料理
スキルを取得するために早速料理を開始した私なのだが……。
まずい!料理のやり方が分かんない!
普段の食事は家の料理長に作ってもらうのがほとんどであり、やったことがあるのはカップラーメンを作るくらいの事だった。
えっと〜、火をつけて〜。それからフライパンに野菜とお肉をぶち込んで〜。
《アイテム『生ゴミ』を生成しました。》
なんでこんなことになってんの!?私は料理を作っている筈なのに!『生ゴミ』ってなんなの!私そんなに下手だった!?
「やっぱりそうなっている事かと思いました。」
「さ、沢田!レベル上げに行ったんじゃないの!?」
「お嬢様は料理をされたことがない事がわかっていたので、料理を教えようと思いまして。」
沢田が私に料理を教えてあげようと、近くで待機していたようだった。正直恥ずかしいけど沢田に聞かないと何も分からない。
「じゃあ、一から料理について教えて!」
「かしこまりました。では早速教えたとおりに料理していきましょう。」ーーー
《アイテム『生ゴミ』を生成しました。》
《アイテム『生ゴミ』を生成しました。》
《アイテム『生ゴミ』を生成しました。》
「えっと……。お嬢様。」
「な、なに?」
「残念ながらお嬢様には絶望的にセンスがないようです。」
なんと私は料理に関しては絶望的にセンスがなかったようなのだ。私は昔から私は昔から1度やればなんでも出来た為、周りからは天才と言われていた。しかし今日人生で初めての失敗をしてしまったのだ。
「あ〜!もう!どうして料理が出来ないの!」
「ん〜……。それでは、コーヒーを作ってみてはいかがでしょうか?」
確かにコーヒーはフライパンとかも使わないしいけるかもしれない。よし!頑張って作ってみよう!ーーー
《アイテム『コーヒー☆2』を生成しました。》
「☆2だってよ!私コーヒーに関しては才能あったのかも!」
「おめでとうございます。お嬢様。」
なんと初めてのコーヒーで☆2を獲得した。☆とはアイテムの等級のことであり☆1が一番下で☆10が一番上である。初めてで☆2というのはかなりの才能を持っているという証拠だ。
ちなみに装備や他のアイテムにも等級があり、『影王のローブ』『影王の短剣』『影王の耳飾り』は全てが☆5だ。でもこの3つの装備は成長型装備と書いてあった為、おそらく私が成長すると☆の数も増えていくのだろう。
「お嬢様は、コーヒーを作るのが美味いみたいですね。でもカフェでは他の飲み物も提供する為、それだけではダメです。続いてはカプチーノを作ってみましょう。」
カプチーノは作るのが特に難しいと言われている飲み物だ。難しい点はミルクを蒸気で泡立てる技術や温度と質感を調整すること。ミルクでアートを描いたりすることもあるのだが、それは初心者にはまず無理だ。
「わかった!やってみる!」ーーー
《アイテム「ハートのカプチーノ☆2」を生成しました。》
「え、できちゃった?」
「流石でございます。」
なんと一発でできてしまった。それも初のラテアートで星2。
「よし!わかった!料理は沢田が担当で、飲み物は私の担当!これでいい?」
「私もそれがいいと思います。」
ということで私は飲み物専門の料理人。いや、バリスタって言った方がいいのかな?まあ、それになることにした。一応職業は料理人ってことになってるけどね?
「お嬢様はもうおひとりで大丈夫そうなので私はレベル上げに行ってまいります。」
「沢田!忙しいのにありがとうね!」
そして、沢田は出ていった。
う〜ん。行ってしまったけど、私は引き続き飲み物を作ろう。でも作ったはいいけど、味はどうなんだろ?見た目は良くても味がダメなら意味ないからね。さっそく試飲しよう。
まずはコーヒーから!苦いのは嫌だから角砂糖は2個くらい入れようかな?
ゴクゴクッ……。
「うわっ!美味しい!」
初めて作った私のコーヒーは大成功だった。普段家で飲んでいるものにはまだまだ全然劣るけど、初めてでこれはなかなか上出来なのでは!?続いてカプチーノも……!
ゴクゴクッ……。
「うん!これも中々いいかも!」
少し苦いのは好みの問題なのでしょうがないとして、ミルクの口当たりが良くてすごくいい感じ!砂糖も入れれば私も十分飲めそう!
それじゃあ、他にも飲み物をいっぱい出したいし、作れそうなものは全て試してみよう!在庫は他の部下達が仕入れてくれるみたいだし、必要なものは全て頼んでおこう。フラペチーノとかも作ってみたいしそれに使うクリームとかも用意しておかないとね。ーーー
「ふ〜。疲れた〜!」
作業を初めてから4時間が経った。その間に様々な種類の飲み物を作ってみたけど、成果は十分だった。作りたいものは全部作れたし、メニューのバリエーションはだいぶ増えそうだ。
でもクオリティーに関してはまだまだ未熟だし、寝る時間まではまだ全然時間がある。それまでにさらにクオリティーを高めていこう。ーーー
ゲーム時間でなんと1日が経ってしまった。現実で言うと4時間だ。夢中でやっていたら、なんだかすごく楽しくなってしまい、気づいたら24時間たっていたのだ。途中で部下が訪ねてきて大丈夫かと心配してくれたけど幸い楽しかったので疲労感は少ししか無かった。
成果については結構良い所までいった。作った全てのものを高水準に仕上げることが出来た。コーヒーとカプチーノに関しては結果的に☆3まで作れるようになっていた。材料は結構使ってしまったけど、未来への投資ということで全然大丈夫だ。
それにしても、現実ではもう寝る時間だ。そろそろ寝ないと沢田に怒られてしまう。ということで今日はもう終わりにしよう。
「設定画面オープン!『ログアウト』!」ーーー
そしてゲームが終わり、再び現実に戻ったあと隣の私の寝室のベッドにそのままダイブした。
ふぅ〜。疲れた。それにしても今日はとても楽しかったな〜!明日は多分本格的にオープンするし、今日よりも疲れそうだ。飲み物も作れるようになったし、情報屋で扱う情報に関しても大量に入ってきたみたいだ。部下にはボーナスもあげないとね!
そんなことを考えながら、私は眠りについた。
現在のステータス
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プレイヤー名『ルナベル』
プレイヤーレベル『26』
種族『影の吸血鬼王』
職業 メイン『暗殺者』
サブ『料理人』
HP『100/100』
MP『500/500』
STR『100(+20)』
VIT『0』
AGI『150(+20)』
DEX『40(+30)』
INT『0』
MND『0』
LUK『50(+40)』
SP『0』
スキル『カウンターLv7』『隠密Lv6』『弱点看破Lv4』
『加速Lv7』『忍び足Lv1』『投擲Lv1』『跳躍Lv1』
『ボーンスマッシュLv1』『影王の黒煙Lv1』
『影王の両腕Lv1』『影の決闘場Lv1』
称号『うさぎの虐殺者』『影王の討伐者』
『ジャイアントキリング』
装備『影王のローブ☆5 STR+10 AGI+20』『月の仮面』
武器『影王の短剣 ☆5 STR+10 DEX+30』
アクセサリー『影王の耳飾り ☆5 LUK+40』
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