Before Dawn -for each people-
***
荒い息を何度もはいて、夜の森を駆け抜けた。道筋なんて知らない。ここがどこなのかも分からない。自分がどこに行こうとしているのかさえ。
それでも自然と、足は家へと向かっていた。
「っ……!」
ばたんっと扉を勢い良く開けて、家の中に飛び込んだ。そのままどこへ向かうという訳でもない。駆け込んだ勢いのまま真っ直ぐに進めば薬草の入った籠の置かれたテーブルがあって、そこで立ち止まって両手をついた。
扉は、開いたままだ。それでも入り口に背を向けているせいか、部屋の中が随分暗く感じた。月明かりが届かない分、もしかすると森の中よりも暗いのかもしれなかった。何も見えないわけではない。たくさんの本の詰まった棚も、片付けられた簡素な調理場も、ベッドのある隣の部屋へ続く扉も、薄暗い中でぼんやりとその輪郭を浮かび上がらせている。これだけ見えれば十分物にぶつからずに部屋の中を歩くことが出来るだろう。そうソラはぼんやりと思う。思う、けれど。
それでも、暗い。暗かった。夜の闇だけではない何かが部屋の中に滞っていて。息を吸い込む度に入り込んでくるそれが胸の奥に凝って。
まるで、あの日のように。
そう思った瞬間、喘ぐように空気を何度も吸い込んでいたソラは、ぶるりと身を震わせて、片手を口に当てた。
「っ……ぅ……!」
こみ上げる猛烈な吐き気にずるずると身を折ってしゃがみこむ。きぃん、と耳鳴りがした。頭が割れんばかりに痛む。それに思わず目をぎゅっと閉じれば、その瞬間に胃からこみ上げた苦いそれが指の隙間からこぼれ落ちた。
「ぅ……っぐ……」
一度吐き始めれば止まらない。床についた手を震えながら握りしめ、汚れるのも構わず吐き続けた。鼻をつく独特の臭い。ぽたぽたと零れ落ちる熱い液体。
そうだ。あの日もそうだった……ひとしきり吐き終えて、酸素を求めてぜいぜいと喘ぎながらソラは思う。
あの日もこうして闇雲に駆けまわって、どことも知れない場所でうずくまったのだ、と。
真っ赤な血に染まった両手のまま。
「――ソラ」
もう何度目か分からない自分を呼ぶ声。そうして小さな足音一つ立てて戸口に響いた静かな音に、ソラはびくりと体を震わせた。
その声がリューのものなら、いつものように無視することも出来ただろう。
その声が村人のものなら、どこかへ行けとすごんでみせることも出来ただろう。
けれどそのどちらでもなくて……だからソラは床の上についた手を握り締め、重い口を開く。
「……なにしに、来たんだよ……」
「…………」
答えは、なかった。答えたくとも答えられないという意味なのか。はたまた、答える気さえないということなのか。彼女の性格を考えるなら前者だろう……思ったソラの口元が自然と歪む。
いかにも彼女らしい。ご立派なことじゃないか。
目的ははっきりしているだろうに、それを口にしない辺りが。嘘を吐く代わりに口を閉ざすことを選ぶ辺りが。
自分と違ってどこまでも間違えようとしない、まっすぐすぎるその態度が。
「……どうせ心の中で笑ってるくせに」
不愉快な気持ちのまま、気付けば唇を動かしていた。転がり落ちた言葉は思った以上に低く乾いていて、響くこともなく闇に消える。そうして一つになって、より一層空気に重みを足す。
そうあって、やっと返事があった。違う……そんな感情を伺わせない声は、それでも決定的に自分のそれとは異なっている気がして、ソラの心はますます荒んだ。
「何が違うって? 嘘吐くなよ。どうせ村のやつらに頼まれたんだろ……僕のことをどうにかしろって」
「……違う」
「じゃあ、何? 自分から僕を殺しに来たわけ?」
「……違う」
「っ、違うはずないだろ!!」
一向に変わらない返事に、ソラは業を煮やして叫んだ。彼女が口を噤む。それにますます腹が立ったソラはいい加減にしろよ! と拳を握り締めた。
「僕のことを責めに来たんだって正直に言えばいいじゃないか!」
「……違う」
「はっ……! なら慰めにでも来た訳!? 人殺しにまで情けをかけるなんて、寛大な心を持ってるんだね!」
「……違う」
「ならもう、放っておいてよ!」
