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魔法使い出現


シギアは勇気づける様に言った。

「皆が気づかせてくれた。俺は力が半分になったぶん補助魔法で戦いをサポートする」


 レオンハルトはシギアの態度に驚いた。

 先程までとまるで違う。


 またレオンハルトは「パーティを組みたくない」と言った事を申し訳なく思っていた。


 クリウは微笑んだ。

「素直になってくれたわね」


「えっ⁉」

 意外な一言に思わず顔を赤らめた。


 フィリオはからかった。

「はは! 赤くなった!」


 皆シギアを笑った。


 少ししてシギアは聞いた。

「ところで、誰か雷の魔法を使わなかったか? 誰か助けてくれたのかと」


 クリウは答えた。

「私は白魔法しか使えないわよ」


 レオンハルト達は言う。

「俺は勿論使えん」

「勿論俺もだ」

「勿論私もですよ」


 レオンハルトは逆に聞いた。

「この町にそんな使い手がいるのか」


 クリウは言った。

「ギルドがあるし、色々な人が集まるんじゃない?」


 ドレッドは思い出した。

「あっギルドに行くの忘れてた」

「じゃあ、ギルドへ行こうか」


 そしてそこからそう遠くない、歩いて7分で城下町のギルドに遂についた。


そこには受付の女性とメンバー集め登録をしている30代でひげを生やした戦士がいた。


「ここで登録するのは1人で来てどこかパーティに入れてほしい人だ。俺達は逆にメンバーを募る方だ」

「いらっしゃいませ!」


 レオンハルトは答えた。

「ああ、メンバーの募集です。魔法使いと、ええと出来れば盗賊と弓兵も」


 一行は奥の部屋で待機する事になった。

「リストをお渡しします」


 それをみるとずらりと冒険者と履歴が並んでいる。

 レオンハルトは言う。

「この中から目星をつけて面談するんだ」


 フィリオが聞いた。

「面談ですか」

「うん。面談をしっかりやり人格を把握するのさ」


 フィリオは言った。

「やっぱり人柄大事ですよね」

「そりゃそうさ、これからずっとやっていくんだからな」


 そこへ突然変な生き物がジャンプして机の上に乗った。

 それはネズミとハムスターが合わさった様な外見をしていた。

「ギルド、ギルド!」

「し、しゃべった」


「こら、やめなさい!」

 と厳しいながらみずみずしい声が聞こえると、飼い主の方に戻って行った。


 それは装束を着た少女と同じ声だった。

「この声?」

「すみません、使い魔がご迷惑をおかけしました」


 穏やかな落ち着いた口調である。

 仕草も雰囲気作りに輪をかける。


 細い体とシックなローブ、その下は露出した腕と紫の肘からリストまでのサポーターや肩近くまである黒髪。

 そして杖と長く大きな帽子。自信と穏やかさ、エレガントさを合わせ持った目と口元をしている。


「細い人……」

 クリウは感心した。


 シギアは聞いた。

「使い魔?」


 少女は微笑み帽子を外した。

「魔法使い、アレーナと申します」


「アレーナさんですね」


 レオンハルトは聞いた。

「あなたは魔法使いですか」


 ドレッドは聞いた。

「もしかしてパーティを探してるとか?」

「ええ」


 クリウは好意的に話しかけた。

「ちょうどいいわ。面談をしませんか? 私たちも魔法使いを探してるのよ」


 そしてクリウとレオンハルトを中心に1時間ほど時間を取り面談をする事にした。


 自己紹介的にアレーナの現在を聞いた。

「へええ! 17歳で1人暮らしを!」


「ええ、自立心をはぐくむ為になるべく早く親元を離れ貴族の両親が魔法学校へ行きながら1人暮らしをするように言いました」


「マラエッティ伯の娘さん」


 冷静沈着で低めの声、大人っぽい話し方だった。しかし柔らかさも同時に感じる。色気も少しある。唇の動きが最小限だ。


 しかし、しっかりした話し方が硬い印象を与えない様本人は配慮してなるべく柔らかい声が出る様にしている感じがある。


 焦って話す様なところがない。それでいて笑顔で柔和な印象もある。


「そして魔法学校に行きながらギルドに行き実戦経験を積む訓練をしています」

「へええ……」


「半分以上プロって感じですよね」

「そうですね。プロである自覚を持ってやっています。依頼されたら様々なミッションに臨める様に柔軟さも身に付けようと」


「親に言われたからでなく自分で自立心を持っているんですね」


「ええ、幼少の頃から火をつけたり物を浮かせたりする魔法に目覚め、それを期にどんどん魔法の事を興味を持って知りたくなったんです」


「幼少の頃から探求をするのは大人の証拠ですよ」


 クリウは気楽に聞いた。

「趣味は何ですか」


「はい、使い魔と遊ぶ事や町に遊びに行ったり、ことわざ辞典を読む事ですね」


「は?」

 皆たじろいだ。


「ことわざ辞典?」

「はい、ことわざが好きなんです。1円を笑う者1円に泣く、とか言うと『上から目線ぽい』って言われます」


「あ、ああそうですか」

「ぬいぐるみと話したり」

 

