信頼を取り戻す
シギアとレオンハルトは二人で屋外特訓をしていた。
「はっはっ!」
しかし木刀の動きはレオンハルトの方が遥かに上になり、シギアは後れを二歩くらいとっている。
「くっ、どうしたんだ俺の体、こんな動きしか出来ないなんて。動いてくれ」
「どうしたシギア」
「くっ!」
(この前まで見下していたレオンの動きに付いていけてない。弱い所を見せるのって辛いな)
「さらに私も」
クリウは見ているだけでなく攻撃用白魔法で攻撃して来た。
「ぐあ」
よけ切れず当たった。
「ぐっ!」
「立ってくれシギア、そして自分の頑張りで信頼をつかみ取るんだ。それしかない」
「そうだな、付き合ってくれた二人の為にも。今二人と関係を絶ったら俺は……」
「何か言った?」
「嫌何も」
シギアは思った。
そうだ、今俺を助けてくれるのはこの二人だけなんだ。
ならこの二人の信用だけでも何としてもつなぎ留めて答えないと。
シギアは気合を溜めた。
「はああ!」
シギアはクリウの白魔法を剣で受け押し返そうとした。
「おお!」
「くっ!」
しかし失敗し爆発した。
「ドンマイだ」
「ドンマイ? そうか次頑張ればいいんだ」
二人はまた手合いを始めた。
シギアは小声でつぶやいた。
「悪かったな色々言って」
「え?」
「あ、いや」
シギアは照れくさく聞こえなくて良かったと思った。
レオンハルトの激しい攻めが続く。
「うわ」
シギアは木刀を落とした。
「拾って構えるんだ。剣を落とすのは魂を捨てたような物だ」
「そうだな」
「おーい」
「え?」
振り向くとドレッドがいた。
「俺も混ぜてくれないか」
そしてドレッドも加わった。
シギアは心がほぐれるのを感じた。
そしてシギアはいじめにめげず積極性を先輩達にアピールした。
「お願いします!」
少しずつ皆のシギアを見る目が変わっていった。