ありったけの力を込めてソラは叫んだ。途端に、しんと世界が静まり返る。まるで、後ろに立っているはずの彼女の存在がかき消えてしまったかのように。あるいは、最初から彼女などいなかったかのように。
静かで、暗くて、重い。そんな空気を吸いながら、ソラは怒りを通り越して疲れを覚え始めていた。彼女の意図があまりにも分からなさすぎて。あるいは彼女の頑なに己の気持ちを隠す態度に。
早くどこかへ行ってくれないかな。ぼんやりとそう思う。もう構わないで欲しかった。話すのでさえ億劫だった。彼女はどんなに自分が糾弾したって答えを口にすることはないのだろう。それどころか、少しだって態度が変わることもないに違いない。
ただ、違う、と繰り返すばかりで。
……馬鹿らしかった。
自分自身が。
「…………」
何を、しているんだろう。不意に虚しさに襲われて、ソラは静かに唇を噛み締める。
馬鹿みたいだ。彼女を責めたって仕方ないのに。そんなことをしたって何が得られる訳でもない。何が戻ってくる訳でもない。正しいのは彼女で、間違っているのは自分の方なのだから。体の良い八つ当たりじゃないか。こんなの。
こんなの。
「……だ、めだ」
情けない自分は、さぞ惨めに彼女の目に映っているのだろう。ソラが投げやりにそう思った時だった。そんな声が聞こえたのは。
掠れた声。小さな声。それでも他ならぬ彼女の声が。
違う、ではなく。駄目だ、と。
「……放ってなんか、置けない」
こつ、と静寂に足音が響いた。彼女の足音と言葉で空気が揺れる。それが急に恐ろしく思えて、ソラは思わず身を震わせた。
来るなよ。弱々しく呟く、願いはけれど叶わなかった。
「……思ったんだ。さっき」
「来るな……」
「私は……何も知らなかった、けれど。それでも……」
「来ないで……」
「……それでも、話を聞いた後だって、変わらなかった。変わらなかったんだ」
私が、お前を護りたいって思った、その気持ちに――そう厳かに告げられた言葉に、ソラは目を見開いて悲鳴のような声を上げた。
「っ……! そんなの間違ってる……っ!」
おかしい。そんなの。それは彼女にとって変えられない信念なのではなかったのか。違えてはいけない道ではなかったのか。混乱はそのままソラの弱った心を傷つけた。それともこれさえも嘘なのか。疑問が浮かぶ度、思考が泥沼に嵌り込んでいく。
分からない。分からなかった。何一つ。考えたくもなかった。このまま耳を塞いで、全てをやり過ごしてしまいたい。そう思った。心の底から。
そう、思って。
けれど、聴いてしまった。
分かってる、という彼女の声を。
それでも、という彼女の声を。
「……間違えてもいいと、言ったのはソラの方だ……」
苦しみ、哀れみ、怒り……そんなたくさんの感情をはらみ、泣き出しそうなほど震えたジンの声。それにソラは小さく息を飲んだ。
唐突に、悟ってしまったからだ。
ジンの言葉に嘘偽りなどないということを。
ジン自身も己の気持ちに戸惑っているということを。
そうして。
「――……ソラ、この村から出よう。お前も、私も、世界をもっと知るべきだ」
そうすれば、この気持ちにもきっと答えが出る。そんな消え入りそうなほど小さな声を出しながら、そっと抱きしめてくれた、ジンを。その生き方を。
他ならぬ自分自身の『罪』が、歪めてしまったということを。
「…………っ…………」
そんな全てを痛感して。
ソラはただただ、ジンの腕の中でうなだれた。
***
その場所は、森の中に不意に現れた。
小さな空き地だ。夜の闇を駆け抜けた涼やかな風が周囲の木の葉を揺らし、静かな音だけがその小さな世界を満たしている。
ここはいつだってそういう場所だ。どんなに血が流れようとも、どれだけ取り返しのつかない『罪』を犯してしまったとしても。
かつて一人の姉と一人の弟が、穏やかに時を過ごしていたこの場所は変わらない。
彼らが笑い合い、『希望』が生まれたこの場所だけは。
「――だから、リューは……」
静かに吹いた風は、一人空き地に立ち尽くしたリューの淡い金の髪を揺らしていった。それに彼女は目を細めて言葉を止め……そうして身を折って静かに手を伸ばす。
