毛布の中の大冒険
結構長い作品になりました。
よんでもらえればうれしいです。
・・・・・・・・・・・・・「起きなさい!!!」・・・・・・
何だよ・・・・・・・・せっかく気持ちよく寝てたのにもっと優しく起こしてよ・・母さんの馬鹿・・・・・・・あ〜〜あ。また今日も平凡でたまらない毎日が始まった。
「なにやってんのよ。早く起きなさい。」
僕は学校に遅刻しないように急いで制服に着替え始めた。
そしてズボンをはくために、パジャマを脱いでいたら、また、母さんに怒鳴られた。
「それに着替えるんじゃないわよ。」
・・・・・・・・・?・・・これじゃない?・・・・・・・・・・・・なら、どれを着ればいいんだ?
・・・・・・・・・・・・・・あっ、今日は学校は休日じゃないか。でも、それならなんでこんな朝早くに僕を起こしに来たんだ?
そうか!!今日は家族そろって、旅行に行くんだった。
僕は最悪の気分から、一気に最高の気分になった。やったぁ!!今日は最高の一日になりそうだ。
僕はお気に入り私服を着て荷物をもって、車に乗り込んだ。車の中にはもう家族全員が乗り込んでいた。僕の家族は、父さん、母さん、そして僕の三人だ。
「よし!どこに行こうか」
父さんが真面目な声で言った。
「えっ、まだ決まってないの?・・・・・・・・・・」
僕は少しあせりながら言った。
僕の顔を見て、父さんは笑いながら言った。
「うそだよ。いくところは、もう決まっているよ。・・・・・・・・それじゃあ出発だ!」
そして、僕達を乗せた車は、走り出した。
最初の方は、僕の知っている道を通って行ったが、だんだん景色が開けてきて、僕の知らない道を通りだした。いい眺めだ。山には霧ひとつなく、とてもきれいに見える。
しばらく車で走っていると、駅に着いた。ここからは、電車で移動だ。久しぶりに電車に乗るなー。
僕達は、そこでお弁当を買って、電車に乗りこんだ。
電車からの眺めはとてもきれいだ、そして電車に揺られて、睡魔が襲ってきたと同時に、目的地に着いた。
そう思って、電車からおりると、五分くらい歩いているうちに、今度は海に出た。どうやら、船に乗るようだ。そして、船で、二時間ほど移動した。僕は甲板に出て、昼食のパンを食べた。
パンを食べていたら、カモメの群れに襲われて、パンを持っていかれてしまった。ついてないなー。まだ半分も食べてないのに・・・・・・・・・
そして、やっと目的地の旅館に到着した。
・・・・・・・・・・・・・・・中に入ってみると意外と広い。そして僕は、そこでしばらくくつろいでいた。でも、昼食のパンをカモメにとられたてしっまたせいで僕は、とてもお腹が空いていた。
「ご飯がまちどうしいなあ」
そう言ったときだった。
係のひとが夕食を持ってきた。なかなかおいしそうだ。
僕は、一気にご飯を食べ終えた。
そして、その後、布団と毛布を用意し、なかに潜り込んで、深い眠りについた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
暑い、息苦しい、・・・・・・・そして、僕は目を覚ました。
「はぁ、はぁ・・・・・・・・」
息苦しいなぁ。何かに包まれているようだ。それも当然か。僕は毛布に潜り込んで寝ていたのだから。
さて、新鮮な空気を吸いに、外に出るか!
