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開店

「今日も一日頑張りましょうか!」


私は朝起きるとすぐにログインした。昨日はずっと料理をしていたため精神的にどっと疲れていたが、今日はついに『月見亭』の開店ということで、少し張り切っていた。


《プレイヤー『サワダ』様よりメッセージが届いています。》


そういえばフレンド登録してたっけ?


《「お嬢様。開店までまだ時間はありますが、一応早めに来てください。」》


なるほど?下準備とか諸々しないといけないしね。食材とかはみんなが準備してくれてるし、私はやる事あるのかな?とりあえず行ってみよう。ーーー



「みんな、お待たせ!」

「お嬢様。おはようございます。」


店に来ると沢田とその他の部下が準備をしていた。


「これで全員なの?」

「はい。総勢10名全員揃っております。」


この『月見亭 本店』は私とその他の店員を全員合わせて11人だ。基本的に私達の業務は客に料理と情報を提供すること。全員が料理を作り、全員が情報屋として働く。

私の業務は他とは少し違い、基本的にはカウンターで飲み物を作っているが、有名なプレイヤーや上流階級の客が来た時のみ情報屋として対応する。


「下準備はまだ時間がかかりそうですので、その間に業務資料を確認しておいてください。」

「わかった。ありがとう!」ーーー



さあ、みんなが準備をしている間に私はコーヒーを飲みながら資料を見てよう。


なになに?うわ〜!今入ってきている情報を見てるけど、こんな短時間でここまでの情報を仕入れてるの!?しかも今この間も情報が提供され続けてる!


まあ、情報を見終わる前にこの『月見亭』の組織図を説明しておこう。

まずこの店は本店と複数の支店で別れている。本店の店長である私が組織のトップ。その直属の部下が沢田でありナンバー2。そのナンバー2の沢田が、私の代わりに他の全従業員を統括している。

役職は『店長』『副店長』『支店長』『副支店長』『従業員』『情報部』などがあり、その中でも特に重要となるのが『情報部』だ。

『情報部』は常に色々な所を駆け回り、どんな些細な情報でも入手する。つまり『情報部』が無いと、うちの店は回らない、なんともありがたい存在だ。


私は好きにゲームをしていいと言われている為、普通に冒険をしている事があるが、もちろんちゃんも仕事もする。ドリンクを提供したり、情報を売り買いしたり、部下たちの要望に応えたり、まあ色々だ。


「お嬢様。だいたいの下準備は終わりましたが、そろそろ開店をしてもよろしいでしょうか?」


あー!もうそんな時間なんだ!でも少し不安だな〜?接客は初めてだけど、一通りマニュアルに目を通したし大丈夫かな?


「いいよ!そろそろ開店しようか!」


そして私は店の外に出て、『CLOSE』の看板を『OPEN』にひっくり返した。

これにて『月見亭』、営業開始だ!!!ーーー



ついに開店した。とは言ってもすぐに客が来る訳ではない。ちなみに宣伝はほとんどしていない。今最前線で冒険しているプレイヤーや、上流階級に少しだけ噂を流した程度なので、おそらく今日はお客さんが少ないだろう。


カランカラン!!!


早速扉が開いて1人の客がやってきたようだ。


「いらっしゃいませ。お客様。お好きな席におかけください。」

「ここが、月見亭で合ってるか?」

「ええ、そうです。」


1人目のお客様は大きい斧を背中に携えた、綺麗なお姉さんだ。髪は赤色のポニーテールで目は緑、服は全身鎧。確か私の見た情報によると……。


「もしかして、ギルド『赤靂団(せきれきだん)』のギルドマスター『カルナ』様ではありませんか?」

「おぉ!私の名前を知っているのか!」

「えぇ。お噂はかねがね。」


今来たのは、現在最強と呼ばれる7つのギルドの内の1つ『赤靂団』のギルドマスターであり、最強の狂戦士と呼ばれる『カルナ』だ。正直、最初の客がこんなに大物だとは思わなかった。