向かう先は、木の根元に置かれた一抱えほどの小さな石だった。その表面には何も書かれていない。何も刻まれていない。荒野であるならどこにでも転がっていそうな、ほんの少し形の整った程度の石だ。だからこそ森の中で目印になる、なんの変哲もない石。
そんな石に、ただ一つの決意が伝わるよう、想いを込めてリューは触れる。
そっと目を伏せ、伝わるように呟きながら。
『彼女』の……ソラの姉の墓に。
「護る、よ。たとえソラがどこへ行っても」
今頃、傷ついた彼の元にはジンが寄り添っているのだろう。
そんなジンと共に彼の元へ向かうことが出来なかった、自分がこんな誓いを立てるのもおこがましいのかもしれないけれど。
「……今度こそ」
そう、弱い己自身に言い聞かせるように呟いたリューは、祈るようにそっと目を閉じた。
***
一体なんなの! ディアドラはそう憤慨しながら、自分のベッドに身を投げた。
ぎしり、とベッドが軋んだ音を立てて埃っぽい空気を少しばかり舞い上げる。いつものことだ。けれどそれが、また気に入らなくて、ディアドラは小さく呻く。
「なんなのよっ……! ジンさんったら……!」
不満はそのまま、ソラを追って森の中へ消えていったジンへ向かっていた。馬鹿みたい! そうディアドラは思う。
「あいつは人殺しだって、言ったじゃない……!」
追いかけたって、ろくなことなどないはずだ。現に、ディアドラどころか村人の誰もが彼女を呼び止めた。ソラは化け物だけれど、ジンは確かに、彼らにとって『魔物から村を救ってくれた』恩人だったからだ。
それでも、ジンは立ち止まらなかった。
振り返ることさえしなかった。
「……っ、なんなのよ……」
胸の奥がひどく重い。それに苛々しながらぎゅっと瞼を閉じれば、ディアドラが村人達の前で証言した時のジンの信じられない、と言わんばかりの顔が浮かんで、ますます気が重くなった。
どうしてこんな思いをしなくちゃいけないんだろう。自分は正直な感想を言っただけなのに。怖いと、ジンは思わなかったのだろうか。ジンと違って、何の力も持たない自分にしてみれば、ソラの力など恐怖でしかないということを、どうして分かってくれないのだろう。
私は、あなたと違って特別なんかじゃない、のに。
そんな当たり前の事実にちくりとディアドラの胸が痛む。その時だった。
――そんなことはあるまいよ。
「!」
不意に響いた軽やかな女の声。それにディアドラはハッとして体を起こした。慌てて辺りを見回す。けれど見えるのは勿論、屋根裏に設えられた自身の小さな部屋だ。
古びた棚と隅にヒビの入った鏡の付けられた化粧台。それらがベッド脇の窓から差し込む月明かりに照らされて影を落としている他は何もなくて。
それにけれど、ますますディアドラは確信する。
「……もしかして、女神、様……?」
恐る恐る呟けば、くすくすと小さな笑い声だけがどこからともなく響いてきた。子供のような、けれどどこか大人のような。その独特の雰囲気には覚えがあって、ディアドラが間違いない、と瞳を輝かせる。
女神様。それは何を隠そう、ディアドラに森へ行くよう告げたその人だ。告げた、といっても、占いを通して、というひどく間接的なものではあったが……それでも不思議とどんな占いの結果よりもディアドラにとっては信憑性がある気がして。
だからこそ、ジンに頼み込んで森の中へ入ったのに……その結果である今の現状を再確認したディアドラは、喜びも束の間、顔を伏せた。
「……ごめん、なさい……せっかく森に入ったのに、私……」
――ふむ。そうであるの。何も成さず、おめおめと帰ってきたと。
これでは願いを叶えてやる訳にはいかぬな。淡々とそう言われて、ディアドラはそんな! と顔を跳ねあげた。
「待って……! まだやれるわ……!」
――と、言うがの? 今回だって一人では森の中に入れなかったではないか。
「な、なら一人でちゃんと行くわよ!」
――また魔物に行き会うかもしれぬ。
「大丈夫よ! 魔物はジンさんが倒してくれたもの! 明日はパパが森の中に行くのを許してくれないかもしれないけど……明後日なら、」
――ふむ。我は明後日まで待たねばならぬのかの?