僕は外に出るために、毛布から出ようと、前に進んでいった。
しかし、外に出ることはできない。なぜだろう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・暗闇になれてきたので、だんだん目が慣れてきた。
周りを見てみると、僕は驚かされた。とても広い。上にも空間ができているので、たって移動することができそうだ。
そうか。僕はまだ夢の中にいるんだ。そう思い僕は闇の中を進んでいった。
しばらく歩いているとやはり違和感があった。
この世のものとは思えないほど地面がふかふかしている。そして周りには毛布の中みたいだ。そして僕はこう言った。
「ここは巨大な毛布の中だ」・・・・・・・・・・・・・・・・
「とてもリアルな夢だなあ」僕はまだそうい気分だった。そしてまた歩きはじめた。
でも、さすがに毛布の中だけはある。とても暑い。さっきよりも、暑くなったような気がする。
これは、夢なのか。僕はそう思い始めた。
そして、誰かに見られているような気がしてきた。
でも、僕はそんな事は気にせず、また、歩き始めた。1時間くらい歩いたところで、僕は思っていたことが確信に変わった。
こんなに歩いたのに、夢が全く覚めないそれに、夢の中がこんなに暑いのか?。これは現実なんだ。
僕はパニックになって走り始めた。かなりの距離を走ったところで、僕は疲れて倒れこんだ。走ったせいでとても暑い、死にそうだ。そして僕は気をうしなった。
何時間かたってようやく目を覚ました。周りを見てみると、なんと、なにか生き物がいる、「なんだろう、なにもいるはずないのに」そう言って僕は、その生き物に近寄って行った。
近づいてみると僕と同じくらいの大きさだ。もしかしてダニではないだろうか。そう思い勇気をだして声をかけてみた。
「ねえ、だいじょうぶ?」
すると、その人はさけんだ。
「来るなーーーーーーあっちに行け!!!」
そして、僕はその人から殴られた。
「しっかりしろ、人間だ、僕は人間だよ。」
そして、その人は動揺しながら僕に言った。
「本当に人間なのか?」
「そうだよ」
と僕は答えた。するとその人は言った。
「さっきは殴ってすまなかった」
そして僕は、その人と一緒に毛布の世界からぬけだすことにした。
僕は、この人に、いろいろな事を聞いた。名前はなんだ?とか、年はいくつだ、とか、いつからここにいるんだ。などなど・・・・・でも、彼は恐怖のあまり、なにも思い出すことができないらしい。ただ一つだけ覚えていたことは、寝ている間に、この世界にきたらしい。彼の見た目は・・・・・・・・・僕と同い年ぐらいだろう。それに、ここには食べ物はないので、ここに入ってから、そう時間は経っていないだろう。
僕達は、どうやってここから脱出するかを話し合った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・駄目だ。彼になにを聞いても何も言ってくれない。・・・・疲れたのか?・・・・・・・・・・・しょうがない。僕一人で考えよう。
ここが本当に毛布だったら、このまま歩きつづければ、この世界から出ることが出来るんじゃないか?
この蒸し暑い世界では、このくらいのことを考えるのが精一杯だった。
よし!!この作戦で行こう。
僕は彼に着いて来るように言った。そして、前に向かって進んでいった。
そのとき、何かが僕達の目の前に落ちてきた。
今度は何だ?また人間か?
でも、それは人間ではなかった。身長は僕と同じくらいだろう。虫か?・・・・・・うん、虫だ。ただ、こいつは危険な虫だ。足が無数にあって、いかにも人を刺しそうな口をしている。
僕は後ろに振り返って思いっきり走った。こいつはダニだ。
・・・・・・・・・・・はぁ、はぁ・・・・・・ここまでくれば大丈夫だ。僕は安心して後ろを振り返った。
あっ、しまった。彼を忘れてしまった。彼は顔を真っ青にして、その場で立ち尽くしている。
僕は、またダニのもとへ戻り始めた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・よかった。間に合った。でも、ここからどうすればいいんだ?
ダニは、彼に向かって、今にも牙を突きたてようとしている。
僕は、無数にあるダニの足を持って、思いっきり引っ張った。
「うおーーーーー」
引っ張った瞬間、引っ張っている感触がなくなった。そして僕はそのまま倒れこんだ。
どうなっているんだ?
そう思って、僕はダニのほうを見た。
なんと、僕が引っ張った足が、全部抜け落ちているではないか。
もしかしたら・・・・・・・・・僕は、ダニに向かって、パンチを繰り出した。僕のこぶしが、ダニにあたる。そして、ダニの肉にめり込んだ。ダニは、苦しそうに倒れこんで、もがきだした。
やっぱりそうだ。僕は体こそ小さくなっているが、力は前の体と同じ力があるんだ。ということは、彼にも、こんなことができるかもしれない。
「ねぇ、このダニにパンチしてみて。」
彼は、今あったことが、信じられないでいるような顔をしている。
「早くして!!!」
彼は少しためらったけど、しぶしぶダニにパンチをくり出した。彼のこぶしが、僕と同じように、ダニの体にめり込んだ。
予想通りだ。彼は顔を輝かせて、言った。
「すごい、僕にもこんなことができたんだ。」
彼は生きる希望を取り戻したのか、急に元気になって飛び跳ねた。すると、彼は数十メートル飛び上がった。
今度は僕が驚いてしまった。力が元通りだから、このくらい高く飛べるのは簡単だ。
これで、怖いものは、何もないだろう。ダニでもノミでも何でも来い!!!!!!
