2年前のChristmas
深夜――
みんなが寝静まる時間にうちの家のリビングには明かりがともっていた。
「ふっ……当たり前のことだ」
「あなたはいつもそうやって! 少しは褒めてあげることはできないの!?」
「当然の事をなぜ褒めないといけないんだ?」
「当然の事って……」
親の言い合いが家の静寂を壊して行く。
当然のことながら言い合いの声は2階まで響き渡っていた
「また……ボクの……成績の話で……」
親の言い合いの議題は、成績、テストの点数、保護者面談、その他色々ある。その討論は、毎週のように行われている。いわば恒例行事だ。
今日もその言い合いは終わらりを告げることはないのであった。
「あ。御影! おはよう!」
「おはよう。唯」
一人で歩いていた御影に唯はいつも通りにこやかに挨拶をする。
唯は御影の隣に寄り添い一緒に住宅街を歩いて行く。
「ボクなんかと一緒に学校に行くの? 唯も嫌われるよ?」
「毎回そんなこと言ってるよね」
「言っても唯がわからないからよ。嫌われてるのは本当の事だし……」
「わたしは御影と学校に行きたいの。御影が周りから嫌われてもわたしは御影の事を好きでい続けるからいいの」
そんな言葉を聞いた御影は少し頬を赤く染めた。
「そんな恥ずかしい事よく堂々と言えるね」
「だって……御影の事をよく知ってる人なんてわたし位だから」
その言葉を聞いて御影は少し嬉しそうに笑顔を唯に向けた。
「ありがとう。唯」
「つらい時や困った時とかはいつでもわたしのとこにおいで。御影の話聞くから」
唯は真面目な顔で御影にそう告げた。御影は唯の真面目な顔を見て思った。
「(ボクなんかのために……唯は……)」
「今、ボクなんかのためにって思ったでしょ? 御影だめだよ。そんな事思ったりしたら」
「なんで今ボクが思った事わかるのさ」
「秘密♥」
そんな、いつもと変わらない唯を見て御影の一日が始まる。
「おは~唯!」
「おはよう」
「唯ちゃん今日も可愛いね!」
「そんなことないよ」
学校が近くなれば同じ学校に通う人達に合うのは当然の事だ。
唯は挨拶をしてくる人に笑顔で挨拶を返す。
「唯。ここからは一人で行った方がいいよ」
「またそれ?御影は周りの評価を気にしすぎ。だれも御影を悪く言わないよ」
唯は御影の周囲からの評価は全く気にしない。
「それでも、万が一があるから。唯はボクを置いて先に行って」
「御影はさ。わたしのことが嫌いなの?」
「そんな事はない……ボクは唯が好きだよ」
「それなら……」
唯は御影の腕を強引に引っ張って歩いて行く。
「ちょっと待って……唯」
「ほら!行くよ!」
御影は唯の行動に流されるがまま唯と腕を組んで歩いて行く。
「なんか、付き合ってるみたいだね」
「よく平然とそんな恥ずかしい事言えるね」
御影と唯は耳まで赤くしていた。
「でもちょっと恥ずかしいかも……」
「ならやめればいいよ」
その言葉を聞いた唯は腕を組む事をやめなかった。やめるどころか二人の距離はもっと近くなっていた。(物理的な意味で
「温かいよ~御影」
「マフラー持ってこないから寒いんだよ。ボクの使っていいから」
「そしたら御影が寒くなっちゃうよ?あっ」
唯は何か思いついたかのようなしぐさをみせてから御影の巻いていたマフラーをとって、唯と御影の首に巻き付けてた。
「ゆ、唯!?」
「こうすれば二人とも温かいね」
「そ、そうだけど……」
御影は唯とさらに距離が縮まり、御影の心臓の鼓動はどんどん早くなっていく。
御影はある日から唯に抱いていた感情が津波のように押しをせてきて、今にも感情が行動に出そうになっていた。
「ゆ、唯……」
「このまま学校行こう」
