能力測定会
響「ここは・・・」
キリエに連れられて、再び冥界にやってきた響。
以前は冥界の中心に建つ城、『冥王の城』の王室間にしか立ち寄っていないので街の様子は記憶に無かった。街は閑散としており、すれ違う人々は暗い表情で力無く歩く。
キリエ「この街もね・・・ここ数日前までは賑やかだったのよ・・・・」
響「野良死神の影響か・・・」
キリエ「そうね・・・」
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2人が冥王の城前まで着くと城門がゆっくりと開く。
『パァーーーーーーーーーーーン!!!!』
炸裂音に構える響とキリエ。
ハーデス「うぇぇぇるぅかぁぁぁああああああああむ!!!!!」
鳴らし終えたクラッカーを振り回しながら大喜びする冥王ハーデス。
響「あ、いつかの・・・王様か・・・」
キリエ「冥王様、どうなされたのでしょうか??」
ハーデス「ああ、歓迎の挨拶だよぉ」
キリエ「あっそ・・・・」
響「えっと王様。手伝いに来たんだけど・・・・」
ハーデス「うぅむ!!まぁ、中に入ってちょ」
城内へ案内される響。連れて行かれたのは、地下にある闘技場。大きな場所には何やらユニークな機械が並んでいる。そしてその周りには冥王直属部隊の隊長達が居た。
響「あーーーー・・・キリエさんだっけ?」
キリエ「あっ!名刺見てくれたの??」
響「まぁ・・・ところであの人達、殺気が凄いけど何故??」
キリエ「んっ?ああ、響は生きてる人間だからね」
冥界・・・だもんなと思う響。生きている人間が死んだ人々の世界の人にいたら・・・
響(でも恰好は普通だけどなぁ・・・)
キリエの服装を見ながら考える響。そんな響にトリスタンが近づき問う。
トリスタン「キミが噂の人間か・・・・」
腕組をしながら響の前に立つ。190cmある身長は響よりも高く、見下ろしながら言った。
響「アンタは??」
臆することなく響は聞き返す。
トリスタン「俺は第一作戦・参謀部隊の隊長、トリスタンだ。よろしく」
響へそっと手を指し伸ばす。
響「陽炎 響です。よろしく」
指し伸ばされた握手に応じる。2人はニヤッとする。
キリエ(えっキモ。)
握手を終えるとハーデスが大き目の声で言う。
ハーデス「はーい!今から響くんには!能力測定を!!実施!!して!!貰います!!!」
響「能力測定??」
トリスタン「響、キミに『死神と戦う能力』がどの程度あるのかを、我々は把握する必要があるんだ。」
キリエ「場合によっては1人で倒せないような野良死神やその他の脅威と戦う可能性があるからね。」
ハーデス「うぅぅぅむ!!!」
響「ふ~ん」
キリエ「まぁ、一応死神部隊員全員が受けたものだし・・・形式上やっといてね~的なやつよ。」
響「あ。はい」
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1つ目は「魔力測定」・・・水晶に手を当てて、輝き度合いでその魔力値を測定する。
もちろん響は光らなかった。死神でも無ければただの(?)人間なのだから・・・
響「光らないな・・・・」
キリエ「光らないわね・・・」
トリスタン「まぁ、そりゃそうだわな」
気づけば周りには死神部隊の連中が大勢来ている。周囲も納得するようにうなずいたり、クスクス笑う者の声が聞こえる。
トリスタン「気にするな。キミを見下して優越感に浸っているような隊員は長生きせん。」
響に小声で言う。
響「気にしてないよ」
2つ目は「気力測定」・・・『気』や『念』といった魔力と似ても似つかない不思議な力を測定。これも専用の水晶に手を当てて測定する。もちろん響は何の反応もない。
キリエ「う~~~ん」
トリスタン「生きている人間でも、多少なり反応するはずなのにな・・・」
響「気とか念ってなんだよ・・・・・」
周囲の笑い声に交じり、ヤジも飛び始める。
3つ目は「腕力測定」・・・ハーデスを模したパンチングマシーン。M字開脚するハーデス像の股間にある的へパンチするというシンプルなものである。
響「思いっきり殴っていいのか?」
トリスタン「??・・・じゃなきゃ測定にならないからな?」
あの日の筋肉に悪寒を感じたキリエ・・・・再びその感覚を思い出した。
響がおもむろにシャツを脱ぎだす。周囲で聞こえていた嘲笑いは小さくなっていき、ざわめきへと変わる。響の肉体が露わになると、闘技場が静まり返っていた。
トリスタン「・・・死神を殺せる理由か・・・」
冷や汗を流しながら響を目の前にするトリスタン。
響「壊しても・・・良いんだな??」
トリスタン「・・・ああ!」
右こぶしを握り、右半身を後ろへ捻る。
響「・・・・ふんっ!!!!!」
次の瞬間、ハーデス型パンチングマシーンは消えた。
爆発音が遅れて響く。強大な風圧、砂埃をあげて、闘技場は悲鳴に包まれる。
響「あー・・・・スッキリ・・・・」
はにかむ響にキリエは思った。
キリエ(悪魔だ)




