EX1 酒の勢い
閑話休題・・・
さて、この世界で、類まれなる学識を持つ「錬金術師」「科学導師」「魔導師」「騎士」・・・これを統べるただ一人の男、ライテスは「総合導師」と称されていた。
その彼が、酒を飲んでいた。
「またここか・・・ライテス。」
酒量の増えたライテスを、心配して国王ユーフェルが酒場へやってきたのだ。
「どうした?」
「む・・・娘が・・・ルミナリアが・・・」
「ルミナリアが、絶食なのは知っている。またイケメン系の同期の「お宝」を潰したそうな。」
次にライテスが、血反吐を吐くように言った台詞は、衝撃的だった。
「月のものが、確認されました・・・」
「エリーの時は、君が炊いた「赤飯」を食べたのだったな・・・」
「自らの性器を焼き潰そうとしました・・・」
「そこまでするか・・・」
ユーフェルは、姪の「恋愛潔癖症」は知っていたが、ここまでとは・・・
「あいつは、恋愛をするのが嫌なのです・・・相手の家庭を壊すのが嫌だから・・・綺麗ごとではあるのですが、優しすぎるんですよ・・・」
「君は、疲れているんではないか?そうだ・・・君の家の庭の池に金魚がいただろう。」
「金魚・・・」
ライテスの脳細胞が、見当違いの方向に回転し始めた。
「金魚が、いるのだ!銀魚がいて何が悪い!」
叫ぶと、懐からメモ紙を取り出し、方程式を書きなぐる。
性質の悪いことに、すべて成立した式である。
「こりゃ・・・また変な生き物を作るな・・・」
ユーフェルは、ため息をついた。
こうして、「銀魚」は誕生しました。(笑)