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雪降る季節  作者: 狐猫
6/11

約束した事

「成績が下がっている……」

「…………」

 静かな鋭い声が御影みかげの耳に聞こえてきた。

「最近は勉学に身が入っていないようだな。」

「…………」

 御影はただ、黙っていることしかできなかった。

「学校でお前に何があるかは知らないが、このままで良いとはいませないぞ……」

「はい……」

 御影は自分の父親に口答えがしたことがなく、ただ言われるがままにしてきた。

「あなた、御影さんだって色々あるのよ」

「お前には関係のない事だろう」

「関係がないって……!」

 父親と使用人の言い合いはいつもの事であるが、昔は言い合いなどなく、明るい家庭だった

「御影、お前はもう部屋に戻れ」

「はい……」

 御影は父親に言われ、広間の扉を閉めた瞬間に言い合いは始まった。

「御影には冬休みの初めの一週間は勉学にしてもらう。家庭教師も付けて、成績が下がってた部分の底上げをする。」

「最初の一週間はクリスマスが入ってますよ! 御影さんだって、ご友人との予定だって……!」

 いつも大きな声で言い合っているから、当然この言い合いも御影の耳に届いている。

ゆい……」

 御影は一人縁側から雪が降る空を見上げ一人呟いた。




「あなたはいつも、いつも、成績にこだわりって御影さんのい事を考えないで!」

「他人のお前に、御影の何がわかる?」

「わたくしは御影さんが小さい時からっ……!!」

 声のトーンが一つ下がり、冷たい目線で言い放つ。

「なら、言い方を変えよう……血のつながりの無いお前に……」

「っ……!」

 御影の母は御影が小さい時に交通事故で他界してしまった。その時から御影の父親は変わってしまった。勉強にうるさくなり、人に冷たくなってしまった。

「あいつさえ、いれば……」

 その時の父親の顔はどこか寂しいような顔をしていた。




 御影は唯にこの事を伝えるか悩んでいた。唯にクリスマスに予定が入るかもしれないことを伝えておけば、もしも予定が入ってしまった場合でもなんとかなると思っていた。

「唯……クリスマスに用事入りそう」

『どうしたの?御影』

「成績が下がって……」

『またその話?正直に言えばいいのに』

「ボクには、そんなことできないよ……」

『わたしが何とかしようか?』

「それは、唯に悪いから……」

『うん。わかった。でも、御影も無理しちゃだめだよ』

「ありがとう。唯……」

『気にしないで』

 唯の事を伝えて、御影は内心、安心していた。




 唯は御影からの事を受けて、一人考えていた。

「御影は、それでいいのかな?わたしが御影のお父さんに言いに行っても……許してもらえるかわからないけど、行かないで後悔するより、行ってから後悔しよう!」

 唯は明るく、前向きに考えていた。

『明日行くね』それだけ御影に伝えて、唯は一人寝ることにした。


    クリスマスまであと2日――


多分、読んでる人いないと思いますけど、読んでいただきありがとうございます。

多分、続きます。

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