勇者パーティ構想
ワンザ以下重臣達が集う中、他の騎士はおらずシギア、クリウ、レオンハルト、ドレッド、フィリオ、デュバンの5人だけがいる場所に集められ宝児は紹介された。
レオンハルト逹は、何故このメンバーだけなのか、と最初から疑問を感じていた。
家臣チューベンは説明した。
「ん? レオンハルト、何かあるのか」
「何か意味があるのかと」
「あっ、その事だがな。実は今『勇者パーティ構想』と言う物が会議され、やがて実行に移される予定だ。君たちはそのパーティのメンバーだからだ」
「え? 勇者パーティ? 我々がメンバー? 初めて聞きました」
「うむ、これから帝国との戦いはもちろん軍団対軍団だ。しかし今後必勝を期すため、小回りの利く独立部隊を作ろうと言う事となっている」
「ええ? 独立部隊」
どよめいた。
皆は顔を見合わせた。
「うむ、メンバーは恐らく6から8、9人となる。君たちに加えるメンバーはギルドなどで集める」
クリウは少し不安げに言った。
「私逹が独立部隊、このメンバーだけの少数精鋭で?」
「つまり、少数精鋭のフットワークを生かし帝国を騎士、兵士団が大群同士の戦いで引き付けている間に敵の親玉格をたおす、そういう役目だ。君たちは選ばれたんだ」
皆まだ皆戸惑っていた。顔を見合わせ不透明なこれからの成り行きに少なからず不安を覚える。
チューベンは言う。
「かなり大役だ。若い君には大変かもしれんが」
レオンハルトは少し不安はあるが期待に応えようと力強く答えた。
「いえ受けます。ただクリウも加えるのですか? 危険では」
「うむ、しかし癒しの白魔法を使えるものが必要だからだ。クリウ君、頼めるか」
「はい!」
クリウは迷いなく答えた。
むしろ選ばれ皆と行動できることが嬉しかったようだ。
彼女はあまり戦場で弱い所を見せない。あるのかも知れないが根性は座っていると良く言われる。
シギアも珍しく聞いた。
「つまり、我々が少数精鋭行動で敵の親玉格を倒すと言う事ですか」
「そうだ、それに実はこれは君を中心に据える構想なんだ。君がいてこその勇者パーティだ」
「え?」
これはさすがのシギアも少し驚きが隠せない。表情が変わった。
嫌われていると思っていたのに「君がいてこそ」「中心に」と言われた。
「君が凄まじい強さを持っているからだ。これまで圧倒的な強さで強者を倒しているからな」
「……いえ」
シギアは珍しく謙遜していた。
彼がこんな控えめな顔を見せたのはいつ以来か。
「当然かつ周知の事実ですが……」
と少しおいて反対の意味の嫌みな一言を付け加えた。
本心70%皮肉30%位と解釈している。
「こいつ中心ですか⁉️」
レオンハルトは言った。
シギアは嫌々な顔をし反論した。
「パーティー名は『伝説の勇者と下僕一行』でお願いします」
「また始まった」
ドレッドは目をつぶり呆れた。
チューベンは明るく答えた。
「まあ、何だかんだでこの中でシギアは最強だからな。それとドレッド君」
「はい」
「それとフィリオ君」
「はい」
「君はシギア君のパートナーとして同行してくれ。大丈夫かな?」
「私は戦闘力はありませんがやります」
フィリオにも恐怖を見せない強さが感じられた。
「うむ。もちろん無理はしてはいけない。あまり危険な事はせずともよい」
シギアは嫌みに言った。
にやりとはせず真顔で落ち着いて言うのがさらに嫌味だ。
「まあ、いざとなれば俺1人で十分だが、俺の子分達は足を引っ張らないように。胸を張って歩け、俺がチェックする」
本心89%位と解釈されていた。
ドレッドは突っ込む。
「だから変人って言われるんだよお前は」
シギアはさらり言い返した。
「俺は孤高の男だ」
「友達いないだけじゃないのか」
「ま、俺はクリウがリーダーがいいと思うけどね」
「え?」
クリウははっとした。
シギアは意外な事を言った。
シギアは他の人がいない所でクリウに気軽かつ真面目に言った。
「さっき言ったけど、俺はクリウがリーダーが良いと思う」
クリウはかなり驚いた。
「私がリーダー?」
「真面目に」
「え? な、何で無理よ、理由がわからない、私は一番弱いし」
「いや、色んな意味でさ。じゃあ表のリーダーは俺であんたは裏のリーダーで当面良いんじゃない?」
「裏……」
「繰り返すけど真面目に」
しかしクリウは呆然として彼の真意が分からずじまいだった。
シギアは思った。
(やっぱり強さも大事だけど一番は人格だよな……クリウの様に公平公正な目を持ってる人がいい。俺はリーダーには向かないから、縁の下の方が良いかも)




