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ヘタ歴史!  作者: 冬空奏
6/7

第7代目「湿田どうでしょう」

さてはて、久々すぎて何も書く気がおきませぬ。

それでは、どうぞ!


今は昔。

そこには、稲作を主流にした民族がいた。

今回は、その稲作野郎をクローズアップしてみていこう。


「やっば、ここ実るわ。きたこれ」

「は、マジで!?ちょ、うち実らないんですけど」


稲を持った、濃い顔の男は稲穂を石包丁で取りながらそういった。

その濃いのが発した言葉を、脱穀していた大泉洋似の男は聞き返事をした。

濃厚が「ここ」という言葉を使っていることから察して、まだどちらも乾田ではないようだ。


「やっぱ祈年祭のおかげだわ」

「あー!!うちの集落やってねぇわー。それでかー……」


まるで現代人かのようなリアクションをとる大泉。

ここまでくると、そういう系統の人の祖先なのかもしれない、と思わせるほどである。

濃厚は大泉のリアクションに対して、眩しい笑顔で笑った。

そして、からかうように言った。


「んだんだ。そりゃぁ実るもんも実らねぇわ。おめーんとこに子供ができないのもそれが原因じゃね?」

「あー、そうかもしれねーわ。ちょっと石棒磨いてくるわ」


その冗談を真に受け、大泉は脱穀作業を中断し、石棒を磨き始める。

もちろん、生ものではなく、ちゃんとした石のアートである。

濃厚はそれにひきつつも、一生懸命に稲穂狩りをしている。

金色に輝く稲穂を、人類の英知で少しずつ、少しずつ、刈り取ってゆく。

稲穂が光をさらに発する夕方に差し掛かり、大泉と濃厚はそれぞれ帰路についた。


「んじゃま、残りの稲穂を明日で」

「おーけー。すまんなぁ、いっつも手伝ってもらって」


すまなそうにする濃厚に、大泉は笑って答えた。


「いやぁ、実ってる稲穂を見るのは楽しいからいいのよー」


濃厚はそれをきき、いつものまぶしい笑顔で笑った。

そして、大泉と濃厚は別れを告げ、せっせと歩いて家に帰った。

その途中、大泉はあることを思いついた。


(あの米をうちのものにすれば、俺、すごくなれんじゃね!?)


そう考えたのである。

なにせ、米の収穫量がものを言う時代。

こうなることも致し方ないであろう。

そして、大泉は早速実行にかかる。

濃厚の水田まで行き、おいてある米を拾って自分の高床式イナバへ放り込む。

その作業を1時間弱、一人で遂行した。

そして、翌日。


「おい!貴様、うちの米を奪ったな!!」

「あれー?米のない奴がそんな口きいていいのかなー?大米持ちぞ?我、大米持ちぞ?」

「つか、とってねぇし」


濃厚に向け、某アイドルのポーズをとり、大泉は言った。

だが、それを証明するということはできやしない。

そこで、濃厚はこういった。


「貴様が本当に奪ってるか奪ってないか、このお湯につけて判断しよう!!」

「あ?お湯?」


ここで、濃厚は熱湯を用意した。

大泉はきょとんとしている。

そんなこともかまわず、濃厚はルールを説明する。


「さぁ、此処に手をいれな。皮膚がただれた方が、うそつきっつーわけだ。簡単だろ?」

「あ、あぁ……。言いだしっぺのお前からやれよ?」

「あ、あぁ!」


大泉にのせられ、最初にお湯に手をつける。

熱さに耐えられなくなり、すぐに手を出した。

おおよそ、5秒といったところか。


「うっし、お前もいれろ!」

「お、おぉ……」


大泉も、湯に手をいれる。

5秒後、手を出す。

もちろん、リアクションは神の粋だ。


「あぢぃぃぃ……」


大泉は自分の赤くなった手を見ながら言った。

それを見て、濃厚はにやりと笑う。


「ふふ、貴様がうそつきだ!」

「な、なぜ!?……はっ、手がただれていやがる!!」


某蝶ネクタイのように、ずばりと言い当てる濃厚。

大泉は真に受けて、こういった。


「俺がやった。正直、すまんかった……。すべて返そう」

「おう!それでいいんだ!!」


下を向き、涙を落とす大泉に、濃厚は手を差し伸べる。

そして、また再び、二人で収穫作業に入った、と。

もちろん、大泉は翌年の祈年祭、新嘗祭には参加したとか。


これが後の「友情」「裁判」の元になるとは、まだ誰も知らなかった……。


いかがでしたか?

…久々すぎて、よくわからなくなりましたががが。


すごく好きなんです「盟神探湯」で「くかたち」って読むとこが。

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