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お婆さんの頼み

《ユニーククエスト『お婆さんの頼み』が発生しました。受理しますか?YES/NO》


ん?ユニーククエスト?ユニーククエストって確か特定の条件を満たすことで発生するクエストじゃ?私なんかしたっけ?

あれ、下になんか書いてある。


《発生条件:種族が吸血鬼で暗殺者のプレイヤーが昼の時間に始まりの森でレアドロップアイテムを30個獲得する。》


クエストの数はほぼ無限って言われてるけど、まさかこんなのがあるなんて。しかも結構限定的な条件だ。とりあえず初めてのクエストだ。もちろん受理しよう。


ポチッ


《クエストを受理しました。》


「それでお願いっていうのはなんですか?」

「まあまあ、一旦着いてきんさい。」


そして言われるがままに歩いていると、小さな家にたどり着いた。


「まあ椅子に座りんさい。」

「あ、はい。」


ギギギ……!


「お嬢さん吸血鬼でしょ?私も同じ吸血鬼なのよ。」


発生条件には吸血鬼で暗殺者の職業についているプレイヤーだけに発生する的なことが書いてた。ということは……


「お婆さん、もしかして暗殺者ですか?」

「ほぉ、よくわかったね。そうさね。私は吸血鬼の暗殺者。」


私と同じだ。吸血鬼はデメリットが多いから選ぶ人もおそらく少ないし、暗殺者は暗いところの方が有利だから昼はあんまり戦わない。それに発生条件に昼の時間のみと書いてある。プレイスキルとかも相まっておそらくこのクエストを受理できるのは私くらいなのかもしれない。


「それでお願いなんだけどね〜。お嬢さん、私の後継者になってみんかい?」

「後継者?」

「そう、私は元々吸血鬼の王の1人だった。もう歳だったから後継者にその席を譲ろうとしていたんだけどね、相応しい者が居らんかったのだ。そこでお嬢さんを見つけた。」


つまり私に吸血鬼の王になってほしいって事!?王って事は私どっかの国納めなきゃなんないの?そんなのめんどくさいって!


「あぁ、安心しなさい。別に王になったからって仕事はなんにもない。ただ私の種族とスキルを継いで欲しいだけなんだ。」

「種族とスキル?」

「そう。私はただの吸血鬼では無い。吸血鬼の最上位種族『影の吸血鬼王(シャドーヴァンパイア)』だ。王は炎、波、嵐、大地、雷、光、影の7人が存在する。影はその内の1人だ。」


ほぉ〜、七人の王ね。中二病みたいでなんかかっこいいかも!


「それで、今なれってことですか?」

「いいや、今すぐは無理だ。お嬢さんにはある祠に存在する『影の宝玉』というものを取ってきて欲しい。それを持ってくることが出来たら王となれる。」


祠っていうのはダンジョンみたいなものかな?そこからアイテムを持ってくればクエスト達成と。


「わかりました!じゃあ早速行ってきますね!」

「まあまあ少し待っとくれ。どこにあるかもわかんだろうに。」

「あ、すみません……。」

「祠の入口はここ帝都の何処かに存在する。そこからは自分で探しておくれ。」


帝都ってどんだけ広いと思ってんの!一体何日かかるのか検討もつかないよ……。


「まあ気長に探しなさい。私は終わるまでここで待っているからね。」ーーー



いや、色んなと頃を回ってみたけど何も無いよ〜。影の吸血鬼王なんだし暗い所にあると思ったんだけど広すぎてどこから探せばいいかもわかんないし。


「ん?ここはどこ?」


色々回っているうちにどうやら迷子になってしまったらしい。人もあんまり見当たらないし、ここからどう動こうか。沢田でも呼ぶか?……あれ、向かうになにか見える。ーーー



ここは……、墓地?なんか不気味な雰囲気だな。早く墓地から離れよう。……いや待てよ?墓地こそ何かありそうな匂いがプンプンする。少し行ってみようかな?


テクテク……。カサカサカサ!カサカサ!


何これ。この墓石、他のと比べてなんか古くない?苔なんかも生えてるし。ちょっと調べてみよう。ーーー



あれ?なんかここの石畳だけ少し新しい?あ、少しだけ動きそう!何かあるかな?