「え?」

「あ、それは子供の頃の趣味で、今は使い魔と話します。釣りもやりますよ」


 ドレッドは言った。

「へえ、俺もですよ、今度行きましょうよ」


「パーティに入ったら何をしたいですか」


「そうですね。大きなしっかりした目的を持って国や人を守る事をしたいです。例えばこの前の洪水の時みたいに人を助けたり水質を良くするのに魔法が使えたらとか思いました」

「立派ね」


「だだ、私はやはり攻撃呪文が得意です。だから正しい事、戦いの為に自分の力を使いたい」


「例えばシュトウルム帝国とかと戦いたいとか」

「魔法学校で学ぶ内能力が戦闘に特化して行って」


「シュトウルム帝国についてはどう言う考えですか」


「はい、私はこれまで悪人討伐ではないダンジョン捜索等のクエストを多くしてきましたが、やはりこの国の何処へ行っても誰に聞いても帝国に苦しめられていると感じました。だからこの前もやっつけようと思いましたがやられそうになりました。でも自分の力を生かしたかった。だからそれを目的とする方々にスカウトされたいと思っていました」


 クリウはレオンハルトに耳打ちした。

(この人かなりいいんじゃないですか)

(ああ、考えなども一致する点が多い)


 逆にアレーナは聞いた。

「ところで皆さんは何をしているんですか?」


「ああ、申し遅れましたが、私たちは国の為王から仰せつかり勇者パーティと言うパーティを組み、シュトウルム帝国を倒すための独立部隊遊撃隊を組むんです、今度から」


「まあ、かの有名なワンザ王直々の指名部隊ですね。聞き及んでいます。私も入れたら光栄です」


 一瞬静まり返った。

 レオンハルトは不意に聞いた。


「何故知ってるんですか」

「え?」


「その事は国の重要機密で限られた人しか知りません。何故知ってるんですか」

「……」


「君はまさか帝国の」

「レオン……」

 クリウは言いすぎだと言わんばかりに止めた。


 アレーナは初めて両手を膝に置き下を向き申し訳なさそうに言った。


「わかりました、言います。この使い魔チャップは時々勝手にあちこちに行きます。であるときヘリウム城に入ってしまいその話を偶然聞いてしまったのです。そして帰って来てからオウムの様にその話をしました。それで知ってしまったんです」


「……」


 アレーナは信じてほしいと願う様に言う。

「でも私はこれを他言しないようにしました。言っていません。信じて下さい」


 クリウは言う。

「……信じるわ」

 

 シギアは言う。

「つい我々の前で言っちゃった、って感じか」


 シギアは続けた。

「君、どこかで会ってない?」


 アレーナは少しためらいながら答えた。

「実は少しの時間だけ帝国に攻撃しました。雷魔法で。それがさっき言いました『やっつけようとした』と言う事なんですね」


 シギアは別に怒らなかった。

「そうか、君がやったのか。でもその後どうしたの?」


「逃げました。顔を隠して。私が勝てる相手じゃないと最初から分かっていたから」


 シギアは笑った。

「成程ね」


 店員が来た。

「もうそろそろ面談終了の時間です」


 ドレッドが言う。

「どうする?」


 クリウも好意的に言った。

「私も。だって色々な事正直に話してくれたじゃない」


 レオンハルト、ドレッド、クリウは話した。

「後は帝国と戦う強い動機だな。帝国についてどう考えてるかをより掘り下げて聞いてみよう」

「そうだ、『仕事だから』『仕事でやっている』『自立を育む』だけでは戦い抜けないし大きな力は出ない。突き詰めによって覚悟の度合いが違って来る」

「彼女の戦う理由は」


 アレーナは答える。

「実はこの前町の水の測量をしている方たちに会いましたが、帝国の起こした洪水ですごく辛そうでした。そう言う人達の日常を傷つけて行くのは許せないと思います。また溺れた人も」


 レオンハルト達は言った。

「落ちついて正義感のある事をおっしゃるんですね」

「それに人の気持ちが分かりそう」


 しかしシギアは腕を組んだ。

「うーん。まだ1つある」


 フィリオは言った。

「何ですか」

「表に出よう」


 一行は人のいない場所へ行った。

「この辺でいいか」

「何をするんですか」


 アレーナが聞くとシギアは答えた。

「俺と戦うんだ」

「えっ?」


「俺に最大の魔法をぶつけるんだ。俺が受け止める」

「そ、そんな」

「大丈夫」


 戸惑いながらアレーナはシギアと8メートル程距離を取った。

「よし来い!」


「はああ!」

 アレーナは詠唱を始めた。


「はああ!」

 特大の雷が天から落ちアレーナの手で業種され溜まり遂にシギアの方に飛んだ。


「す、すごい!」


「うおお!」

 シギアは剣で受け止めた。

「ぐ、ぐおおお!」



 宝児は言った。

「シギアさんが押されてる」


 レオンハルトは言った。

「並の人間ならとっくに感電死してる!」


 クリウは言う。

「彼女、本当に本気でやってる」

「ぐ、ぐおお!」


「ああ!」

「だ、だあ!」


 遂にシギアは電撃を跳ね返したシギアは片膝をついた。相当に疲れ肩で息をした。


 アレーナは申し訳なさそうに駆け寄った。

「大丈夫ですか!?」

「はあ、合格だよ」


「えっ?」

「君はこれから仲間だ」

「……」


 レオンハルトは言う。

「後は王様に正式に認めてもらうだけだな」





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