「じゃあ明日行くわ! ううん……それでも駄目なら今からだって行ってくる!」
だからお願い! 見捨てないで! 必死の思いでディアドラは声を張り上げた。それでも女神からの返事はなかなかなくて、彼女は恐怖に体を震わせる。
ここで女神に見捨てられれば、自分は永遠に荒野の片隅の村で一生を終えることになる……そんな恐怖に。
他人が聞けば笑うだろう。一生村から出られない、だなんて大げさな、と。出たいのなら、好きに荷物をまとめて出て行けばいい、と。
けれど実際問題、それは不可能に近いのだ。何の力も持たない。何の伝手もない。そんなディアドラが村を飛び出したところで、荒野に阻まれ魔物に襲われておしまいだ。現実は厳しい。旅など、所詮選ばれた者だけのものなのだ。
だからこそ、ジンと違って決して特別でない自分はただ一つの機会だって逃してしまえばそれでおしまいで。そのことをディアドラは重々承知していて、だからこそ耐えられなかった。
「お願い……! このまま、こんな村で生きるだけの人生なんてごめんなの……!」
目元に涙を滲ませたディアドラの声が、しんとした空気に響く。けれどそこに誰かがいるような気配はまるでない。
やっぱり行ってしまったのか。そうディアドラが慄きながら諦めかけた時だった。
――っ……あはは……っ!
「!」
突然、響き渡った無邪気な女神の笑い声に、ディアドラは目を丸くした。
「……め、がみさま……?」
――ふ、ははっ……! かくも真剣に願うというのか! そんな些細なことに……!
女神がまだ自分を見捨てていなかった。そんな安堵感と、女神が笑う理由が理解できない戸惑い。そんな両方の気持ちからディアドラが呆然と女神の名を呟けば、ひとしきり笑い終えた後、そうか、と女神が言葉を続けた。
――それでも主は真剣だというのじゃな?