ガラガラガラ……


はしごがあった。覗こうとしたが奥が見えない。ここは絶対何かある。よし、少し怖いけど降りてみよう。


タッタッタッ……


着いた〜!一番下まで下るのに10分くらいかかったんじゃない?長すぎるよ〜。


《特殊ダンジョン『影の祠』に入りました。初めてのプレイヤーです。殿堂に名前を残しますか?YES/NO》


影の祠!多分いや、絶対ここが影の宝玉のある場所だ!何日も見つかんないものかと思ってたのに、私やっぱり運良くない?

にしても、中はお城みたいだ。柱には松明が1つずつ付いていて、それ以外はただひたすらに長いレッドカーペットの道のり。まだまだ先は長そうだ。


テクテク……


ん?遠くに人影が……、あれはスケルトン!?


ダークスケルトン Lv9

うわ、私よりレペル高いじゃん!しかも軽く10体はいる!ここは一旦逃げる?いや、戦おう。当たって砕けろだ!


タタタタッ!!


スケルトンが剣を振りかざし襲ってきた。ここはこのスキルで!


「スキル『カウンター』!」


パリンッ!


よし!剣を交わしつつ、スケルトンの心臓にあった石を一突き、即死だ!これならスキルを使わずとも後ろから回って攻撃すれば……!


パリン!パリン!パリン!


ふぅ〜、倒せた!私のAGIが高いのか相手は剣を振る暇もなくやられた。


《レベルが上がりました。Lv8→Lv9》

《スキルのレベルが上がりました。『カウンターLv1→Lv2』》

《スキル『隠密Lv1』を習得しました。》

《スキル『弱点看破Lv1』を習得しました。》

《スキル『加速Lv1』を習得しました。》


うわぁ!なんかいっぱい通知が来た!どれどれ?

『隠密Lv1』は気配を消すことが出来る。『弱点看破Lv1』は相手の弱点を見抜くことが出来る。『加速Lv1』は発動時に30秒間AGIが1.5倍上昇。どれも最高じゃん!

レベルもアップしたし、今回のSPはLUKに振ってみよう!クリティカル率の上昇はなかなか魅力的だし?


《アイテムがドロップしました。》


えっとアイテムは……『ボロボロの剣(耐久力皆無)』と『ダークスケルトンの奥歯』。うん、ゴミだ。


それにしても1回の戦闘でこれだけ色んなものを貰えるなんて、やっぱり私は運がいい!またダークスケルトンと戦えないかな〜?とりあえずこのまま進んでみよう。ーーー



随分歩いたけど敵は愚か、何も無い。戦いってさっきのだけだったのかな?あと少しでレベル10だしもうちょっとだけ敵が出てきてくれればいいんだけどな〜。


テクテクテク……


歩いていたら、扉を発見した。

何この扉?巨人が入るくらいの大きさがある。もしかしてここに影の宝玉が置いてあるのかな?でもそれじゃあ簡単すぎない?多分この扉の奥に宝玉を守るモンスターとかがいるのだろう。


ギギギギギギ!!


私に反応するように勝手に扉が開いた。

びっくりした!こんな静かでくらいところで急に脅かさないでよ!にしても扉が開いたのに中は真っ暗で何も見えない。


バッ!


私が部屋を入ると同時に扉は閉まり、奥の方から順番に青い炎がともされていく。そして奥の台座には、ダークスケルトンのような座っている。

ダークスケルトンにしては大きくない?それに黄金にローブも羽織っている。


「ウォォォォォ!!!」


突然スケルトンの方から図太い叫び声が飛んできた。

もしかしてダンジョンボス!?


《ダンジョンボス『影の吸血鬼王の亡骸Lv50』が出現しました。》


は?ダンジョンボス、レ……レベル50!?



現在のステータス

ーーーーーーーーーー

プレイヤー名『ルナベル』


プレイヤーレベル『9』


種族『吸血鬼』


職業 メイン『暗殺者』

サブ『料理人』


HP『100/100』

MP『100/100』

STR『40』

VIT『0』

AGI『100』

DEX『15』

INT『0』

MND『0』

LUK『25』


スキル『カウンターLv2』『隠密Lv1』『弱点看破Lv1』

『加速Lv1』


称号『うさぎの虐殺者』


装備『黒のローブ』『月の仮面』


武器『初心者の短剣』


アクセサリー『無し』

ーーーーーーーーーー


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