「今日はどのようなご要件でしょうか?」

「あぁ、実は噂で情報を扱っていると耳にしたのだ。しかしどうやらカフェもやっているらしいじゃないか。ということでまずはコーヒーでも頼むとしよう。」

「かしこまりました。少々お待ちください。」ーーー



そして私はコーヒー豆を挽き、黙々と作っていく。


「お待たせしました。コーヒーです。お好みで砂糖とミルクもどうぞ。」

「ありがとう。早速いただくとするよ。」


ゴクゴクッ……。


うわ〜……。初めて人に飲ませる。味はどうだろう?大丈夫かな?


「うん!美味しい!」

「ありがとうございます。」


やった〜!褒められた!少し心配だったけど本当によかったよ〜!


「それでだ。情報を扱っているらしいがどの程度の情報が手に入る?」

「お金さえ支払っていただければなんでも。」

「なるほどな……。ではひとつ聞いていいか?」

「情報を買う際は別室での対応となります。こちらへどうぞ。」


そして私は彼女を地下の一番奥の部屋へと案内する。


「おぉ、地下もあるのか!なかなかの出来だ!」

「それはもちろん、従業員が用意してくださいましたので。」ーーー



ガチャ……!


一番奥の部屋に到着し、彼女を向かいのソファに座らせる。


「それで、本日はどのような情報をお求めでしょうか?」

「あ、その前にまずは名前を教えていただいてもいいだろうか?」

「これは失礼しました。私は『月見亭 本店』の店長『ベル』と申します。」


ここでは『ルナベル』ではなく『ベル』と名乗ることにしている。「私はルナベルです。」とか言った日にはとんでもない数の人から狙われてしまうので、偽名を使うことにしている。


「そうか、いい名前だ。」

「それはありがとうございます。それでお求めの情報というのはなんでしょうか?」

「ん〜、実は少し調べて欲しいことがあるんだが……。ベルさんは『ルナベル』というプレイヤーを知っているか?」

「はい。それはもちろん。」


うわっ!危なっ!あと少し反応するところだったんだけど!それより私に関する依頼は来るとは思ってたけど、一発目からこれ!?


「実は内のギルドに勧誘したくて探しているのだが、なんでもいいから情報は入ってきて居ないだろうか?」


どうしよう!?知らないって言う?でもそれじゃあ、カルナさんが帰ってしまうかもしれない。だとしたらとんでもない額を請求して情報を売る?でもそしたらなにをされるか分からない。うわ〜……。本当にどうしよう……。


「いくつか情報が入っておりますが、どうされますか?」

「本当か!?金はいくらでも払う!だから教えて欲しい!」


言っちゃった〜!どうしようどうしよう!適当なこと話しちゃった!でも金は払うと言ってるし、役に立たない情報を売る?でもでも、それでカルナさんが怒って帰ったら、これ以降来なくなってしまうかもしれない。あ〜もう!誰か助けてよ〜!!!

現在のステータス

ーーーーーーーーーー

プレイヤー名『ルナベル』


プレイヤーレベル『26』


種族『影の吸血鬼王』


職業 メイン『暗殺者』

サブ『料理人』


HP『100/100』

MP『500/500』

STR『100(+20)』

VIT『0』

AGI『150(+20)』

DEX『40(+30)』

INT『0』

MND『0』

LUK『50(+40)』

SP『0』


スキル『カウンターLv7』『隠密Lv6』『弱点看破Lv4』

『加速Lv7』『忍び足Lv1』『投擲Lv1』『跳躍Lv1』

『ボーンスマッシュLv1』『影王の黒煙Lv1』

『影王の両腕Lv1』『影の決闘場Lv1』


称号『うさぎの虐殺者』『影王の討伐者』

『ジャイアントキリング』


装備『影王のローブ☆5 STR+10 AGI+20』『月の仮面』


武器『影王の短剣 ☆5 STR+10 DEX+30』


アクセサリー『影王の耳飾り ☆5 LUK+40』

ーーーーーーーーーー

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