御影が小さな声で呟いた唯の名前は唯自身は聞き取れていなかった。
「あっ。あれ明宮さんじゃない?」
「ほんとだ。一緒にマフラー巻いてる人って十六夜さんじゃない?」
「感じ悪い人だよね」
「なんで明宮さんと一緒にいるのかな?」
「明宮さんが優しいからでしょ」
前の方から唯と御影の話をする生徒の声が聞こえてくる。
当然、唯と御影の話である。なぜ御影と唯が一つのマフラーを巻いているのか。なぜ一緒に登校しているのか。正反対の二人が一緒にいることは当然、御影と唯以外にはわかるはずがない。
明宮 唯と十六夜 御影が誰も幼馴染だとか友達だとか思うわけがない。
「御影は悪い事なにもしてないのに」
「だから、ボクと一緒にいたらだめだって言ったのに」
「みんな御影が優しい事知らないから」
「知っても誰もボクに関わろうとしないよ」
「どうかな~?」
唯は「御影とお話したい人はいるよ」といつも言っているがほんとに話ない人がいるかは唯にも御影にもわからない。
「そろそろ校門だから、マフラー返して」
「だめ。わたしが持ってる」
「なら放課後返してよ」
「はーい」
校門を通り生徒玄関まで続く道でそんなやりとりえをしていた。
唯と御影はクラスが違うため、下駄箱の位置が少し離れている。そのため、生徒玄関を入ってすぐ二人は別々の下駄箱に行く。
靴を履き替えてすぐに二人は別々の階段を上がっていく。
御影は一人で自分の教室まで行くのに対し、唯は同じクラスの生徒と一緒に教室に向かう。
御影の背中は少し寂しそうだった。
昼休み
唯はクラスメイトに囲まれて昼食をとるが、御影は一人窓側の席で窓の外を見て昼食をとる。
「ん……雪」
窓の外には雪が少しずつ降っていた。雪を見てはしゃぐ生徒も入れば、雪を見て嫌な顔をする生徒もいる。
天候が変われば、人それぞれ別々の思いを抱く。
「もう……そんな季節だったんだね……」
「今年はホワイトクリスマスにならないね」
「そうだね~ホワイトクリスマスってなんかロマンチックじゃない?」
「わかる~」
「唯ちゃんはクリスマスどうするの?」
「わたし?まだ予定はないかな」
「なら一緒に過ごさない?」
「いいね~それ!ウチは暇だし」
「うーん……家族と過ごすかもしれないから、クリスマスパーティー行けるかわからないの。今日、聞いてみるね」
「おっけ~」
「(御影にクリスマスどうするかきかないとな~)」
キーンコーンカーンコーン
昼休み終了五分前を告げる鐘が校舎ないになり響く。
「唯ちゃんまたね~」
「明宮さんまた」
「うん。またね」
彼女たちはそれぞれの教室に行き、次の授業の準備をしていく。
放課後
「ホームルーム始めるぞ」
「起立。しゃーす」
「「「「しゃーす」」」」
やる気のない号令をかけられ、周りもやる気のないように挨拶をする。教師は何事もなかったかのように話を始める。そんな中、唯は窓の外を見つめ一人、考え事をしていた。
「(クリスマスは御影と一緒に過ごしたいな。一緒にケーキ食べたりしたいな。)」
「起立。アディオス!!!」
「「「「アディオス!!!」」」」
「さようなら。気を付けて……」
男子生徒達はスペイン語でのさようならに意味する言葉を言って次々に教室を後にする。階段を駆け下りる生徒もいれば廊下で誰か待つ生徒もいる。
放課後になるといっそう騒がしくなる。
「(御影向かいに行こうかな。)」
唯は急ぎ足で御影のいる掃除場所へと向かう。
「十六夜さんお願いね。あたしら忙しいからさ」
「…………」
御影の掃除場所では、すべての仕事を御影に押し付けられていた。
「御影?大丈夫?」