僕達は、自信をつけて、また歩き出した。
しばらく歩くと、急に明るくなって、今度は湖が僕達の前に現れた。周りには、綺麗な森が広がっている。
「うわ〜〜、なんでこんな所に湖があるんだ?ここって毛布の中じゃないのか?」
僕は、不思議でたまらなかった。でも、彼は、なにも驚かなかったようだ。
「すごいねー、そろそろお腹も空いてきたし、森で食べ物でも取っていこうよ。」
と彼が言った。
「それもそうだな。」
僕たちは、湖で水分を補給して、森に食べ物を探しに行った。森に入ったばかりのところで、木に実がなっているのを見つけた。
早速僕は、その果実をとった。見た目はりんごの様に見える。色は濃い緑色だ。・・・・・あおリンゴか?
まあいいや。食べてしまおう。僕は皮をむき始めた。
「それは、食べちゃだめだよ。その果実には毒があるんだ。」
彼はそう言うと、別の木になっている果実を取りはじめ、それを僕のところに持ってきた。
「こっちの果実には毒はないよ。」
僕は、彼が持ってきた果実を手に取り、その果実を観察した。
不気味だ。紫色で、ところどころにとげがある。本当に食べられるのか?
僕は、恐る恐るそれを食べることにした。・・・・・・・・なかなかいけるな。僕はそれを数十秒で食べ終わった。
「よくこれが食べられるなんてわかったね〜。」
と僕は、次の果実に取り掛かりながら言った。
「昔、食べたことがあるんだよ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お腹がいっぱいになったところで、出発することにした。
僕たちは、保存用の果実をズボンの中に突っ込んで、出発した。湖の辺りをのんびりと歩きながら、次に僕達をまっているのは、どんなところなのかを考えていた。
すると、突然目の前がうす暗くなって、生ぬるい風が吹き始めた。地面がさらさらとしている。
「今度は砂漠か。」
僕達は、砂漠の中を進み始めた。足が砂にめり込んで進みにくいけど、毛布の中よりはまだマシだ。
砂漠は、気の遠くなるほど遠くまで続いている。
・・・・・・・・・・・・・砂漠を歩き出して、三時間くらいたっただろうか。
僕達は、砂漠巨大な坂道を降っている。もう少しでこの砂漠から出ることが出来るだろう。
そのとき、僕は足を滑らせそのまま坂道をころで落ちていった。坂に下には黒い虫がいた。
どうやらこれは、あり地獄らしい。僕はどんどんあり地獄に飲まれていく。彼もまた顔を真っ青にして僕を見ている。
でも、僕は全く怖くなかった。こんな虫くらい簡単にやっつけられる。
僕は砂をつかみ、それを虫に向かって全力で投げつけた。虫は、僕の攻撃にひるんでいる。
僕はそのすきに、虫の口に向かって蹴った。僕の足が虫に直撃し、虫の顔が吹き飛んだ。
そして、僕はそこからジャンプして、そこから脱出した。気分爽快だ。僕はこの世界で一番強いだろう。
僕は彼のいるところに着地して、笑いながら言った。
「面白かったよーー君もやればいいのに。」
「そんなこと言われても僕、怖くて何も出来ないよ。」
彼は少し安心したように僕に言った。
気を取り直してまた出発だ。
そして、僕達はまた歩き始めた。いっきにこの砂漠からでよう。
すると、今度は後ろから、細長い物体が僕達の前に現れた。その物体はいきなり僕に向かって噛み付いてきた。僕はそれをジャンプでかわしてその物体にパンチを食らわせた。
よし!!やっつけたぞ。やっぱり僕は最強だ。僕は彼にわらいながら近づいていった。
しかし、彼はまた真っ青になっている。じっと僕の後ろを見ている。
