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勇者の紋章  作者: 斎藤雨
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プロローグ



30年前、この世界に魔王が現れました。


魔王はその膨大な魔力で世界各地に魔界とこの世界を繋ぐゲートを開き、破壊と混沌をもたらしました。

世に言う人魔大戦の勃発です。


当時の兵器では、ゲートを通って現れる魔族や魔獣たちに決定打を与えることが出来ず、世界は危機に陥りました。

それでも、古来より魔界に関する研究を行い、その技術を研鑽してきた魔術師たちの活躍によって、人類が滅びることはありませんでした。


しかし、ゲートが開いている限り戦いが終わることはなく、気が付けば20年もの月日が流れていました。

そんな中、大戦の決着は唐突に訪れます。


各戦場で武勇を誇った英雄たちの存在です。


彼らは各地の戦場を収めると一所に集い、魔王を倒しにゲートを抜け魔界へと向かいました。

迫りくる魔王の眷属たちを退け、魔王の元までたどり着き、最後の戦いに臨みます。


魔王の強さは想像以上で、英雄たちは苦戦を強いられました。

その戦いは3日間に及んだといいます。


そんな死闘の果て、彼らはついに魔王を倒し、世界に平和が訪れたのです。


しかし、そんな平和は長くは続きませんでした。


戦争の終結から10年が経った今、再び戦いが始まろうとしています。


私たちの戦いはこれからだったのです。





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