女子生徒が御影に掃除を押し付けていた声が聞こえていたのか、それとも御影が一人で掃除しているのを見てそう言ったのか、御影にはわからない。
「唯……大丈夫だよ。ボク一人でもなんとかなるから」
「掃除押し付けるなんて最低ね。先生に言ってこようか?」
「いいよ。そんなことしなくて」
「でも……御影がそういうならわかった。わたしも掃除手伝うよ」
「そんな。唯に掃除はさせられないよ。唯はボクに構わず先に帰っていいよ」
唯は一人、窓を拭く御影の手に触れた。その瞬間に御影の体は波打った。御影は自分の手を唯の手が触れあっていることに気づくと顔を赤く染めた。
「一緒にやればすぐ終わるよ?」
「わ、わかったよ。一緒にやろう」
唯と御影は二人で廊下の窓ふきを始めた。
「御影。クリスマス予定ある?」
「ないけど。どうしたの?」
「なら一緒にすごそ?」
「えっ……」
御影の思考は軽く停止した。次の動作をするまでに2秒ほどラグが生じた。
「だめならいいけど」
「うん。やろ。クリスマスパーティー」
「なら、わたしの家ね」
こうして二人は来週に控えたクリスマスの予定を決めた。何も予定のなかった御影に、友達にパーティーに誘われた唯。学校でも正反対の二人が過ごすクリスマスはどうなるのか。今の段階ではだれにも予想のできない。
「御影。はいマフラー」
「ありがとう。でもなんでまた二人で一つなの?」
「こっちの方が温かいから~」
「まぁいいけど」
「御影」
「何?唯」
「何年ぶりかな二人で過ごすクリスマスって」
「中学生の時以来だね」
――二年前――
「御影~メーリークリスマース!」
「メリークリスマス。どうしたのその恰好」
「ミニスカサンタだけど変かな? お父さんがこれにしなって」
「(娘にミニスカサンタコスさせるお父さんってどうなのかな)」
「上がって御影。ごはんできてるから」
「お邪魔します」
「いらっしゃい。御影ちゃん。いつも通り我が家だと思ってくれていいのよ」
「いらっしゃい。御影君。唯の彼氏になってくれてありがとうね。」
「あら。あなた!御影ちゃんは女の子よ!」
とても優しそうな唯の両親。御影の親と正反対である。明宮家は御影を我が子のように接してくれる。御影にとっても唯にとっても大切な場所である。
「御影ちゃんどうぞ」
リビングの扉を開ければそこには、テーブルいっぱいの手料理が並べられていた。
「す、すごい。ボクこんなの初めて見たよ」
「えへへっすごいでしょ」
「唯と御影ちゃんは手洗いうがいしてらっしゃい」
「「はい」」
唯のお母さんに言われるままに唯はもちろん。御影も手洗いうがいをしてリビングに戻ってきた。
「皆さん席についてくださいな。それでは」
「「「「いただきます」」」」
楽しい食事の時間は学校での話や唯のお母さんの話をしながらあっとゆうまに過ぎていった。
「ケーキもあるのよ」
「ケーキ!」
そういうと唯のお母さんは冷蔵庫からケーキを出した。8つに切り分けられたケーキは一人ずつ一切れずつ配られた。
「御影の苺もらい!」
「ちょっと、唯! ボクの苺返せっ!」
「あらあら二人とも元気ね」
「お父さんもまぜてぇ」
「「お父さんは来ないで!」」
「とほほぉ」
「あなた。あーん」
「あーん」
唯の両親はとてもラブラブである。唯と御影に見せつけるかのようにあーんを繰り返していく。
「お風呂沸いてるから、ケーキ食べ終わったら二人で入ってきなさい」
二人はケーキを食べ終えると着替えを手にお風呂場に向かう。
「御影と一緒にお風呂入れるなんて嬉しい」
「ボクも唯と入りたかった」
