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第四話 心の中の少女
ふわふわとした浮遊感・・・
私は、そこが夢の世界であると悟った。
「こんばんわ。」
気がつくと、小さな少女がいた。
「ねえ・・・私のお腹・・・あなたに焼かれちゃったの。」
「!!!」
それは、昔の私・・・
「あなたの現実の肉体は、焼かれていない。父上が止めたから。でもね・・・心はどうかしら・・・」
「私は、自分の幸せを求めてはいけない・・・!」
「そうして「逃げる」の?敵から逃げるのは、場合によっては許される。けど・・・」
がばっと、毛布を跳ね上げる。
「自分からは、逃げられない・・・」
ふと、枕元を見る。
そこには、わらが敷かれているバスケットがあり、中では私の使い魔のグレイ・カラスというカラスが眠っている・・・
「だめなんだ・・・私は・・・私だけは・・・」