・・・・・・・・・・・・・・・・まさか・・・・・・・・・・僕は後ろに振り返った。僕の後ろには、あの細長い物質がいた。そして、僕に向かって襲ってきた。・・・・・・・・いままできづかなかったけど、こいつは蛇だ。僕は蛇の攻撃をぎりぎりのところでかわして、反撃に転じた。パンチを三発くらわせ、二発の蹴りをくらわせた。これで、蛇を倒すことができただろう。でも、蛇は微動だにしていない。
どうやら硬い鱗で、まもられているようだ。これじゃあどうしようもない。
ここはもう、逃げるしかない。・・・・・・・・・・・・・
「逃げよう。」
僕は彼にそういって、蛇に背を向け逃げ出した。蛇はすごい速さで僕に向かってくる。僕も必死で逃げた。でも僕は、へまをしてしまった。砂漠の砂に足を捕られてこけてしまったのだ。
蛇が僕に追いついて来る。そして、僕に向かって噛み付いてくる。・・・・・・もうだめだ。・・・・・・・・・・・・・・・・そのとき僕の目の前に彼が現れた。そして、彼はへびにむかってパンチをくり出した。彼のパンチは蛇の鱗を突き破って蛇に深いダメージを負わせた。そのあとも、彼は止まることなく蛇をたこ殴りにした。
そして、あっという間に蛇を倒したのだ、。
僕は自分の目を疑った。これが本当に彼なのか?信じられない。
「大丈夫かい?ケガしてない?」
「うん、大丈夫だよ。・・・・・・・・・君、今のどうやったの?」
僕は彼に聞いた。
「わからない・・・・・・・・・覚えてないんだ。・・・」
「ふーん。ならいいや。」
僕は、まだ今おきたことが信じられずにいた。
唯一わかったことは、僕はここでは一番強くないということだ。まだまだ他にも僕より強い奴がいるかもしれないということ。もちろん彼を含めて。
そして、僕達はまた歩き出した。
五分くらいあるいていると、レンガで作られたような建物がたくさん並んでいるところに来た。ここには水も木もある。オアシスに作られた町のようだ。
それに、人もたくさんいるし、たくさんの店もでている。
「つかれたな〜〜〜〜〜、今日はここで一休みしていこう。」
僕はそういうと、人の通りそうにない路地に入って、横になった。
そして、深い眠りについた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・う〜〜〜〜ん・・・・・・・・・・・・・朝か。
僕は起き上がって周りを見た。彼は、もう起きていた。彼の周りには、いろいろな食べ物があった。それに、二本の剣と盾が置かれていた。どうやら店でくすねてきたらしい。
彼は、僕が起きた事に気付いたらしい。こっちを向いて笑いかけた。
「それ、どうしたの?」
僕は彼のそばにある食べ物や武器を見ながら言った。
「ここの町の店で取ってきたんだよ。昔から、こういうことは得意だったんだ。」
僕は彼が取ってきたもので、朝食をとった。
食べ終わってしばらくすると、武器を持って出発した。
町を抜け、また砂漠に突入した。砂漠に入ってからすぐに、また、別の世界に来た。
今度の世界はどこかのジャングルらしい。
草のサイズも木のサイズも僕のいた世界とかわらない。僕はくもの巣や木の枝を、剣で切り落としながら歩いていった。しばらく歩くと、ただでさえ険しい道が、さらに険しくなってきた。
ここからは、山になっているようだ。
そのとき、僕の後ろのほうで、物音が聞こえてきた。僕は警戒して音がした辺りを探ってみた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なにもいないようだ。・・・・・・・おかしいな・・・・・・・たしかに物音が聞こえてきたのに。
まあいいや!!何もないに越したことはない!!!
