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1 世界
ものには色があって然るべきだ。
まっすぐに伸びる木々の葉は鮮やかな緑、野を駆ける兎は真っ白に輝き、
そして青紫のイソトマが咲き乱れる。
この世界には色がある。
まさか木々は真っ白で、兎の身体からは色素のない粉があふれ落ち、
粉末と化したイソトマなどあってはならないのだ。
そんな世界は神の創り間違いだ。
では僕の生きるこの世界はなんと表すればいいだろうか。
決まっている。
間違いなくこの世界は
神の創り間違いだ。
時間のある限り少しずつ書いていきます。