3.追加依頼にゃ
部屋に入って来たの人はこの屋敷の住人で名をアシーネと言うそうです。
決して『ア、死ね』じゃないです。
「それで、私に協力して欲しいって事ですか」
「ああ、そうだ。ここの町長からの依頼として出しても良い」
「縁者なの?」
「町長は私の叔父だ、西にある死霊の森を浄化して欲しいんだ」
「それってかなり広範囲ですよね」
実に猫の森と同じくらい。
中心地に行くのに1日かかる場所です。
バタバタバタバタッと言う音がまたもや部屋の外で鳴った。
次は誰かと緊張していると、人が入って来た。
人である事が重要です。
「さっきの魔法は君か!!」
ドアを開けると同時に怒鳴られた。
「あ、ヤパシーネ叔父さん」
お髭が立派なちょっとこじんまりとしたオジサンでした。
決して『やっぱ死ね』じゃないですよ。
「もしかしてこの人が?」
「そうです、アルローの町長ですよ、あとこの部屋の依頼主」
「ああ、違約金で儲かってる方ですね」
「だ、だれだね、そんな事を言うのは」
そんなこんなで、話はトントン拍子に進み、追加でクエストを貰いました。
「それにしても町まるまる浄化させるとは驚いた」
「……」
ここにきてようやく理解ができた。
投影されるべき魔法陣みたいなのは、大きすぎて見えなかったと言う事。
ふふん、なんだか慣れて来ました。
「この部屋、暫く貸してもらえないですか?」
「おお、良いぞ良いぞ。また出たら浄化してくれるなら、タダでいいぞ」
「それはちょっと嬉しいかも」
「それで、森の浄化って私一人で行くの?報酬はどれくらい?」
「冒険者20人を雇おう。ニヤ殿への報酬は、そうじゃのぅ、1ゴールドでどうじゃ、森の中心部にある屋敷の浄化でよい」
1ゴールド、つまり100シルバー。
そんなお金見た事ないよ。
だいたい貴族が使うのはゴールド、市民が使うのはシルバー、家無しが使うのはブロンズなんて言われてる。
食べる食事のランクも差があるからというのもあるけど、それで事が足りちゃうんだよね。
「この町に影響ないなら、放って置けばいいんじゃないの?そんな大金掛ける程の意味があると思えないケド」
「ここの井戸水を飲んだ事はあるじゃろうか」
「まだないけど」
「飲まん方がええ、瘴気に侵され、病気になるわい」
「それは大変だね~」
「それもこれも、死霊の森が地下水にまで影響してるんじゃ。このままでは町民が病気になるだけじゃなく、誰も住めなくなってしまうわい、もしかすると猫の森まで影響がでるやもしれん」
「にゃーー!!」
ナーゴが私に訴えかけて来た。
そうだよね、流石にそれはダメだよね。
「じゃあ、受けます。同行者は要らないので、冒険者を雇う分を私にください」
「なん……じゃと!?」
結局、依頼料は2ゴールドになった。
すっご!一生遊んで暮らせそう。
ところが、残念な事にアシーネさんが付いて来ると言う。
それを断ろうとしたら依頼料を1ゴールド追加すると言ってきた。
合計3ゴールド、お金には勝てなかったよ。
でも、そうなるとフードは脱げないし、ナーゴは猫の真似したまま。
きっと大丈夫でしょ。
ギルドに行くと、浄化の話で持ち切りだった。
皆はこの町の水が危険だと認識してて、移住を考えていたとか。
そうなると、1ゴールドの依頼料が破格に見えてくる。
受付に幽霊部屋の依頼が終わった事を伝えると、奥に通された。
この町のギルドマスターが直接会いたいという話。
「いやあ、まさかメイジと言いながら、エクソシストだとは驚きましたよ」
「メイジは本当ですよ」
「まぁ、呼称はどちらでもいいでしょう」
「メイジですからね?」
「分かりました、大魔導士様。それで先ほど報告が上がって来たのですが、井戸の水が浄化されていたそうです。本当に有難い話です」
「セイクリッド・サークルは浄化魔法だから範囲の水はそうなったって事よね、だったら一時的な効果じゃない?」
「ええ、その通りです。それで大魔導士様に直接指名の依頼が来た訳ですな。もう依頼は受理していただいたと解釈してよろしいのでしょうか」
「うん、大丈夫」
「安心しました。この町を宜しくお願いします。つきましては──」
ギルド加入して最初はブロンズ5位、そこから徐々にランクを上げて1位まで行くとアイアン5位になれる。
以前はブロンズ4位だったんだけど、今回またブロンズ5位からやり直し。
ところが今回の件でアイアン5位スタートにしてくれた。
有難いようなむず痒い様な。
ちなみに、フォーチューンナイトのメンバーのランクも、アイアンだった。
もしかすると、追い抜いちゃう?
そして、明日までかかると言われたギルドプレートも急遽作ってくれてたのです。
これがある事で、町の出入りが無料になる。
このギルドプレートにはデフォルメされた私の人相書きが彫られてる。
魔導技術で彫るんだけど、フードを取った状態をイメージして作ったっぽい。
猫耳が映ってないなら、まぁいいよね。
【設定】ギルドランク
下からブロンズ、アイアン、シルバー、ゴールド、プラチナのランクがあり、それぞれ5位~1位の区分が存在する。
アイアンからシルバーに昇格したい場合、まずアイアン1位になる必要がある。
昇格試験は通常、技能試験、面接、対戦試合にて確認されるが何をどう行うかはギルドマスターの裁量で決まる。