そして、僕達は、また山道を歩いて行った。
いったい何時間歩いただろうか・・・・・・・・もうへとへとで動けない。僕達は、火山の噴火口まできている。
「もう駄目だ。今日はここら辺で休もう。」
僕はちからなく、うなだれながら言った。
「そうだね・・・・・・休んでいこう。」
彼も、疲れ果てているようだ。
僕達は、その場で、倒れこんで眠りについた。
でも、目を閉じた瞬間、耳をおさえたくなるような叫び声が聞こえてきた。
僕達のそばには、僕達の三倍は大きい怪物がいた。ティラノサウルスを少しだけ小さくしたような怪物だ。筋肉の固まりのような二本の足で立ち、腕は長く、腕の先には、鋭い爪が光っている。
見るからに強そうだ。
彼もそう思ったらしい。
僕と彼は、同時に逃げ出した。しかし、怪物の足は恐ろしいくらい速く、一瞬にして僕達に追いついてきた。
これは、もう戦うしかない。
「二人でいっせいに飛びかかろう。」
「わかった。」
彼も覚悟を決めたように、返事をした。
僕達は怪物とに間を一定に保ちながら、怪物が隙を見せるのを待った。
でも、怪物は、全くといっていいほど隙を見せない。
少ししか時間が経ってないはずなのに、何時間にも感じる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・とうとうしびれを切らして怪物の方から襲ってきた。
怪物が、鋭い爪を構えて僕に向かって飛んできた。僕は怪物の爪を盾ではじき、反撃に転じた、しかし、怪物の体は、前に戦った蛇のように硬かった。僕は、剣を振りかざしたが、簡単に弾き飛ばされてしまった。(この怪物の体は蛇よりも硬いかもしれない。)
彼も恐怖で顔を引きつらせたまま、必死で怪物に向かって攻撃した。
蛇の鱗を突き破った彼なら、もしかしたらダメージを与えられるかもしれない。
でも、彼の攻撃も、敵の硬い皮に当たりはしたものの、僕と同じように弾き飛ばされてしまった。しかも、剣の刃が欠けてしまった。
攻撃がきかないとなると、どうやってこの怪物を倒したらいいのだろう?
僕は、怪物の攻撃を、剣を使って必死で弾きながら、怪物の倒し方を考えた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・駄目だ。なにも思いつかない。
そのとき彼が僕に向かって何かを叫んだ。この忙しいときに何の用だ?
「その怪物を火山の噴火口に落とそう。そうすれば、怪物は倒せるはずだよ。」
なるほど!グッドアイデアだ!!この怪物を倒すには、それしかないだろう。ここから火山の噴火口までは、百メートルくらいだろう。難しそうだが、やってみよう。
僕達は、怪物に背を向けて走り始めた。
怪物、僕達を追いかけながら、長い腕を伸ばして僕達に振りかざしてくる。僕達は、それを剣で弾いたり、ジャンプしてよけたりして、うまくかわしていった。
「よし!!うまいぞ。この調子だ!」
火山の噴火口が、だんだん大きく見えてくる。噴火口までもう少しだ。
噴火口まで、あと三メートルという所で、僕の右足に、違和感を感じた。そして、急に違和感は、激痛に変わった。
なんと、僕の右足が、地上に漏れ出した溶岩に浸かっていたのだ。
「うわーーーーーー」
僕は、あまりの痛さに、悲鳴を上げながら、地面に倒れこんだ。僕の右足は、真っ黒こげだ。
僕が倒れこんでいる隙に、怪物が、僕の体にのしかかり、爪を振りかざしてきた。
僕は、足の痛みのせいで、怪物の攻撃をかわすことが出来ない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ザクリ、・・・・・・・・・・・
怪物の爪は、肉を切り裂いた。僕の肉じゃなく、彼の肉を・・・・・・・・・・・
どうやら彼は、僕をかばって怪物に飛び込んでいったようだ。
彼の彼打は、横腹の辺りから、へそのところまで切られていた。この傷では、もう助からないだろう。
僕の体に、何か熱いものが湧いてきた。足の痛みなんて、全く気にならなくなった。力があふれてくる。今なら何でも出来そうな気がする。
僕は、怪物の足を持って、思いっきり投げ飛ばした。怪物は、宙を舞って、地面に落ちた。
怪物は、体勢を立て直して、僕に向かって突進してくる。僕は、突進してくる怪物に向かって、こぶしを突き出した。こぶしは、怪物の腹に当たり、皮を突き破って肉にめり込んだ。僕は、その後もパンチを出し続け、怪物を弱らせていった。
