ」
傭兵 「く、ちーと武器、私もほしい」
作者 「あの魔宝石も大分ちーとさんな気がしますけど」
傭兵 「ただでほしい」
作者 「あるか!?」
傭兵 「まあ、分かっちゃいるけどね」
作者 「可能性があるとするなら、見習いのアルケミストにお金渡して適当に作ってもらうくらいしかないかと」
傭兵 「……ずいぶんと可能性の低い賭けね」
作者 「トキの武器はそういった類のモノです」
傭兵 「ま、あれは普段あんまり使えないからいらないけどね」
作者 「たしかに。と、さて、いよいよ、おそらくメインの説明ですね」
傭兵 「ああ、あのソウが放ったふざけた魔法ね」
作者 「あの魔法は、【魔法】と言うくくりの中で最強と言われるもののひとつになります」
傭兵 「……極位って事?」
作者 「正確にはその上、”極絶”と過去は呼ばれていました」
傭兵 「……またそうやって設定増やす」
作者 「いや、最初から考えてましたよ!?後付けとかではないです」
傭兵 「いいけど、それで、その極絶ってどんな魔法なの?」
作者 「過去呼ばれていたって言いましたけど正確には魔法の呼び名ではないのです」
傭兵 「過去って事は、魔術とか法術って事?」
作者 「そう。それらを極めきった人が使えた個人専用の術式。まあ憑き精霊の奥義とも言えますかね」
傭兵 「ああ、憑き精霊の本領って事ね」
作者 「はい、過去の大崩落は、英雄王と魔王の極絶が正面からぶつかり合った結果と言われています」
傭兵 「え?核兵器みたいな感じでは無かった?」
作者 「まあ、その二人が核兵器みたいなものって言うのは正しいですが、それが真実」
傭兵 「……ちなみに、それらの本来の威力は?」
作者 「まあ一人ではなって数キロ範囲内を消滅させるとかそのレベルです」
傭兵 「それがぶつかり合って、数百キロ消失?」
作者 「塵ひとつ残りませんでした」
傭兵 「ちなみに、今回はソウが本調子ではなかったと言う事であの程度だったわけで」
作者 「本領発揮で森全て消失していたでしょう」
傭兵 「良くやった隊長!いや、何でそこまで追い詰めた隊長!?」
作者 「まあ、どちらにせよ時のあの行為である角度の範囲は無事だったわけですが」
傭兵 「良くやったわトキ!」
作者 「さて、あとは……」
傭兵 「なんか女神の欠片とやらがトキとソウの中に入って言ったけど」
作者 「ソウの新たな力となります」
傭兵 「またあの子強化するの!?」
作者 「ちなみにトキはほぼ意味ありません」
傭兵 「不憫!」
作者 「まあ、その辺もおいおいですかね。たぶん本編でそのうち出るでしょう」
傭兵 「隊長の財布のように忘れ去られなければ良いけど」
作者 「……あ”」
傭兵 「……本気で忘れていたのね」
作者 「……さーて、次回の予告はです」
傭兵 「完全にごまかしに入ったわね」
作者 「次回は、談話会?この後の町にいくまでの閑話と言ったところですかね」
傭兵 「いったいどこで一章を区切るかって話しね」
作者 「たぶん、この件が完全に終わった辺りで一章を区切り、本番の閑話を書き、一度丸々手直しを掛けます」
傭兵 「手直し?」
作者 「大分色々酷いので、全部治します。たぶん休みつぶして一週間くらいで」
傭兵 「……一週更新無しって事?」
作者 「それはそのときの勤務と気力に相談です」
傭兵 「……ちなみに今週は?」
作者 「やっと夜勤なので進めますよー」
傭兵 「つまり、いいわけが出来ないと」
作者 「いいわけもなにもないです。本気で今週は色々書きます」
傭兵 「張り切ってるわね」
作者 「あとは先輩ちゃんこーはくんも書きます」
傭兵 「最近そっちを良く更新しているわよね」
作者 「あんな話も結構好きなのです。マッカン飲みつつ」
傭兵 「いろんな意味で糖尿病になりそうね」
作者 「あれ?君はお好きでない?あんな話し」
傭兵 「……ノーコメント」
作者 「まあ良いですけどねー」
傭兵 「せいぜいがんばって書きなさいな。どうせ来週はトキが戻ってきて私は来ないのだから」
作者 「さてはて」
傭兵 「……こないわよ?」
作者 「まあ、来週は、ですね」
傭兵 「止めなさい不吉ね」
作者 「さて、今週はこの辺で、次回も終わる事の無い夢の中でお会いしましょう」
傭兵 「ここまで読んだ方、お疲れ様」
作者 「いや、ほんとにお疲れ様です」
傭兵 「……自分で書いておいてこれだモノね」
作者 「後書きはほぼ一気に書くから見直さないので」
傭兵 「……見直しを入れればいいだけの話じゃないの!?」