真に、その思いを叶えたいと願っている、と。そう確認する軽やかな女神の声はそれでもどこか厳粛な雰囲気を漂わせていて、急いで居住まいを正したディアドラは何度も頷いた。
「勿論よ……! そのためなら、なんだってやってやるわ……!」
――そうか……なら、主はもう、『特別』だ。
そう、女神が楽しげに言った瞬間だった。
前触れもなく、部屋の中に風が巻き起こる。それはディアドラの髪を揺らし、けれど不思議なことにベッドのシーツの一つだって巻き起こさないで。
「っえ……?」
間抜けにもディアドラがそう呟いた時には、風と共に現れた濁った黒が彼女の視界を覆い尽くす。
そうして、荒野の村エレミアの酒場の娘の人生は呆気無く終わりを告げた。
***
何もかもが終わった村を、男はぼんやりと眺めていた。組んだ足の上に片腕だけで頬杖をつき、気だるげな視線を薄汚れたレンズの向こうから送っている。中肉中背、丸まった背中と特徴のない疲れた顔。そのどれもがこれといって記憶に残らないような風貌だ。ありふれている。ひどく。
ただ一つ、椅子にでも座るかのように男が空中に腰掛けている、ということを除いては。
「……何を見ておるのかの?」
そこで、一陣の風が吹き抜けた。そうしてすぐ後ろに現れた気配と軽やかな声。それに男は驚くでもなく、さぁ、と興味無さそうに答えた。
「何を見ているんだろうね」
「なんじゃ……もしや今の今まで行われていた全てを見ておらぬというのか?」
「まさか」
ちゃんと見ていたさ。そう言って男は小さく肩を竦めた。森から時節上がった黒と闇、そうして光。あれだけ派手に飛び交えば無視しようと思ったって目に入ってくるもので、実際に男は確かにその様を見ていた。
だから、そうではなくて。
「ただ目に映すだけでは見ているとは言いがたいだろう? そんなことは誰にも出来る……物の本質を見極めてこそ、初めて『何かを見た』と、言えるものなんだよ」
「……相変わらず小難しいことを」
男の背後で、ふんっと呆れたように小さく鼻を鳴らす音が聞こえた。
「十三年前とちぃとも変わっておらぬの」
「君もそうだろう? 手を出すなと言ったのに、性懲りもなくソラを狙っていたじゃないか」
「知らぬな。我はただ『蒼』に惹かれただけのこと」
「そういうところがお互い様なのさ。もう一人の印を付けた候補者に飽き足らずに手を出す辺りがね」
「仕方あるまい、それが我の性状なのじゃ……それでも咎めようと言うのなら好きにすれば良いがの」
「別に、咎めようだなんて欠片も考えていないよ。ただ、君が変わっていない、という事実を述べただけだ……まぁ今回は忠告したにも関わらず森の中に入ってしまったソラも悪いしね」
いけない子だ。そこで初めて僅かに困ったような感情を滲ませながら呟いた男は、ゆっくりと立ち上がった。ばさりと白衣が夜風にはためく。行くのかの? 背後からの確認するかのような声に、そうだね、と応じて、ざんばらに切られた銀灰色の髪の毛先を揺らした男は振り返った。
「目にすべきものは確認した。もうここには用はない」
「ふむ……して、どこへ向かうと?」
「都だな。記憶を探った限りでは何の手がかりも得られなかったが……君が『闇』を引きずり出してくれたおかげで、確信が高まったよ、リティ」
「もう……! 昔の名前で呼ぶのはやめてちょうだい、先生」
振り返った先で、男と同じように空中に立っていた少女。その少女がくすんだ茶色の髪をなびかせて、突然今までの古風な口調とはまるで違う歳相応な口調で軽く諌めた。
クスクスと可笑しそうに笑う少女の豹変っぷりは、声だけしか聴いていなくとも異常を覚えるほどに明らかだ。それでも銀灰色の目を瞬かせた男は大した追求もせずに、ふむ、と一つ小首を傾げるだけで終わる。
じゃあ、なんて呼べばいいんだい? まるで興味なさそうに男が尋ねれば、少女は濁った血の如き赤に染まった瞳を閃かせて答えた。
「――ディアドラ」
今日からそれが私の名前よ。
そう言って、ほくろのある口元を綺麗に持ち上げた少女は無邪気に微笑む。
軽やかに。
艷やかに。
妖しく。
そしてどこまでも……『強欲』に。
こんばんは。湊波です。
まずは長く続いたプロローグにお付き合いいただきありがとうございました。
次回より、いよいよ第一部が始まります。
荒野の村、エレミアを旅立つソラ、リュー、ジン……三人が次に出逢うは、『風に愛された乙女』、乙女を案じる『兄』と『子供』、そして『勇者を夢見る平凡に愛された少年』。
ブラコンだったり、シスコンだったり、渋かったり、単純馬鹿だったり、と相変わらずなかなか一筋縄では行かない子ばかりですが…引き続き、拙い文章にお付き合いいただければ幸いです。
それでは。またお会いできることを祈って。