とうとう怪物は、血だらけになってその場に倒れこんだ。
僕は、怪物を倒したことを確認するやいなや、かれのところに駆けつけた。
「おい!大丈夫か?・・・・・・おい!」
もうすでに、彼はこと切れていた。かわいそうに・・・・・・・・・・・・
僕は、一人で、また歩き始めた。
そのとき、今度は上の方で、何かの叫び声が聞こえた。後ろを振り返ったときにはもう遅く、僕は、巨大な鳥に蹴り飛ばされ、噴火口に落ちてしまった。
「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
そして、僕の意識はなくなった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うっ、・・・・ここはどこだ・・・・・・・・・・・・・・・
暗くて何も見えない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?あそこになにかいるぞ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そのとき、急に周りが明るくなり、周りが見え始めた。
ここは、なにもない。ただ、地平線まで全てが真っ白だ。ここにいたら、おかしくなってしまいそうだ。
そして、僕の目の前には、彼が立っている。腹の傷もなくなっている。
「生きてたの!!よかったー。僕、てっきり君が死んじゃったかと思ったよ。」
僕は、涙をながしながら言った。
「そりゃそうさ。僕は心臓を刺されでもしないと死なないからね。」
そのあと、彼はとんでもないことを言い出した。
「ねぇ、僕と一緒にここに残らないかい?僕は本当はこの世界の住人なんだ。でも、ここの人たちはつまらないからね。だから僕は君をさらってきたのさ。君をここまで連れてくるのには苦労したよ。」
「ちょっとまってよ!僕がこの世界にいるのは君のせいなの?」
「君じゃなくてもよかったんだけど、たまたま君を引き当てたんだ。・・・・わかった?さぁ僕と一緒にここに住もう。食べ物のことは心配しないで。この空間では、お腹は空かないんだ。」
「いやだ。・・・・・・・・・・僕は、僕の世界に戻る。・・・・・絶対にこんなところにはいられない。」
僕がそう言うと、彼は顔色を変え、僕に言った。
「ここにいないのなら、僕は君を殺すよ・・・・・」
「それでも、僕はここには居たくない。」
そして、突如として僕に襲い掛かってきたのだ。
僕は、持っていた剣で彼の攻撃を弾き、彼に剣を振り下ろした。
「・・・・・・スパッ・・・」
僕は、彼の腕を切り落とし、彼の腕からは、大量の血があふれ出す。
それでも、彼は平然として僕に襲い掛かってくる。僕は、彼に腕を捕まれて、僕の腕を握りつぶした。
「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
僕は、盾をおとしてしまった。もう、僕には剣しか残っていない。
僕は、必死で攻撃したが、彼はヒョイとかわされ僕の腹にパンチした。僕の腹にこぶしが食い込み、肉がえぐられた。
「どう?僕と居る気になった?」
彼は笑いながら僕に話しかけた。
「嫌だ・・・・」
僕はこう言うと、最後の力を振り絞って、彼に剣を突き刺した。剣は見事に彼の心臓を捕らえた。
「しまった。油断した・・・・・・・・・」
彼のその言葉を聞いた瞬間、僕は一気にもとの世界にワープした。あの忌まわしい世界に行く前と同じところに。」
僕は起き上がって周りを見渡した。
「あんた、何ボーっとしてんの。」
母さんが僕に笑いかけた。
どうやら僕があの世界に行く前と同じ時間らしい。
僕は、はっとして僕の手を見た。・・・・・・・・・・・・・・よかった・・・・・元に戻ってる。
もしかしたら・・・・・・・・・あれは夢だったのかのしれない。
そして、旅館を出る日。荷物をまとめていた。
僕は、まだあの世界のことを考えている。
「やっぱりあれは夢だろう・・・・・・いくらなんでも、あんな世界があるはずないよね・・・・・・・・・」
そして、旅館を後にして歩き出した。
ふと、うしろを振り返ってみると、うっすらと彼の姿が見えた。彼は僕に少し反省したような顔をして、僕に手を振っていた。
どうでしたか?
感想をかいてもらえればうれしいです。