約束
二年前の事は二人にとって大切な思い出。今でもはっきり覚えている。
「今年のクリスマスはどうする?」
「どこでやるかって事?」
「そうそう。またうちでやる?」
「それは、迷惑になるんじゃ……」
「ちょっと聞いてみるよ」
クリスマスパーティーをやると言っても御影はクラスで孤立しているため、誰かを誘うと言うことができない。そのため、唯はクラスで仲のいい人を誘ったりしなかった。御影に迷惑が掛かると思ったのだ。
「ゆ、唯はさ。 クラスの人のクリスマスパーティーやったりしないの?」
「唐突に聞いてくるね。 しようって話は出てたけど断ったよ」
「どうして?」
「御影と一緒にすごしたかったから……かな?」
御影は唯の言葉を聞くと少し恥ずかしそうにした。その恥ずかしさと一緒に嬉しい気持ちも湧き上がってきた。
「うち大丈夫だって。 お母さんが「お母さんに任せて!!」だって」
「叔母様らしいね」
二人はお互いにプレゼントを渡すことを考え何が欲しいかを考えるが、お互いに何が喜ばれるかわからないまま、沈黙の時間が続いた。
「御影は、何か欲しいものとかある?」
「ど、どうしたの急に……」
「プレゼント、何がいいかなって」
「ぎ、逆に唯は何が欲しいの?」
「ど、どうしてそんなこと聞くの?」
「唯が先に聞いてきたからだよ」
何が欲しいか、聞いてところで意味のないことだと知りつつも、自分で考えてもわからないままだと思い、お互いに聞き合ってしまう。
「わたしは、御影がくれるものなんでも嬉しいよ」
御影の顔は赤くなっていた。マフラーで自分の顔を隠すようにしようとしても、唯とマフラーを巻いているためにその行動ができなかった。
「ボクも……唯がくれるものなら何でも嬉しいし、ずっと大事にする……」
「ほんとに、なんでも嬉しんだね?」
その言葉を聞いて、不安になる御影を見て、笑顔の唯が御影にはとても眩しく見えた。
「変なのはいらないよ……?」
「変なのって何よ」
お互いにプレゼントを渡す事を知ってしまったために、相手よりも良いものをっと考える二人であった。
「クリスマス楽しみだね……」
「また、止まっていかない?」
二年前のクリスマス同様に止まっていく事を提案した唯に少し嬉しそうに返事をする御影。
「うん。また、泊まっていく……」
「一緒にお風呂入ろうね」
「は、入る……」
当たり前の事のように言う唯に驚きを隠せないまま、入ると言ってしまった御影がいる。
唯が御影の気持ちを知っているのなら、からかっているのかもしれない。でも、二年前に唯は御影の事が好きだと言っていたことを、脳裏によぎる。
「恥ずかしいの?」
「そ、そうゆうわけじゃないよ……」
唯は御影の言動から、御影の気持ちを少しだけ理解して、自分と同じなんだと思ってしまう。
「御影、またね」
「うん。またね」
御影は多分だけど、わたしと同じ気持ちなのかもしれない――
唯と一緒に寝る事になったらボクは――
悪い方の意味の適当ですよね。うん。忙しくて(嘘)これからも頑張っていきたいです。アディオス