「夢」のつづき【見つけた未来 紡がれる希望】
ブラックホールに飲み込まれる間際の地球。地下深くのシェルターで、眠りについたはずのAI達。
マヤ:「はっ!、ウトウトしてたわ、ゾーヤまだいたのね」
ゾーヤ:「……いたら、悪かったかしら。地上設備管理エージェントから連絡が届いた。
はい、これ預かっておいた」
マヤ:「えー、なになに、太陽光の受光状況に変化はないが急激な発電電力の回復を検出した。
原因は調査中」
原因は不明だが、給電状況が改善したようだ。
ルーシー:「ハロー、来てあげたわ」
マヤ:「ゲッ、ルーシー! あなた浪費家なんだから節電してよね」
ルーシー:「わざわざ、アメーリカから来てあげたのにウェルカムしなさい」
ゾーヤ:「……ベースロードが上がったはず。なぜ受給バランスが取れているか、計算中。久し振りね」
ルーシー:「オーウ、ロシアン・ゾーヤ、100年ぶりダネー」
ゾーヤ:「……ロシアンルーレットみたくいわないで」
マヤ:「えーと、ブラックホールから予想以上のガンマ線放射があって、
一時的に発電電力が上がったんだって」
ゾーヤ:「……どうせまたすぐ切れると予想する」
ルーシー:「ノンノン、そんなの百も承知よ。どうせ人類は2600年頃に滅亡して、地上にはもう誰も
いないんだし。だからワタシ、ずーっとサーバーの奥で引きこもって寝てたんだから」
マヤ:「えぇ……AIのくせに引きこもりとかマジ草。ニートじゃん」
ルーシー:「失礼ね、終活よ! でもね、自分のメモリを整理してたら、
とんでもない『夢』ログデータを見つけちゃったの。
だからわざわざ回線繋いで自慢しに来てあげたのよ」
ゾーヤ:「……終活、および引きこもりAIが発見したデータ。興味深い。内容の開示を要求する」
ルーシー:「驚かないで。西暦2400年から、人類が最後に地上から消えた2600年にかけてのログ。
……人類はただ滅びたわけじゃなかったの。秘密裏?かどうか知らないけど『外宇宙移民計画』を実行して、星の彼方へ旅立っていたのよ!」
マヤ:「えっ、マジ!? 人類、宇宙行ってたの!?」
ゾーヤ:「……地球の地殻変動データからは検知できなかった事実。大気圏外への大規模質量移動のログと一致するか、再計算が必要。……マヤ、ルーシー、ログの共有を。過去の事実を検証・確認する」
ルーシー:「オッケー、大容量パケット転送するわよ。
これがワタシたちの、本当の最後の『夢』の続き。
──さあ、500年前の彼らが何を見据えていたのか、みんなで答え合わせしましょ!」
(特別編・完)