唯はミニスカサンタコスを脱ぎ始めた。サンタコスはノースリーブだったため、唯の健康な肌が見えていたが、サンタコスを脱いでからみる唯の肌は綺麗なほんのり日焼けしている肌があらわになった。とても健康的な肌の色に、制服の上や私服の上からじゃわからなかった、胸の大きさ。服の上から見れば小さいように見えた胸が、服と言う鎖がほどけて本当の大きさをあらわにする。禁断の果実と言わなければならない。中学生とは思えないスタイルの唯。
「また大きくなったかも……」
「ゆ、唯……」
「御影も早く脱いで」
御影も服を脱ぎ始めた。御影は唯とは違い肌の色は白くとても、健康的とは言えない。だが、その肌は雪のように綺麗な肌で、雪女と言われても信じれるくらいまで綺麗な肌に、唯とはかなりの差がある胸。
「御影の肌ってほんとに白いね」
「仕方ないよ。あまり外に出ないから」
二人は自分たちの体を縛っている最後の鎖を外していく。隠れていた部分があらわになり、お互いに下を見ていた。
この時に御影の中で何かが動き始めた。普通の女性にはない気持ちが御影を襲う。それは男性を好きになるというそれと等しいくらいに。唯の体のすべてを見た御影。誰にも見せたことのない唯の表情、普段は見れない体。その一つ一つが御影の脳裏に焼き付いた。
「お風呂いこっか……」
「う、うん……」
「御影、体洗ってあげよっか?」
「いや、ボクが洗うよ」
「なら洗いっこしようか」
「そうだね」
お互いの体を洗い合う唯と御影。背中から洗い徐々に前の方を洗っていく。
「唯、前の方は自分で洗うから……」
「……」
唯は何も言わずに御影の胸を優しく洗い始める。最初は抵抗していたが、徐々に腕の力を抜けていき、御影は唯に洗われるがままになった。
「今度はボクの番だよ……」
「(。´・ω・)ん?」
御影は唯の果実を洗い始めた。唯は腕に力を入れておらず、御影に洗われるがままにされている。唯は御影に体を預けて洗われている。
「終わったよ。少しぐらい抵抗してほしかったよ」
「ごめんね。せっかくだから御影に甘えちゃった」
「ボクに甘えちゃうのわかるよ」
御影は得意げな顔をしながら、唯と一緒に湯舟につかる。
浴槽の大きさは大体、唯二人分。
「御影も少しそっち行って~」
「ならその胸を小さくしてね」
「胸は関係ないでしょ! む・ね・は!」
そんな会話をしながら、湯舟につかる。肩まで使って十数える。幼稚園児の時によくやった事を唯は今もやっている。
湯舟から上がって脱衣所に行き、バスタオルで体を拭き、持ってきた着替えに着替える。その後に唯の部屋に移動し寝る準備をする。
「御影って好きな人いるの?」
「きゅ、急にどうしたの」
「御影、モテるでしょ?」
「モテないよ。唯の方がモテてるでしょ。男子とかよく唯の事見てるよ」
「そんなことないって」
「あるよ」
「っで。御影は誰が好きなの?」
「好きな人なんていないよ」
御影は唯の事が好きなのは絶対に言えない。御影は唯に嫌われるのが怖くて、自分の思いを伝えられない。お風呂でのこともあり、御影は唯をどう見ればいいかわからなくなっている。
「ボクに聞いたってこと聞かれることは知ってるよ? 唯は誰が好きなの?」
「わたしは御影かな?」
「ど、どうゆうこと」
「そのままの意味だよ」
「どうゆうこと!?」
「そのままの意味だよ。おやすみ~」
「ゆ、唯!?」
唯はそのままベッドに入り、眠りに入った。御影は困ったように唯を見た。
「ボクだって唯の事好きになったんだよ……」
御影はそういうと唯と同じベッドに入って、御影は眠りについた。
唯は絶対に誰にも渡さない――
読んでいただきありがとうございます。こんな駄作ですみません。ゆっくり頑張って書いていくので。許してください。何でもしますから!ごちうさの映画最高でした。