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夏の始まり
「真姫!」
聞き慣れた声が聞こえた。
琴葉だ。
彼女とは小学生の頃からの友達。幼馴染ってやつだ。
「明日、水泳の県総体があるけど見にいかない?」
…出た。
このパターンはだいたい、かっこいい人でも発見したのだろう。
まあ暇だし、付き合ってやってもいいか。
「いいけど…今度は誰目当て?」
「え〜!誰も男目当てとは言ってないのに!
…でもやっぱ真姫にはバレちゃうか〜(笑)」
…結局、男目当てなんだ。
でも彼女の事は好きだ。
こんな地味な私と仲良くしてくれる。
むしろ、彼女の積極的な所や、明るい所に憧れているのかもしれない。
「じゃ、明日の10時に県立プールに来てね!」
彼女の明るい声が響いた。